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【インスパイア】歌詞がまるっきり『博士の異常な愛情』な、オフスプリング『スリム・ピケンズ・ドーズ・ザ・ライト・シング・アンド・ライズ・ザ・ボム・トゥ・ヘル(The Offspring - Slim Pickens Does the Right Thing and Rides the Bomb to Hell)』

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『Slim Pickens Does the Right Thing and Rides the Bomb to Hell』は2:22から Slim Pickens, well he does the right thing And he rides the bomb to hell Yeah, he rides the bomb to hell Watch the pulse, it quickens after every little sting If you're gonna go to hell Drink it up, you might as well Are you really gonna take it like that? Riding on the missile with the cowboy hat, and Ah-ah-ah, well the world is gonna end So dance around the fire that we once believed in Ah-ah-ah Wanna tear it down again, now 'Cause there's nothing left for us to bleed Give it up, the sons of anarchy So come around and have another round on me Dance, fucker, dance, let the motherfucker burn! hey! スリム・ピケンズがやった通りだぜ 奴は爆弾に乗って地獄に行く 奴は爆弾に乗って地獄に行く 脈を見な、ちょろっと刺せば早くなるぜ あんたが地獄に行きたんだったらな ヤっちまったらそうなるぜ 本当にそんなのでいいのかよ? ミサイルに乗って、カウボーイハットをかぶって あーあーあーっ!世界は終わりに向かっている 俺たちゃ信じてたさ、だから炎の周りで踊ろうぜ あーあーあーっ!ぶっ壊したいぜもう一度 流すほどの血はもう残っちゃないぜ 諦めな、アナーキーの息子よ だからこっちに来な、一杯おごるぜ 踊れよ、クソ野郎、踊れよ、そのくそったれを燃やしてやれ! ヘイ! (The Offspring『Slim Pickens Does th...

【関連記事】クリス・アイザックの『ベイビー・ディド・ア・バッド・バッド・シング』が『アイズ ワイド シャット』に採用された経緯

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  1999年のMTV Newsとのインタビューで、アイザックは『ベイビー・ディド・ア・バッド・バッド・シング(Baby Did a Bad Bad Thing)』は一緒にいてはいけない人と一緒にいたいと思うことについての曲だと語った。注目すべきは『アイズ ワイド シャット』が同様のテーマに触れていることだ。アイザックは、かつて『シャイニング』や『2001年宇宙の旅』などの映画を監督したキューブリックに強い思い入れがあることを明かしている。  「『トゥナイト・ショー』に出演する準備をしていた時に電話がかかってきて初めて知ったんだ」とアイザックは振り返る。「彼らは僕の音楽を映画で使いたいと言ってきたんだ。そして今夜すぐ返事を知らせてくれって言うんだよ。いつもなら返事を急かされたら「もういいや」って言うんだけどね。でも、彼らは「スタンリー・キューブリックだ」と言ったんだ。それで私は「マジかよ?もちろんだよ!!」ってね」  アイザックは『アイズ ワイド シャット』において『Baby Did a Bad Bad Thing』が使用されることで、具体的な影響が得られると信じていた。興奮して「もしこれが映画に使われたら、どこかの時点でスタンリー・キューブリックに会うことになる、と考えていた 」とアイザックは回想している。「あのレベルで仕事をする人はそう多くないからね」  悲しいことに、キューブリックは『アイズ ワイド シャット』の公開前に亡くなってしまい、アイザックは彼と会うことはなかった。しかし『Wicked Game』のシンガーは、自分の曲が映画に登場したことを喜んでいる。「スタンリーがどこかに座っていて、俺のレコードをかけて"ああ、こいつは完璧だ "と言ったのを想像するのが好きだよ」とアイザックは語っている。 〈以下略〉 (引用元: Showbiz CheatSheet/2022年3月6日 )  クリス・アイザックがキューブリック(の関係者?)からオファーがあった時のことをインタビューで応えている記事がありましたのでご紹介。そりゃキューブリックからオファーがあったら誰もが飛び上がっちゃいますよね。存命時はそれだけ高い知名度と影響力を有していたのですから。でも、一緒に仕事をしているうちに「もう・・・勘弁してくれ・・・」になるのもお約束(笑。とにかくキュー...

【考察・検証】キューブリックはなぜ『2001年宇宙の旅』の美術デザインを手塚治虫に依頼したか?また、もし参加していればどうなっていたか?を検証する

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同じ1928年生まれの東西の天才クリエーター二人。もしこの二人のコラボが実現していたら・・・と夢想するが、果たして結果は?  1964年12月末、キューブリックは『2001年宇宙の旅』の美術監督への依頼の手紙を手塚治虫に送ります。しかし、当時『鉄腕アトム』で多忙だった手塚は当初は乗り気だったものの周囲の猛反対でこれを断念し、その旨キューブリックに手紙を書きます。翌1965年1月初旬、キューブリックから「残念だ」という旨の返信が届き、二人の手紙のやり取りは終わります(詳細は こちら )。この話は手塚が証拠の手紙を見せることができなかったこと、手塚が1964年を1963年と間違えて覚えていたことなどから「手塚のホラ話」として当時は全く信じられていませんでした。それに加えて手塚の描く「子供っぽい未来感」と、完成した『2001年…』に於けるディテールまでこだわり抜いたリアルな世界観とのギャップがあまりにも大きかったことも影響したのではないかと思います。現在ではこの話は「事実」と確定していますが、では、キューブリックは手塚(『鉄腕アトム』)のどこが気に入って美術監督のオファーをしたのかを、事実を列挙しつつ考察してみたいと思います。 (1)ストーリーからの考察  1965年2月、後に『2001年宇宙の旅』となるSF作品は『星々の彼方への旅(Journey Beyond the Stars)』として記者発表されます。ここでMGMに渡されていた脚本はクラークが1964年のクリスマスにキューブリックに「結末は未定だがそれ以外は完成した」として渡したものであると思われます。つまり、手塚治虫にオファーした段階は脚本の初稿が出来上がった段階と言えるでしょう。その初稿の詳細については不明ですが、初期段階の脚本(小説)の一端はアーサー・C・クラーク著の『失われた宇宙の旅2001』に掲載されています。以下はその一部の抜粋です。フロイド議員(博士ではない)がロボット開発担当のブルーノ博士とロボット「ソクラテス」(後のHAL)の研究室を訪問し、ロボットの説明と人工睡眠のテストの視察を行うシーンです。  ドアが開いた。ソクラテスはかるがると優雅に歩き、議員団と対面した。 「おはようございます、フロイド上院議員。適応マシン研究所一般ロボット工学部門へようこそいらっしゃいました。わたしはソクラテスといいま...

【関連動画】スピルバーグ、『プライベート・ライアン』のオハマ・ビーチ上陸シーンは『博士の異常な愛情』の基地襲撃シーンに影響を受けたものと語る

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  有名な『プライベート・ライアン』のノルマンディー上陸作戦のオハマ・ビーチ上陸シークエンスですが、これについてスピルバーグはキューブリックの『博士の異常な愛情』の影響を明言していて、『シンドラーのリスト』の際キューブリックに対して  「(博士の異常な愛情の)パープルソン空軍基地奪還のシークエンスを憶えていませんか?あなたはあのすごいシーンを長焦点レンズと手持ちカメラで撮りました。基地を撃つ兵士や逃げる記者たち・・・全部手持ちでしたよね」「だから通信隊のカメラと、それにあなたの影響で私はストーリーをああいうやりかたで語り、その後(の)『プライベート・ライアン』でもそうしたんですよ」(『キューブリック全書』より)  と語ったエピソードを紹介しています。  この『プライベート・ライアン』が与えた影響は大きく、当時まだタブーだった戦場の凄惨な描写と、これが戦場の色だと言わんばかりの灰色のくすんだ色彩は、その後の戦争映画のビジュアル面を決定づけたと言ってもいいでしょう。

【関連動画】4K UHD『時計じかけのオレンジ』とDVD、BDの画質を比較した動画

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埋め込み不可のため動画は こちら からどうぞ  この動画を見る限りだと、4Kの恩恵が素晴らしくある・・・とは言い難いなと思いました。まあ、チョイスしたシーンにもよりますし、PCのモニタ越しですので、なんとも言えないのですが、DVD、BDと比べて青被りがあるように感じました。理由はわかりませんが。  また、この当時の35mmカラーネガはまだ品質が悪く、キューブリックも苦労した旨の記述が評伝『映画監督スタンリー・キューブリック』にあります。4K UHD『2001年宇宙の旅』は70mmネガを8Kスキャンしたので素晴らしい画質だったのですが、この時代の35mmだと4K程度で画質向上は頭打ちになるんじゃないかな、と判断しています。まあでも購入判断の材料には良い動画ですね。  『時計じかけのオレンジ』 4K ULTRA HD & ブルーレイセット(2枚組)は こちら 。

【関連動画】2種類あるDVD、BD、UHD BD収録の『2001年宇宙の旅』オリジナル劇場予告編

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特別版(初版)DVDのみに収録の 『ツアラ…』のみバージョン ほとんどのDVD、BD、UHD BDに収録のナレーション入りバージョン   現在のDVDやBD、UHD BDに収録されている「オリジナル劇場予告編」というのは2種類あり、ひとつは1分51秒の『ツアラ…』のみバージョン、もうひとつは3分27秒のナレーション入りバージョンです。おそらく前者は公開前にキューブリックが本人が編集したもので、後者は公開後に理解不能者が続出したためにMGMが編集し直したものではないか、と予測しています(詳細をご存知の方は何卒ご教授を・・・)。  ところが困ったことに、後者のナレーション入りバージョンは 1998年に発売された初のDVDである「特別版」 にしか収録されていないんですね。しかもこのDVDにはクラークの特別講演の映像も収録されています。ですので、『2001年…』の特典映像を全て入手しようと思ったのなら、このDVDを外すわけにはいかないのです。  DVD自体は中古市場で安価に出回っていますので入手は難しくありませんが、画質はリマスター前でよろしくないですし、クラークの講演など熱心なファンかマニア以外にはあまり興味はないかもしれません。ですが「全部入り」で発売された4KのUHD BD版にも収録されていませんので、やはり一応は所有しておきたいですね。

【関連動画】『シャイニング』のダニー役、ダニー・ロイドが出演したTVドラマ『WILL G. Gordon Liddy』

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凛々しいOA時9歳のダニー・ロイド  ちょっぴり大人になったダニーが出演したTVドラマ『WILL G. Gordon Liddy』の全編がYouTubeにアップロードされていたのでご紹介。  ダニー・ロイドはゴードン・リディの少年期の役として出演していますが、ゴードン・リディとはウォーターゲート事件(ニクソン政権が大統領選の再選を目指し、民主党本部に盗聴器を仕掛けようとした事件)の主犯として逮捕されたFBIの元長官です。1970年代前半のアメリカを揺るがした大事件だったのでこのようなドラマが制作(原作はゴードン・リディの同名の自伝)されたのです。  オンエアは1982年1月10日で、ダニーくんは当時9歳。ダニー・ロイドの出演作は『シャイニング』と当作品のみ(『ドクター・スリープ』ではゲスト出演)なので、貴重といえば貴重になります。全編YouTubeで視聴できますが、おそらく消されてしまうのでご覧になりたい方はお早めにどうぞ。

【関連動画】『時計じかけのオレンジ』のサントラに『太陽の序曲』『ぼくは灯台守と結婚したい』の2曲が採用されたサイケデリック・フォークグループ「サンフォレスト」について

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Sunforest / Sounds Of Sunforest Full Album (1970) 00:00 Overture to the Sun 01:40 Where are you? 04:24 Bonny River 07:09 Be like me 09:20 Mr. Mumble 11:09 And i was blue 14:00 Lighthouse Keeper 16:04 Old Cluck 18:49 Lady Next Door 21:14 Peppertmint Store 23:16 Magician in the mountain 27:28 Lovely Day 30:16 Give me all your loving 32:55 Garden Rug 35:10 All in good time (動画概要欄より)  サンフォレストは、アメリカ・イギリスのサイケデリック・フォーク・ミュージック・トリオ。1968年にテリー・タッカー、エリカ・エイゲン、フレイア・ホーグの3人で結成された。彼らはデッカ・レコードから『サウンド・オブ・サンフォレスト』という1枚のアルバムだけを録音した。『時計じかけのオレンジ』のサウンドトラックに収録された『太陽への序曲(Overture to the Sun)』と『ぼくは灯台守と結婚したい(Lighthouse Keeper)』で知られている。 ・歴史  サンフォレストは1960年代後半にワシントンDCで始まった。テリー・タッカーとフレイア・ホーグは知り合いだった。ホーグはタッカーの詩を音楽化した。パーティーでエリカ・エイゲンと出会った後、彼らは一緒に曲を書いた。  ステージで演奏するのに十分な曲を作ったと思ったので、フレイアの発案で3人のミュージシャンはヨーロッパに旅行することにした。1969年、彼らはロンドンに移り住み、音楽シーンに参加するようになった。まもなく、デッカ・レコードの代表であったヴィック・コッパースミス=ヘヴン(ヴィック・スミス)と出会う。その夜、彼らはデモを録音し、2週間後スミスは彼らのマネージャーとなった。  スタンリー・キューブリックは『時計じかけのオレンジ』のサウンドトラックに2曲を入れたいと考えていた。彼は『太陽への序曲』を再録音するように要求した。テリーはアレンジを変更...

【関連動画】『2001年宇宙の旅』ディスカバリー号のウォークスルー動画

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 CGで再現された、『2001年宇宙の旅』ディスカバリー号内部のウォークスルー動画です。タイトルはVRとなっていますが、視点変更できませんので単なる動画としてご鑑賞ください。  なかなか完成度が高く、各セクションの説明もあってわかりやすいですね。ただ、残念なのはHALのブレインルームと操縦席がないこと。どうしてオミットしてしまったのか理由は不明ですが、あればさらに完成度が高まったのに・・・。しかし、こうしてみると船内はとても狭いですね。この狭さで男5人というのはなかなかストレスを感じそう。宇宙飛行士も大変です。

【スペシャルレポート】グランドシネマサンシャイン池袋の館内に掲示されている名画ポスターで、キューブリック作品を探してきました

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  グランドシネマサンシャイン池袋の館内には、往年の名画のポスターの複製が飾られています。そのポスターにキューブリック作品がどれだけあるのか調査してきましたので、その結果をお知らせしたいと思います。 『ロリータ』(6〜7階 エスカレーター) 『2001年宇宙の旅』(6〜7階 エスカレーター) 『シャイニング』※キービジュアルのみ(7〜8階 エスカレーター) 『時計じかけのオレンジ』(8階フロア)  以上なのですが、『2001年…』『ロリータ』『シャイニング』はエスカレーターの途中に掲示されているのでじっくり鑑賞するのは難しかったですね。『時計…』はシアター入口付近でしたので、撮影も鑑賞もやりやすかったです。  館内には約150枚もの映画ポスターが掲示されているそうですが、その中でキューブリック作品が4作品というのはなかなかの高割合です。こんなとこからもキューブリック作品の人気の高さが伺えますが、鑑賞はくれぐれも他のお客様のご迷惑にならないよう、注意してお願いいたします。 参考: 【グランドシネマサンシャイン】展示映画140作をまとめました!!

【スペシャルレポート】4K版『2001年宇宙の旅』をグランドシネマサンシャイン池袋で鑑賞してきました。

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 2026年2月1日、4K版 『2001年宇宙の旅』をグランドシネマサンシャイン池袋で鑑賞してきましたので、わかりやすいように感想を箇条書きにしたいと思います。こちらは「BESTIA(ベスティア)※4Kレーザー映像と3Dサウンドを融合させた独自規格のプレミアム映画鑑賞フォーマット」での鑑賞になりますのでご了承ください。 ・4K化により映像がより鮮明に。特に宇宙空間に星が(やり過ぎくらい)いっぱいになった ・音響面でも改善があり、宇宙ステーションロビーのアナウンスが聞き取りやすく(大き過ぎなくらい)なった ・ポッド這い出るボーマンのワイヤー影2本を消していなかった(詳細は こちら ) ・前奏、インターミッション(10分)あり。リゲティあり ・字幕は画面内表示 ・説明字幕追加 ・エンディングのドナウはフルバージョン ・最後にワーナーのメタルロゴ登場  『2001年…』は人気作のため、新しい映像フォーマットが登場する際、いの一番にそれに対応する作品のひとつです。ですので、2013年の『新(第四回)午前十時の映画祭』ではいち早くDCPでの公開になりました(それ以前は35mmフィルム)。つまり『2001年…』のDCPは15年くらいそのまま使われ続けてきたことになります。日進月歩のデジタルの世界で15年というのは非常に長い時間です。古い技術でDCP化された『2001年…』が、現在の最新上映設備を備えたシネコンでは役不足であるのは明白です。  そういう経緯もあって、やっと4K版新DCPが作られたわけですが、デジタルリマスタリングによって、当然ながら旧DCPより格段に画質・音質がアップしていました。ですが、それと同時に「古いフイルム時代の映画を高画質デジタル化する際の問題」も見えてきたように感じます。つまり「リマスタリングのしすぎ」。例えば今回の4K版『2001年…』では宇宙の星空が必要以上に強調され過ぎているように感じました。この星空を制作したダグラス・トランブルが「フィルムではあれだけ苦労した星空が見えない」と不満を漏らしていたのは事実ですが、それにしても星を輝かせ過ぎていると感じました。  また、サウンドトラックのリマスタリングにも問題を感じました。つまり、当時のアナログ音源をデジタル化し、現在のシネコンにふさわしいサントラに品質向上するための技術的問題です。1968年公開当...

【関連記事】原田眞人氏が『フルメタル・ジャケット』のセリフ翻訳担当の経緯と、その作業内容を語ったインタビュー記事

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原田眞人(wikipedia)  字幕翻訳者交代劇から始まったキューブリック監督との絆 原田:日本では一般的にFワードに対して「バカヤロー」とか「クソガキ」とか、通り一遍の訳し方をしちゃう。でもキューブリックは一言一言全部チェックしてたから、何がどういうふうに間違っているかっていうのを把握していた。英語圏の人にとっても初めて聞いたような罵倒の言葉を使ってるわけだから、それは日本人にとっても、初めて聞く罵倒の言葉じゃなきゃダメだって。「セイウチのケツにド頭つっこんでおっ死ね!」とかね。ああいうのが、その通りに訳されてなかった。それで、誰かそういう感覚が分かる奴いないのかってことで僕に話がきた。僕はキューブリックの気持ちも分かるので、喜んでやりましょうって。そのあとは、メールもネットもない時代だから、ほとんど毎晩のようにキューブリックと直接電話で連絡し、少し訳しては向こうに送って、それをキューブリックがチェックして。キューブリックからダイレクトに「ここはオリジナルとは変わっているけど、どういう理由なの?」と質問がきて、理由を説明すると、「元に戻そう」という時もあれば、「それでいこう」という時もある。そんな、細かいやり取りをしていった。でも、途中からはお互いの感覚が分かったし、僕は基本的にキューブリックの意向に沿ってやりたい、っていう気持ちを彼も分かってくれて、「任せるよ」ということになっていったんだ。 衝撃の事実!劇場公開用に製作された日本語吹替だった! 原田:キューブリックの意向で日本語吹替版を作ることになったっていうことは、劇場版として日本語吹替版をやりたいっていうことだったと思うよ。だけど日本語吹替版は劇場公開されなかった。でも素材としては存在していたから、水曜ロードショーでやろうって話になったんじゃないかな。ところが内容的に放送禁止用語が結構いろんなところに出てきている。それで放送できなかった、ということかもしれない。 だけどテレビ用の日本語吹替版とは比較にならないくらいお金かけているんで(笑)キャスティングも含めて。観たいと思っていたけど、なんで出ないんだろうってずっと思っていた。 キューブリックからもお墨付き!原田眞人翻訳・演出の日本語吹替版 原田:キューブリックも利重剛と村田雄浩をすごく気に入っていた。彼は各国の吹替え版を全部持っていて、言語バラバ...

【関連動画】『2001年宇宙の旅』の未公開シーンとセット画像を集めた動画と、クラビウス基地で登場したハンディカメラをニコンがデザインしたという説明の信憑性について

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動画内で「ニコン製」と説明されたハンディカメラと登場シーン  『2001年宇宙の旅』の製作時に撮影された写真と未公開シーンを集めた動画がありましたのでご紹介。  どの写真やイラストも こちら のサイトからの引用だと思いますが、引用元のサイトは製作当時撮影されたものと、後の時代に再現されたものが混在しているので、ある程度の知識がないと判断は難しいと思います。その点この動画でチョイスされている写真・イラストは私が判断するかぎり全て「当時もの」だと思います。ただし、概要欄で注釈がある通り、6:22の年老いたボーマンのメイク写真は『2010年』製作時のものですね。もちろんスターチャイルドの造形を担当したリズ・ムーアが『時計じかけのオレンジ』のヌードテーブルを製作している写真(5:18)も違いますが、まあこれはリズのキャリアを説明するために用意しただけなので、間違いとは言えないでしょう。  この動画で一番驚いたのは   クラビウス基地の会議室で使われていたハンディカメラはニコンが提供したという説明です。もちろん初耳です。確かにニコンのレンズはHALの見た目映像(魚眼)で使用され、プロップにも埋め込まれたことは知られています(詳細は こちら )。しかしこれはニコンが協力したというより、キューブリック側が「採用した」という話であって、レンズの入手は単に正規ルートで購入したということだと思います。ですがハンディカメラの話はそれとは異なり、ニコンがデザインしたものをキューブリック側に提供したということになります。そんな話は今まで見たことも聞いたこともありませんし、これを鵜呑みにすることはできないでしょう。なぜなら、それが事実なら日本人である我々がとっくに知っていなければならない話だからです。  キューブリックは『2001年…』の製作にあたり、映画内でロゴを登場させるなどの宣伝と引き換えに、数多くの企業に最先端の未来技術の提供を呼びかけました。それに応じたのがIBM、ベル、ボーイング、クライスラー、パンナム、BBC、GE、パーカーなどの企業です。その中にニコンが含まれていれば当然公開当時から話題になっていたはずです。動画内でその情報のソースは示されていない以上、軽々に鵜呑みにはできません。もちろん確かなソースがあれば別ですので、この情報の詳細をご存知の方がい...

【関連記事】手塚治虫『惑星ソラリス』『2001年宇宙の旅』を激賞する

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  SF映画の魅力  今年はSF映画の年だなんていうんで、ずいぶん期待していたのに、上半期はロクなのがこない。  ただひとつ、これは、『Apache』を買う金があったらみにいってちょうだいよ。いや、 間違い。『Apache』を買って映画へいこう。ソ連製SF映画「惑星ソラリス」だ!  これはもう、NHKのニュースセンター9時でも紹介したくらいだから、みたがっている人が 多いだろう。残念なことに特殊な配給方法なので、東京、大阪など大都市以外の地方館では上映しないようだ。この映画の、なんてったってみどころは、あの主役のナタリヤ・ボンダルチュク。 このコの演技がまず、アカデミー賞もの。  このコの役は、ハリーという、死んじまった若い人妻の役。この人妻そっくりに、得体の知れ ないものが化けて、スーッと現れるのだ。そして主人公の男に惚れちまって寝ようってわけなんだが、亡き妻そのままの姿に、男は気味悪がって逃げの一手。  まといつこうとする、にせハリーの執念がすさまじい。金属のドアを手でブチやぶって、血だらけになって出てくるのだ。ついに彼女は液体酸素を飲んじまって、そり返ってのたうちまわって、凍ってしまう。  いやなんとも、こんなものすごい女優の演技は、めったにお目にかかれないよ。  この「惑星ソラリス」、どうも、アメリカSF映画「2001年宇宙の旅」をひどく意識して つくったみたい。そういうわけで、いよいよ来春再公開がきまった「2001年―」 には、みていないヤング諸君も、もうゼツ大の期待をもっていてほしい。  さっきぼくが、今年はSF映画の年なのにロクなのがこないといったのは、実は、「2001 年―」が今年の夏に封切られるハズになっていたのに、都合で来年にまわされたから、いよいよヤケクソ気味なのだ。というのは、この春に、題名のまぎらわしい「2300年未来への旅」 なんていうのが封切られてしまったせいだという説がある。「2001年―」に比べれば「2300年―」は、やはり、格がかなり落ちる。  なんてったって、「2001年宇宙の旅」は史上最高にして唯一のSF大作なのでありますぞ、 お立ちあい。  ぼくは、なにも配給会社から金一封もらって宣伝しているのではない。仲間のSF作家が口を 揃えて絶賛しとるのだ。それに、この映画には、ぼくは、ちょっとした思い出がある。この映画の監督...

【BD/4K UHD】ワーナーより『バリー・リンドン』4K UHD+BDセット2025年12月24日発売決定!!

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バリー リンドン 4K UHD + ブルーレイ セット [Blu-ray](Amazon)  【DISC1】 本編: 約185分 ディスク仕様:   4K ULTRA HD(片面3層) 本編: 2160p Ultra High Definition 本編サイズ: ヨーロピアンビスタサイズ/16×9LB 音声: 1. DTSHDMA 5.1ch:英語 2. DTSHDMA 2.0ch:英語 字幕: 1. 日本語 2. 英語(SDH) 字幕翻訳: 高瀬鎮夫 【DISC2】 本編: 約185分 ディスク仕様:  ブルーレイ(2D)(片面2層) 本編サイズ: スクイーズビスタサイズ/16×9FF 音声: 1. ドルビーデジタル  5.1chEX:英語 字幕: 1. 日本語 2. 英語(SDH) 字幕翻訳: 高瀬鎮夫 (引用: ワーナーブラザース公式サイト )  正直「やっとか・・・」との思いはぬぐえません。ワーナーはBD版発売時にキューブリックの意図通りのヨーロッパビスタサイズの1.66(1.78表示で左右にレターボックス)という仕様にせず、16:9のフル表示で発売して世界中のファンから不評を買っていました。おまけにオープニングロゴをメタル仕様にする改悪までしでかす始末。それを改善したのが後発のクライテリオン版でしたが、残念ながら日本語字幕は未収録。それもあって買い控えをした方にとって、このワーナー版のリリースは心待ちにしていたものなのです。  今回、その問題アリアリのBDとセットで4K UHD版が発売されるわけですが(最悪のBD版との比較をしやすくしてくれたワーナーさんに感謝!とでも言っておきましょう)、残念ながら音声はキューブリックが意図したモノラルは未収録です。モノラル音声版はDVDの初版を入手するしかなさそうです(詳細は こちら )。クライテリオン版の5.1chはアシスタントだったレオン・ヴィタリの監修でしたが、ワーナー版はその表記がないので不明です。加えてクライテリオン版にはあった関係者インタビューなどの特典映像ディスクは未収録になります。まあでもこれは発売元が違うので仕方ないですね。  クライテリオン版の見本動画は こちら にありますが、おそらくこれと同等な品質でのリリースになると思われます(そうですよね?ワーナー...

【関連記事】『シャイニング』は実話に基づいている? コロラド州の実在する恐ろしいホテルについて

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小説版とTVドラマ版の舞台になった「スタンリー・ホテル」   スタンリー・キューブリック監督による1980年公開の『シャイニング』。映画史上最高のホラー映画と名高い同作は、1977年に出版されたスティーブン・キングの小説を原作に作られたものとして知られ、実際に起きた事件を基にした作品ではないが、実は、キングがインスピレーションを受けたというホテルが実在している。  同作は、コロラド州ロッキー山中にある人里離れたホテルで、閉鎖される冬の間暮らすことになった3人家族を追う物語だが、キングが自身のウェブサイトで明かしたところによると、彼が1974年に家族とともに宿泊したという、ロッキーマウンテン国立公園にほど近いスタンリー・ホテルからインスピレーションを受けたそうだ。 〈以下略〉 (引用: クランクイン/2025年11月1日 )  記事は小説版とスティーブン・キングが監修したTVドラマ版『シャイニング』の話であって、キューブリックの映画版とは関係ない話です。ただ、商魂たくましいこのスタンリー・ホテルは一番有名な映画版『シャイニング』の意匠を利用して集客を図っているようで、記事にある 「シャイニング・スイート」 を始め、 庭には生垣迷路 まであるそうです。  一方でキューブリックの映画版の外観モデルとなったティンバーライン・ロッジや内装のモデルとなったアワニー・ホテル(ここには是非泊まってみたい!)は(詳細は こちら )特に目立ったプロモーションなどはしていません。まあ、どちらとも元より有名なホテルなので、そんなことをしなくても集客には苦労していないのでしょう。  上記の写真の通り、原作小説とTVドラマ版に登場したスタンリー・ホテルは、映画版のオーバールック・ホテルとは随分と趣を異にしています。これについては過去に 「【考察・検証】なぜキューブリックは小説『シャイニング』のオーバールック・ホテルを改変したか?を検証する」 という記事で考察していますので、ぜひご覧ください。

【関連動画】キューブリックが憧れたスクープカメラマン、ウィージーにインスパイアされた映画『裸の街(The Naked City)』の全編がYouTubeにて公開中

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  ジュールズ・ダッシン監督、バリー・フィッツジェラルド、ハワード・ダフ、ドロシー・ハート、ドン・テイラーらが出演した1948年公開の映画『裸の街(The Naked City)』。この映画は事件現場の血なまぐさいスクープ写真を発表していたウィージー(本名アッシャー・フェリグ)の写真集『裸の街』にインスパイアされたもので、ウィージーはビジュアルコンサルタントとして製作にも協力しています。そのウィージーのファンだった、当時ルック社の若きカメラマンのキューブリックはこの映画の撮影現場を訪れ、取材写真を撮影しています。  その後映画監督になったキューブリックは、『博士の異常な愛情』のスチール写真撮影のためにウィージーを招聘、ついに憧れの人と一緒に仕事をすることになったのですが、オーストリア出身のウィージーのドイツ語訛りの英語は録音され、それをピーター・セラーズが真似てストレンジラブ博士のキャラクターが出来上がりました(ウィージーのインタビュー動画は こちら )。  ところでこの映画、キューブリックのフィルム・ノワール『非情の罠』製作に影響を与えたかもしれません。映画をどうしても当てたかったキューブリックにとって、この『裸の街』が大ヒットしたこと。撮影がニューヨークで行われ、その現場を取材していたことなどがその根拠です。もちろん証言はありませんので推測の域を出ませんが、当時資金もコネも何もないキューブリックにとって、身近な題材で、慣れ親しんだ街で撮影できるテーマやジャンルを選んだとしても何の不思議もないと思います。  その写真集『裸の街』を紹介した動画は以下をどうぞ。キューブリックの写真集『Through a Different Lens: Stanley Kubrick Photographs』(詳細は こちら )と比べてみても、やはり影響は感じられます。キューブリックはダイアン・アーバスの影響云々とよく言われるのですが、キューブリックがカメラマンだった頃はアーバス夫妻は売れっ子の単なるファッションカメラマンでしかなかったのでそれは間違いです。キューブリックの志向(嗜好)に合致するのは断然ウィージーだということがこれでよくわかりますね。

【関連記事】抽象的で理解の難しい『2001年宇宙の旅』が世に残り続ける理由

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2001: A Space Odyssey(IMDb) <1968年に公開され、世界を驚愕させたキューブリック監督の『2001年宇宙の旅』。説明が足りないからこそ宇宙への畏怖を僕は実感した> 3カ月ほど前からChatGPTを使い始めた。遅い。自分でも思う。いつもこうだ。人より遅れる。鈍いのだ。気付けばみんなはずっと前を走っている。 でも周回遅れで集団から離れるからこそ、見えたり発見できたりすることがある。 〈以下略〉 (引用: ニューズウィーク日本版/2025年08月21日 )  映画監督の森達也氏によるコラムです。論に特に目新しいものはありませんし、さんざん語り尽くされてきたことを繰り返しているだけに思えますが、それでも公開から半世紀以上経た現在もなおこうしてこうして語り継がれ、記事にされるということは素晴らしいことです。ですが、やたら特撮だったり未来予想だったり、難解(説明不足な)ラストシーンについての話題ばかりで、肝心のテーマについては今も昔も(一般層に)理解が進んでいないな、と感じるのは私だけではないでしょう。それは記事にある通り、 キューブリックは、人間の最大の問いをラストに提示した。われわれはどこから来たのか。何者なのか。どこへ行くのか。 という「人類のレゾンデートル(存在意義)への問いかけ」だったのですが、それを「神(宇宙)視点で描いた」点にこの作品の偉大さがあるのです(ちなみにクラークは小説版を「人類視点」で描いている)。  そういう意味で本作品は「永遠に越えられないSF映画の金字塔」と言われているのですが、それが必ずしも「特撮」や「未来予想」を指しているわけではない(もちろんそれはそれで素晴らしいのですが)、という事実をもっと多くの人に知ってほしいですね。

【原作小説】Amazon Kindleにサッカレーの小説『バリー・リンドン』が新訳で登場。しかも398円の超破格値!

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バリー・リンドン: アイルランド落ちぶれ貴族の波乱万丈の生涯 (Amazon)  状態にもよりますが、当時460円の角川文庫版・深町眞理子訳の小説『バリー・リンドン』が4000円程度からとプレミア化している現在、なんとAmazon Kindleに19世紀堂書店より『バリー・リンドン: アイルランド落ちぶれ貴族の波乱万丈の生涯』として登場しています。しかも読み放題のkindle unlimited加入なら無料、購入でも398円と破格の安さ!  では、その新訳のデキはどうなのかというと、比較は以下の通り。 第1章 我が家系と家族優しき情熱の影響を受ける 情熱  アダムの時代以来、この世で起こった災厄のほとんどには、 必ずと言っていいほど女性が関わっている。 我 がバリー家が家系として存在し始めた時(それはアダムの時代にほぼ近いほど古く、 誰もが知るように高貴で由緒ある家柄である)から、 女性たちは我が一族の運命に多大な影響を与えてきた。  ヨーロッパ中で、 アイルランド王国のバリー・オブ・バリューグ家の名を知らぬ紳士はいないだろう。 グウィリムやドジエの記録にもこれほど有名な家名は見当たらない。 世慣れた者として、私は靴磨きの下僕同然の系図しか持たない成り上がり者たちの高貴な血統主張を心底軽蔑し、 アイルランドの王族の末裔だと吹聴する同胞たちの自慢話を嘲笑するが、 真実を述べるなら、 我が家系はこの島で最も高貴であり、おそらく全世界でもそうであった。 戦争、裏切り、 時の流れ、 祖先の浪費、 古い信仰と君主への忠誠によって、今は 取るに足らないほど縮小した我が家の所領も、かつては驚くほど広大で、アイルランドが現在よりはるかに繁栄していた時代には多くの州を包含していた。 私は紋章にアイルランド王冠を掲げたいところだが、それを称し陳腐化させている愚かな詐称者があまりにも多い。  女性の過ちがなければ、 今頃私はその王冠を戴いていたかもしれない。 あなたは疑いの目を向けるだろう。 なぜ不可能だと言える?もしリチャード2世に膝を屈した腰抜けどもではなく、勇敢な指導者が我が同胞を率いていたなら、 彼らは自由の身となっていたかもしれない。 残忍なならず者オリバー・クロムウェルに対抗する決然たる指導者がいたなら、 我々は永遠にイギリスの軛を振り払えたはずだ。 しかし僭称者に対抗するバ...

【ブログ記事】キューブリックの三女ヴィヴィアン、CIA職員が「スタンリー・キューブリックを殺したのは私だ」とのTPVショーンのポストに「卑猥な嘘をでっち上げ」と大激怒!

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CIA職員、臨終の告白「スタンリー・キューブリックを殺したのは私だ」  スタンリー・キューブリックは映画を作っただけでなく、真実を暴いた。彼の遺作となった『アイズ ワイド シャット』は、エリート層の儀式の仮面を剥ぎ取り、編集版を提出してからわずか数日後に彼は亡くなった。  公式には心臓発作によるものとされたが、あるCIA職員は臨終の場で、上層部の命令による暗殺だったと告白した。  彼は、私たちが見た『アイズ ワイド シャット』はキューブリックの構想を歪めたバージョンだったと明かした。ナレーションは切り取られ、シーンは丸ごと削除され、エリート層の小児性愛ネットワークを暴くぞっとするようなサブプロットは編集室の床に埋もれていたのだ。 (引用: X@tpvsean/2024年8月19日 ) 父の死について、人々が狂気じみた嘘をでっち上げるのを止める術はない  @TPVSean の「報道」と、その生々しい「臨終の告白」を、私は無理やり最後まで見届けた。そこに真実があるのか​​どうか疑ったからではない―真実などない―ただ、反応する価値があるかどうか判断しなければならなかったからだ。  そこで、残酷なセンセーショナリズムよりも真実を重視する皆さんへ、私の反応を述べる。  父の死に関する何かを見るのは、いつも奇妙で非現実的で不安な体験だ。私自身も、父の死を悼み、深く悲しみ、苦しむ記憶を心に刻み、26年経った今でも涙を流す。そして、その場に居合わせたわけでもなく、父を知らず、何の繋がりもない、堕落した人々が、父の死因について卑猥な嘘をでっち上げている。  まるでマルウェアのように、父の死の真相に紛れ込んでいる。  ショーンが投稿した記事は、父の死に関する長年の陰謀論であり、全く真実ではない。しかし、そこに、人間によるマルウェアとしか言いようのない、忌まわしい例が付け加えられている。歪んだスリルを求める者が、父の人生に紛れ込もうとする、実にグロテスクな試みで名声を得ようとしているのだ。  見知らぬ男が留守番電話に、あなたの父を残酷に殴り、惨殺し、心臓を引き裂いたと告白する。嘘だと分かっていながら、それでもあなたはその残酷さとサディスティックな意図を受け止めざるを得ない。この臨終の懺悔者は、死者を搾取し、同時に悪意に満ちた嘘で生きている者を苦しめることを知りながら、堕落した自慰行為を行...