投稿

4月, 2022の投稿を表示しています

【関連記事】マシュー・モディーン、『フルメタル・ジャケット』への出演の経緯と、キューブリックに「自分らしく演じればいい」と励まされたことを語る

イメージ
フルメタル・ジャケット・ダイアリー マシュー・モディーンとのQ&A 〈前略〉 スコット・テネント:『フルメタル・ジャケット』の役をどのようにして得たのですか? マシュー・モディーン:面白い話なんだ。サンセット大通りのソースという店でパンケーキを食べていたんだけど、デビッドの肩越しに私を疑うような目で見ている男がいたんだ。デヴィッドは「ああ、あれはヴァル・キルマーだ、彼は本当にいい奴だ」と言い、僕を紹介してくれた。ヴァルは「ああ、君のことは知っているよ。あんたにはうんざりだよ」と言った。私は『バーディ』、『ミセス・ソフェル』、『ビジョン・クエスト』と立て続けに出演していたんだ。ヴァルは「あんたはキューブリックの映画をやるんだよ」と言ったんだ。朝食を終えて、私はマネージャーに電話したけど、彼は何も知らなかった。キューブリック監督がワーナー・ブラザースで映画を撮っていることは知っていた。ハロルド・ベッカー監督に『ビジョン・クエスト』のプリントを依頼し、アラン・パーカーには『バーディー』のデイリー(粗編集)版を依頼していた(注:キューブリックはモディーンのオフショットにも注目していた)。 つまり、もしかしたらスタンリーは私のことを何も知らなかったのかもしれないし、ヴァル・キルマーは、私が『フルメタル・ジャケット』の役を得たことに何か関係しているかもしれないね。(注:ヴァルは『フルメタル…』に出演したくてオーディションのビデオをキューブリックに送っていた。詳細は こちら ) ST:キューブリックとの最初の出会いはどのようなものだったのでしょうか? MM:(妻と私がロンドンに落ち着くと)スタンリーは運転手を派遣してきて、私たちを田舎の彼の家に連れて行ってくれたんだ。私たちは素晴らしい楼門に車を走らせ、美しい古い田舎の土地に到着するまで長い私道がどこまでも続いていた。犬たちが飛び出してきて、家から出てきたのは髭を生やし、よれよれの服を着て、髪をなでつけた人なつっこい男だった。彼は想像していた通りの親切で優しい人だった。それは、私が聞かされていた彼の性格のすべてとはまったく違っていた。良き友人であり、良き父親であり、良き指導者であったというのが、私とスタンリーとの関係だ。 ST:撮影現場では、警告されていたスタンリー・キューブリックの姿にはならなかったのですか? MM:彼は...

【ブログ記事】『バリー・リンドン』BD版オープニングの改悪、4K UHD版では元に戻してくれますよね?ワーナーさん!

イメージ
 ワーナーが権利を持つキューブリック作品で、まだ4K化されていないのが『アイズ ワイド シャット』『ロリータ』とこの『バリー・リンドン』なのですが、『バリー・リンドン』のBDはとにかく評判が悪いのです。その理由は本来ヨーロッパビスタ(1.66)であるはずのアスペクト比を16:9で収録してしまっているということはもちろん(『キューブリックに魅せられた男』でレオン・ヴィタリが疲弊しきっているのは、この件で世界中のファンから叩かれまくったから)、オープニングでワーナーのロゴをオリジナルからメタルロゴに差し替えてしまったこともあります。  上記動画をご覧になれば一目瞭然。キューブリックはワーナーロゴのアニメーションに合わせて『サラバンド』をスタートさせています。それがBD版では台無しに。なんでワーナーはこんなことをしてしまったのか全く理解に苦しむのですが、それほどまでにこのメタルロゴ、デキが良いですかね? ちなみにオリジナルの1970年代のワーナーロゴをデザインしたのは、あのソール・バスです。『シャイニング』の広告デザインで、キューブリックにさんざんダメ出しされたソール・バスです(詳しくは こちら )。この旧ワーナーロゴが特別素晴らしいとは思いませんが(ソール・バスはデザイン史を語るときに外せない重要なデザイナーですので誤解ないようにお願いいたします)、オリジナルを尊重するという姿勢は絶対に忘れないでほしいですね。

【関連記事】『シャイニング』公開前、1980年初頭に行われたキューブリックのインタビュー

イメージ
『シャイニング』のビデオプレイバックを見るキューブリックとジャック・ニコルソン、ヴィヴィアンとスタッフの面々。キューブリックの撮影現場は人が少ないことで有名でだった。  次のインタビューは、1980年初頭にビセンテ・モリーナ・フォイクスによりキューブリック邸で行われ、『ザ・スタンリー・キューブリック・アーカイブズ』に転載されました。この本はカルト映画監督のアーカイブからの抜粋をまとめ、果てしない完璧さの追求が最重要点の本です。   〈中略〉 —スティーブン・キングの『シャイニング』のどこが特に気に入ったのでしょうか?  この小説はワーナー・ブラザーズの重役であるジョン・キャリーから送られてきたものですが、今まで送られてきたものの中で唯一良いと思った、あるいは好きだと思ったものです。たいていのものは「何ページか読んだからもういいや、時間の無駄だ」と思って読みます。『シャイニング』は非常に読ませれる作品だと思いましたし、プロットやアイデア、構成がこれまで読んだどのジャンルよりも想像力をかきたてられるものだと思いました。この作品から素晴らしい映画が作れそうな気がしました。 —キングの過去の小説はご存知でしたか?  いいえ、映画『キャリー』は観たことがありますが、彼の小説は読んだことがありませんでした。キングの優れた能力はプロットの構成にあると思います。つまり一度書いて、読んで、また書いて、出版社に送るというような書き方をしているように見えます。彼はほとんど発想にこだわっているようで、それはとてもはっきりしていると思います。 —でも、あの小説を手に入れる前から、ホラー映画を作ろうと思っていたんですか?  いいえ、映画を作るときにもう1本やりたいと思った作品はありませんし、同時に2つの物語を見つけたこともありません。本を読むときに唯一考慮するのは、自分が手がけた他の作品と非常によく似た映画を作りたくないということくらいです。それ以外は次回作をどうするかという先入観はありません。例えば今、自分が何をしようとしているのかさえ分からないのです。分かればいいのですが・・・時間の節約になりますから。 —これまでの作品では、特定のジャンル(SF、スリラー、戦争映画など)の慣例の中で仕事をしてきましたね。『シャイニング』に惹かれたのは、自分のキャリアの中で新しいジャンルの法則を探る機会を得...

【関連動画】1999年7月13日、ロサンゼルスで行われた『アイズ ワイド シャット』プレミアを報道する動画

イメージ
  1999年7月13日、ロサンゼルスのマン・ビレッジ・シアター(現リージェンシー・ビレッジ・シアター)で行われた『アイズ ワイド シャット』プレミアを報道する動画がありましたのでご紹介。  日本のプレミアは1999年7月15日ですので(詳細は こちら )、このあとすぐ二人はプライベートジェットで日本に飛んだことになります。ニコールは「ナーバス」とインタビュアーに応えていますが、本当にあまりこういう派手な場は好きじゃないんでしょうね。対するトムは余裕綽々で楽しんでいるという感じ。二人の性格がよく表れていると思います。