投稿

ラベル(トリビア)が付いた投稿を表示しています

【撮影・技術】ADR(Automatic Dialogue Replacement)

イメージ
ADR・Dubbing(wikipedia)   「オートマティック・ダイアログ・リプレースセメント」自動的に台詞を置き換えること。つまりアフター・レコーディング(アフレコ)もしくはダビング。  キューブリックはこのアフレコを毛嫌いしていて、マイクの小型化が実現するとすぐに採用するなど、常に撮影と台詞の同時録音にこだわった。アシスタントのレオン・ヴィタリによると、  「撮影の際に描写される雰囲気が決してADRでは、醸し出すことができないからだと思う」 とインタビューで応えている。  現場では小型マイクとブームマイクを使い分けていたようで、編集の際には他のテイクの台詞の一部分のみを切り出し、使用テイクの音源と差し替えたりするなど、あくまで同時録音にこだわっていたようだ。  キューブリックは処女作『恐怖と欲望』でアフレコに手間取り、当初4万ドルだった経費に更に上乗せして2万~3万ドル余計に支払わされる羽目になり、それもあってこのADRを嫌っていたのかもしれない。  ただし、すべて同時録音だったわけではなく、状況によって(例えば『2001年宇宙の旅』のHALのセリフ)はADRも使用している。

【トリビア】ジャズ・ドラマー(Jazz Drummer)

イメージ
1950年3月3日、ルック誌の取材時にジョージ・ルイス・アンド・ヒズ・バンドとセッションをするキューブリック   キューブリックはハイスクール時代、ドラマーとして数々のオーケストラやダンスパーティーなどで演奏していたそうだ。その腕前はというと当時のクラスメートによると、  「彼は、熱心に練習に来て演奏していた。スウィングやジャズ、流行の曲などを演奏している時が、一番練習に集中していた。驚くのは、練習に彼がカメラを持ってこなかったことだ。バンドに全力投球ていた。ドラムが上手だった彼はリズムをとるだけではなく、ソロもこなした」(『映画監督 スタンリー・キューブリック』より) と証言している。キューブリックは一時期はかなり真剣にジャズ・ドラマーになる事を考えたという。しかし後にツアーばかりのミュージシャンの生活を知るに及び、こんなに大変で体力的に厳しいならならなくてよかった、という旨の発言をしている。  キューブリックのこのドラマーとしての資質は映画製作にも活かされ、撮影時のアドリブを好み、まるで俳優とジャムセッションをするかようにアイデアの応酬を繰り広げていたようだ。その後の編集作業でもサウンドトラックと合わせたリズミカルな編集などにその影響が見て取れる。

【台詞・言葉】閉所恐怖症(Cabin Fever)

イメージ
「閉所恐怖症」で狂ったジャックがウェンディに詰め寄る名シーン。ウェンディ役のシェリーはニコルソンの迫真の演技に完全に参ってしまっている  『シャイニング』でグレイディが患ったとされた神経症。しかし実際はホテルに巣食う悪霊達がもたらしたものだった。やがてジャックも同じ症状に蝕まれ、最後に狂気が爆発する。  因に原語の『Cabin Fever』は「小屋の発熱」という意味。つまり小屋のように狭い場所に長くいると発熱症状を起こしてしまう、という事から閉所恐怖症を指す言葉になった。「キャビン・フィーバー」はホラー映画のタイトルにもなっている。

【トリビア】フェイル・セーフ(Fail Safe)

イメージ
原題はそのものずばりの『フェイル・セーフ』の映画『未知への飛行』  なんらかの装置・システムにおいて、誤操作・誤動作による障害が発生した場合、常に安全側に制御すること。またはそうなるような設計手法で信頼性設計のひとつ。これは装置やシステムは必ず故障するということを前提にしたものである。 (引用: Wikipedia『フェイルセーフ』 )  『博士…』に登場したCRM114回路がそれに当たり、核攻撃において敵の妨害工作で作戦遂行に支障が出るのを防ぐため、確実に作戦を遂行するための「安全装置」。これが逆に核攻撃を中止する際の最大の障壁になるのだから皮肉なものである。また、敵の核攻撃によって指揮系統が混乱した際に確実に核報復を行うシステム「R作戦」もフェイルセーフ思想に基づいて考えられたもの。敵に核攻撃を思いとどまらせるために策定した計画が、逆に核戦争を招いてしまうという皮肉な結果に、原発事故を招いた日本人は笑えません。

【トリビア】ファースト・コンタクト(First Contact)

イメージ
 ある文明が異なる他の文明や種族に初めて接した瞬間を指す文化人類学用語。例えばジャングルの未開の種族が初めて先進文明に触れた場合も「ファースト・コンタクト」と定義される。ただSFの場合、主に人類が初めて地球外文明に触れた瞬間を指す。  『2001年宇宙の旅』の場合、モノリスを発見した瞬間がそれに当たり、それによって引き起こされるであろう数々の文化的混乱を「カルチャー・ショック」と呼ぶ。『2001年…』ではそれを回避するためにクラビウス基地に箝口令が敷かれるという描写がなされていた。  このファースト・コンタクトという概念、フィクションの題材にはうってつけなので、数々の小説、映画、アニメのテーマになっている。有名なのはオーソン・ウェルズがラジオドラマで『宇宙戦争』を放送した際の大混乱。本当に火星人が攻めてきたと勘違いした聴衆がパニックを起こしたそうだ・・・と信じていましたが、近年の研究によるとこれはデマで、当時の振興メディア「ラジオ」に対して旧来のメディアの新聞社が起こしたネガティブキャンペーンだったそう。これは知りませんでした。

【トリビア】動物園仮説(Zoo Hypothesis)

イメージ
 人類以外の知的生命体の存在について、「もし恒星間航行を可能とする宇宙人がいるなら、なぜこの地球にやって来ないのか?」という疑問(フェルミのパラドックス)が提示されており、これに対してはいくつもの解釈が提示されているが、 ・宇宙人は地球人の存在を既に知っているが、地球人に干渉しないために自分たちの存在を隠している ・地球を含む宙域は保護区指定されており、宇宙人が自由に立ち入ることはできなくなっている 等という仮説が存在する。概念自体は古くから存在した説だが、1973年にハーバード大学のボールが発表した論文 “The Zoo Hypothesis” によって「動物園仮説」という名称が定着した。地球は宇宙人から見れば動物園のような観察対象に過ぎないという意味である。 (引用: wikipedia/動物園仮説 )  『2001年宇宙の旅』を理解する上で重要な概念のひとつで、スター・ゲートを抜けた先に突如現れる「白い部屋」がまさにそれを視覚的に表現したもの。キューブリックはこの部屋を「人間動物園のようなもの」と説明している。  『2001年…』の解説を乞われるのがめんどくさい、と思ったら。「アレは動物園仮説を元に、進化の概念を取り入れたファースト・コンタクトものの映画だから」と言って、あとは放置しましょう。本人にその気があれば、あとは勝手に調べてくれるでしょう(笑。

【トリビア】読唇術(Reading Lips)

イメージ
 今じゃ考えられませんが、公開当時このHALによる読唇術に懐疑的な指摘がされていました。曰く「コンピュータがそんな高度な機能を有する筈がない」と。  現在のコンピュータは音声認識と発声はほぼ実現、人工知能はまだ未熟、そして読唇についてはかなり精度が上がって来ているようです。でもこの『2001年…』が描いた未来にはまだまだほど遠いのが現状ですけどね。

【トリビア】罠(The Trap)

イメージ
俳優・スタッフ達と記念写真に収まるキューブリックと妻のトーバ・キューブリック  ただいまオーディトリウム渋谷で絶賛上映中のキューブリック処女作『恐怖と欲望』の当初のタイトル。企画時は『恐怖の形(The Shape Of Fear)』と題されていましたが、撮影中は『罠(The Trap)』に変更になりました。しかし『罠』というタイトルの映画は既にいくつかある事を知ったキューブリックが最終的に選んだのがタイトルが『恐怖と欲望』だったいう経緯があります。  こういった小ネタも知って『恐怖…』を観るとまた違った印象を受けるかも。『恐怖…』のどこに「罠」と言える要素があるのか・・・それは劇場でご確認ください。

【トリビア】ギルド劇場(Guild Theater)

イメージ
 キューブリック初の劇場用映画『恐怖と欲望』を上映したニューヨークにあった独立系シアター。場所はかの有名なロックフェラーセンターで、ラジオシティーホールの50番街側に入口があり、当時はアール・デコ風な外観と内装でした。  1938年12月2日にオープンし1画面450席、家具はフィンランドのデザイナー、アルヴァ・アールトがデザイン。通路のカーペットはアールデコ様式だったそうです。1999年に閉鎖、現在はファッションブランドのアンソロポロジーが入居しています。ストリートビューで見ると当時のチケットブースがかろうじて入口右側に現存しています。  このギルド劇場で『恐怖…』が初上映されたのは1953年3月31日、ロキシー・シアターでポルノまがいに宣伝され上映されたのが6月12日ですから、この約2ヶ月以上、映画は全く稼がなかったのでしょう。評論家からの評価は悪くなかったそうですが、この厳しい現実・・・キューブリック、前途多難の24歳の船出です。

【俳優】才能あるクソッタレ(a talented shit)

イメージ
 カーク・ダグラスが1988年にした自叙伝『くず屋の息子』でキューブリックを評した有名なこの言葉、少し「才能あるクソッタレ」の部分が一人歩きしているように思うので、もう少し前段を引用してみます。 「『スパルタカス』以降の約30年間、キューブリックは7本の映画しか作っていない。もし僕が彼を手放さずにいたら、その残りの映画の半分が、僕の会社のものになっていた」「素晴らしい才能と、性格の良さは関係ない。クソッタレが素晴らしい才能を持つこともあれば、その反対に、本当にイイ奴で微塵の才能もない者もいる。スタンリー・キューブリックは、才能のあるクソッタレだ」(引用:『映画監督スタンリーキューブリック』)  この一文を読むとカークは、キューブリックの契約解除に応じた後成功を収め、高い評価と莫大な興行収入をもたらした事実にある程度敬意を払っているようにも受け取れます。もちろん両者の個性の違いから、たとえ『スパルタカス』直後は引き止めに成功していたとしても、いづれの両者の決裂は自明だったでしょう。  ひょっしたらキューブリックはカークから自由になりたかったのかも知れません。「カークの元にいる限り、俺は一生雇われ監督だぞ」という危機感を感じていたとしたら、キューブリックの数々の無神経な振る舞いも計算ずくであった可能性もあります。  カークはこの時40歳半ば、キューブリックは30歳。親子とまではいきませんが一回り以上年上のカークは、キューブリックにとって乗り越えなければならない父親のような存在にも思えます。だからこそ、あえて反抗的な態度に出た。そうやって独立し成功した息子のようなキューブリックに贈った、愛憎半ばするカークなりの賛辞だったのかも知れません。

【場所・地名】ヴェルダンの戦い(Battle of Verdun)

イメージ
 『突撃』のモデルになった、フランス東部ヴェルダンで行われた第一次世界大戦での主要な戦いのひとつ。1916年2月21日に始まり同年12月16日まで続き、両軍合わせて70万人以上の死傷者を出した。  劇中の「蟻塚」のモデルは「ドォーモン砦」といい、現在でもその遺構が残されている。「Fort Douaumont」</a>で画像検索すれば当時の凄惨な戦場の様子や、兵士たち、死体、塹壕、トーチカ、砲撃の跡の穴ぼこだらけの大地、また現在の様子など様々な写真を見る事ができる(閲覧注意)。キューブリックもこれらの資料に基づいて映像化したのだろう、映画は割と忠実に再現しているのが見て取れる。  戦いの前半はドイツ軍がドォーモン砦を始め数々の砦を奪取するなど優勢に立っていた。フランス軍の間では士気は著しく低下し、厭戦気分が漂っていたという。それを知ったペタン将軍は兵士の待遇を改善し補給路を確保、士気も上がり物資も潤沢になったフランス軍はやがてドイツ軍の撃退に成功、同年の年末にはフランス軍は全ての失地を回復した。この功績によりペタンは一躍第一次世界大戦の英雄に祭り上げられるが、その後の第二次世界大戦ではナチスドイツの傀儡、ヴィシー政権の首相になり、戦後は国賊として糾弾されるのだから運命とは皮肉なものである。  尚、『突撃』で描かれた反乱罪による死刑は前年の1915年に起こっている。5人の兵士の未亡人がフランス陸軍を相手に訴訟を起こし、敗訴したという事実に基づいており、この戦いで起こった出来事ではない。

【トリビア】オペラント条件づけ(Operant Conditioning)

 オペラント条件づけ(オペラントじょうけんづけ、operant conditioning、またはinstrumental conditioning)とは、報酬や嫌悪刺激(罰)に適応して、自発的にある行動を行うように、学習することである。行動主義心理学の基本的な理論である。 (引用: オペラント条件づけ/wikipedia )  洗脳は思考をある一定の方向に染めてしまうイメージですが、このオペラント条件付けは本来全く関連性のない思考と行動を無理矢理固定化するというイメージでしょうか。望ましい行動に対して喜ばしい刺激を与える事を「正の強化」、ルドヴィコ療法のように、望ましくない行動に対して嫌悪刺激を与える事を「正の罰」というそうです。ただ『時計じかけのオレンジ』じたいカリカチュア化された物語ですので、厳密に考えなくても良さそうです。現にどうやってその条件付けを解除したかの描写はかなりいいかげんでしたし。  このオペラント条件付けは前作『2001年宇宙の旅』にも登場しています。飢餓のため絶滅の危機に瀕していた人類の祖先である猿人を、他の種を殺戮して食料や水を得るという知恵を授けるために、モノリスは「正の強化」を猿人に施した、と言えるからです。小説版『2001年…』ではそのプロセスが詳細に描写されていました。ただキューブリックはオペラント条件付けには懐疑的で「それでは単なるティーチングマシンにしか見えない」との理由で、映画版では「モノリスに触る事によって知恵を授かる」という抽象的な表現にしたようです。

【トリビア】スパルタカスの磔(Crucifixion of Spartacus)

イメージ
 『スパルタカス』のラストシーン、当時史実ではスパルタカスがどのように死んだかよく分かっていなかったため「アッピア街道に磔になり、その前で自由になったヴァリニアは子供を掲げる」というけ結末が創作された。(現在はシラルス川の戦いで戦死したというのが定説になっている)ただ、あからさまにキリストの磔や受胎を思わせるようなシーンに、キューブリックは当初は磔になったスパルタカスの姿をまるまるカットしていた。それを見たカークは激怒、椅子を投げつけて周囲に怒鳴り散らしたという。  キューブリックは善悪の二元論やありきたりなヒーロー像を好まない。キューブリックはカークが怒るのを承知の上でカットしたフィルムを見せた。それはキューブリックの思い通りにならなかった本作へのせめてもの抵抗だったのかも知れない。それは次作『ロリータ』での「いいや、俺はスパルタカスだ(No, I'm Spartacus)」の台詞にも表れている。

【トリビア】ブライアンの靴(Step Into My Shoes)

 『バリー・リンドン』で音楽会のシーン、ブリンドン卿がブライアンに自分の靴を履かせてバタバタと入場し、音楽会を台無しにしてしまいますが、私(ブリンドン)の靴に(ブライアンが)足を入れる行為(Step Into My Shoes)は「私の後釜に座る」という意味になるので、「ブライアンを使って私からリンドン家を乗っ取ろうとしているだろう?」という嫌がらせでバリーを挑発しているのです。  原作を当たっていないので、このシークエンスが原作準拠なのかどうかは分からないのですが、靴音の騒音とその行為の持つ意味の両方で二重の当てこすりをするというのが、いかにもキューブリックらしいですね。

【トリビア】自由射撃ゾーン(Free Fire Zone)

 友軍や民間人の立ち退きをした後、残っている勢力は敵兵であるという前提で自由に射撃してもかまわない区域。実際は区域内への周知の徹底や、丁寧な確認作業が行われていた訳ではないので、多くの民間人が犠牲になっている。  『フルメタル・ジャケット』ではドアガンナーが機関銃で掃射する区域がそうなのだが「逃げる奴はベトコン、逃げない奴は良く訓練されたベトコン」というのは「逃げる奴は多分民間人だろう、逃げない奴は多分ベトコンだろう、だけどいちいち確認なんてしてられないから全員ベトコンとして皆殺し。自由射撃ゾーンに指定されているんだからそんなのは知ったこっちゃない」というニュアンス。だから「ホント戦争は地獄だぜ!」と言っているのです。決して独断で無差別発砲していた訳ではありません・・・というか、実質的には軍が無差別発砲を許可してしまっているようなもの。酷い話ですがこれも戦争の現実です。

【トリビア】初めてコンピュータが歌った歌、デイジー・ベル(First computer to sing - Daisy Bell)

イメージ
 デイジー・ベルは、世界で初めてコンピュータが歌った歌として知られる。1961年、ベル研究所のIBM7094が歌った。ヴォーカルはジョン・ケリーとキャロル・ロックボーム (Carol Lockbaum) が、伴奏はマックス・マシューズ (Max Mathews) がプログラミングした。このエピソードから、1968年のSF映画・小説『2001年宇宙の旅』では、分解され機能を喪失しつつあるコンピュータHAL9000がデイジー・ベルの一部を歌うシーンがある。実際の歌声はHAL9000役の声優ダグラス・レイン (Douglas Rain) である。 (引用: デイジー・ベル/wikipedia )  HALのが歌った歌としておなじみの『デイジー・ベル』ですが、その元となったIBM7094が歌った音源がYouTubeにアップされていましたのでご紹介。でも、歌ったコンピュータの型番が「IBM7094」ってモロ「HAL9000」を連想させますね。当然この事実をキューブリックもクラークも知っていたはずですから、「IBMのアルファベットをひとつ前にずらせばHALになる、というのは単なる偶然」なんてホント言い訳にしか聞こえません。公開当時、コンピュータが反乱を起こすという映画の内容に怒って映画からIBMのロゴをはずさせた訳ですから、この事をもしIBMが知ったら下手をすると訴訟等に発展しかねません。その火消しにやっきになってたんでしょうね。

【トリビア】星条旗新聞(Stars and Stripes)

イメージ
※ベトナム戦争中の1972年の星条旗新聞太平洋版の紹介動画。以下は動画の説明文。  『あなたの星条旗新聞太平洋版』は、2012年に創立70周年を迎えた、国防総省の権限の下で発行されている米軍の公式日刊紙。太平洋版は第二次世界大戦の終了後のまもなく1945年10月3日に発行を開始し、東京の赤坂プレスセンターから出版され続けている。太平洋版は諸島、グアム、タイ、韓国、日本、沖縄、ミッドウェイ、ディエゴ・ガルシアの軍事要員に配布されていて、「ブルー・ストリーク」版はベトナムで軍に配布されている。  ジョーカーが配属された海兵隊の報道部門が記事を提供しているアメリカ軍の公式機関紙。現在も発行されていて、現在も動画と同じ場所、同じ建物で赤坂(というより六本木トンネルそば)に「星条旗新聞社」として存在している。米軍のヘリポートもあり、危険だとして現在返還運動がされているがあまり盛り上がっていない。場所がいいせいか米軍も返す気はないようだ。

【トリビア】カラス(Crow)

 西洋では「死を招く鳥」とされている。『アイズ アイズ シャット』では、ビルの身代わりになると宣言した謎の女を連れて行く従者が付けていた仮面がカラスで、まさしく「死を招いて」いる。

【トリビア】ナーダック・ブレフェスク提供/ストレンジラブ博士、または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか/マクロ・ギャラクシー・メテオ映画

 なんとも長ったらしいですが、これが脚本の草稿段階での『博士の異常な愛情』のタイトルでした。キューブリックと原作者のピート・ジョージで考えたらしいですが、これからも分かるように「宇宙人が滅びた地球を見つけて、発掘した情報を元に作った映画」という当初のアイデアを反映したものになってます。さすがのキューブリックもこれは悪ふざけがすぎると思ったのか、結局このアイデアはボツになって現在の形になりましたが、この「宇宙人視点で映画を創る」というアイデアは次作『2001年…』で実現することになります。しかも配給は「マクロ・ギャラクシー・メテオ」ではなく「メトロ・ゴールドウィン・メイヤー」でしたね。

【台詞・言葉】ブラーニー・ストーン(Blarney Stone)

  『ロリータ』でハンバートとロリータが車内で交わす会話で、ロリータが「ブラーニー・ストーンにキスしたことある?」と尋ねるシーンがあります。これはアイルランドのブラーニー城にある「ブラーニー・ストーンにキスすると雄弁になる」という言い伝えがあり、このシーンの直前にロリータとハンバートは寝てしまっている事から「あなたは雄弁にその事を話す人?」とハンバートに暗に問いかけているのです。  ただ「カンの鈍い」ハンバートはそれに気付かず「いいや、いつかしてみたいと思っている」と間の抜けた返事をします。それに対しロリータは次にはっきりと「ママに今日の事言うの?」と訊くが今度も「言う?何を?」と返され、あきれたロリータは「知ってるでしょう?アレよ」と答え、やっとハンバートはこの会話の意味に気づきます。  こういった会話一つにも、ロリータの小賢しい性格とハンバートの鈍い性格が表現されているのですが、ブラーニー・ストーンの予備知識のない者にとってはちょっとハードルが高いですね。