投稿

ラベル(関連作品)が付いた投稿を表示しています

【関連動画】『シャイニング』のダニー役、ダニー・ロイドが出演したTVドラマ『WILL G. Gordon Liddy』

イメージ
凛々しいOA時9歳のダニー・ロイド  ちょっぴり大人になったダニーが出演したTVドラマ『WILL G. Gordon Liddy』の全編がYouTubeにアップロードされていたのでご紹介。  ダニー・ロイドはゴードン・リディの少年期の役として出演していますが、ゴードン・リディとはウォーターゲート事件(ニクソン政権が大統領選の再選を目指し、民主党本部に盗聴器を仕掛けようとした事件)の主犯として逮捕されたFBIの元長官です。1970年代前半のアメリカを揺るがした大事件だったのでこのようなドラマが制作(原作はゴードン・リディの同名の自伝)されたのです。  オンエアは1982年1月10日で、ダニーくんは当時9歳。ダニー・ロイドの出演作は『シャイニング』と当作品のみ(『ドクター・スリープ』ではゲスト出演)なので、貴重といえば貴重になります。全編YouTubeで視聴できますが、おそらく消されてしまうのでご覧になりたい方はお早めにどうぞ。

【関連記事】〈とってもキューブリックっぽい?〉強制収容所を取り囲む地域を描く衝撃的ホロコーストドラマ ジョナサン・グレイザー監督『関心領域』5月24日から公開

イメージ
 A24製作、ジョナサン・グレイザー監督の最新作で、第76回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞、第81回ゴールデングローブ賞で作品賞(ドラマ部門)ほか3部門にノミネートされた「The Zone of Interest」(原題)が、「関心領域」の邦題で5月24日から公開される。  本作はイギリスの作家マーティン・エイミスの同名小説を原案に、「アンダー・ザ・スキン 種の捕食」(13)のジョナサン・グレイザー監督が10年もの歳月をかけて映画化したもの。「The Zone of Interest(関心領域)」とは、第2次世界大戦中、ナチス親衛隊がポーランド・オシフィエンチム郊外にあるアウシュビッツ強制収容所群を取り囲む40平方キロメートルの地域を表現するために使った言葉。映画では、強制収容所と壁一枚隔てた屋敷に住む収容所の所長とその家族の暮らしが描かれる。 〈以下略〉 (引用: 映画.com/2024年1月19日 )  キューブリック・スメルがプンプンする予告編ですが、それもそのはず監督のジョナサン・グレイザーはMV出身の監督で、過去に「キューブリック大好き!」を隠さないMVをいくつか制作しています。 ブラー『ザ・ユニバーサル』 マッシヴ・アタック『カマコマ』  一般的にはジャミロクワイの『バーチャル・インサニティ』が有名ですね。このMVは撮影方法を含めて当時話題になりました。 ジャミロクワイ『バーチャル・インサニティ』  『関心領域』ですが、かなり評価が高いようです。題材も興味深いですし、期待して公開を待ちたいと思います。

【関連記事】スティーブン・スピルバーグ、スタンリー・キューブリックの『ナポレオン』を「大作にする」。HBOで7部作の限定シリーズとして企画が決定

イメージ
キューブリックによる『ナポレオン』の衣装の試作。左の少女は長女のカタリーナ、右は次女のアンヤ?  スタンリー・キューブリックの失われたプロジェクトのひとつ、ナポレオン・ボナパルトの大規模な伝記映画は、ここ7年間、HBOのために製作されてきたものだ。  少なくとも10年前から関わってきたスティーブン・スピルバーグは、現在「大作を製作する」と語っており、このプロジェクトはプレミアムケーブルネットワークのための7部作になる予定だそう。  Deadlineによると、このプロジェクトはまだ開発段階だが、シリーズ化のオーダーは間近だという。  ベルリン映画祭でスピルバーグ監督は、「クリスティアン・キューブリックとヤン・ハーランの協力のもと、スタンリーのオリジナル脚本『ナポレオン』をもとに、HBOのために大作を制作しているところです」「ナポレオンは7部作のリミテッドシリーズとして取り組んでいます」と語っている。 (引用: Deadline.com/2023年2月21日 )  何年も噂になっては消えていたキューブリックの『ナポレオン』の映像化ですが、スピルバーグの名前が挙がってからもずいぶんと時間が経ってしまいました。その本人がここまでの発言をするのですから、期待してもいいのではないでしょうか。  記事には監督の名前が挙がっていませんが、過去にはキャリー・フクナガ、バズ・ラーマンの名前が取りざたされていました。スピルバークが『ナポレオン』の映像化を企画しているというニュースは管理人が知る限り、一番古いものですでに2013年に報じられています。  それから約10年、ここにきてこのニュースです。実現の可能性は高いと・・・見ていいんでしょうね?

【関連記事】「グリーンマイル」「シャイニング」「キャリー」スティーブン・キング作品の映像化の裏側は?

イメージ
  テキサス州オースティンで開催されたファンタスティック映画祭(9月22日~29日)に、興味深いドキュメンタリー映画が出品された。タイトルは「King on Screen(原題)」。テーマは“ホラーの帝王”スティーブン・キングの映像化作品だ。今回、監督を務めたダフネ・ベビールが単独インタビューに応じてくれた。(取材・文/細木信宏 Nobuhiro Hosoki) 〈中略〉  キングは、自身の原作を基にした映画「シャイニング」(スタンリー・キューブリック監督)を毛嫌いしていた。その理由のひとつは、キングにとって、原作小説がとても個人的な作品だったから。キング作品の読者も、ストーリーを変更したキューブリック監督の映画版に対して、公開当初、拒否反応を示していた。やがて、キング自身も不満をあらわにし、自らテレビのミニシリーズ「シャイニング」を手がけることになった。  「原作は、キングにとって(まるで)我が子のように感情的な絆を持った存在。彼は、フィルムメイカーの(思い通りの)脚色のために、映画化権を与えていました。映画版『シャイニング』が自由な解釈と方向性をとり、そこに満足できなかった事実を突きつけられたことで、キング自身の方法によって、作品を修復したかったのだと思います。キングの作品が成功していなかった時代について、『King on Screen(原題)』で語っているパートを見てみると、キングの視点がわかるはず。テレビ版「シャイニング」を脚色することができたのは、自らの原作に近いから。キングの脚色では、主人公ジャック・トランス(映画版ではジャック・ニコルソンが演じた役)が正気を失っていくさまを、視聴者が完全に感じ取ることができると思います。キャラクターの進化(=変化)を探求する時間があるため、ミニシリーズで描いた点も良かったと思います」 〈以下略〉 (引用元: 映画.com/2022年10月4日 )  スティーブン・キングはジャック・ニコルソンのキャスティングに際して「彼だと最初から狂っているように見える」と批判し、自身が監修を務めたTVドラマ版ではスティーブン・ウェバーをキャスティングしました。ですが、キングの言葉を引用するなら「彼だと最後までいい人に見えてしまう」という結果になってしまいました。つまり「いい人が狂った演技をしているだけにしか見えない」ということ...

【ブログ記事】キューブリックの二番目の妻、ルース・ソボトカが出演した前衛映画『金で買える夢(Dreams That Money Can Buy)』にキューブリックとトーバ・メッツがエキストラで参加

イメージ
キューブリックの左側にいるのがトーバ・メッツ 映画の男と同じポーズをとる芝居をするキューブリック キューブリックとルースが「共演」したシーン  キューブリックの二番目の妻、ルース・ソボトカがキューブリックと結婚前、画家兼映画監督ハンス・リヒターの前衛映画『金で買える夢(Dreams That Money Can Buy)』に出演していたことは以前 この記事 で紹介しましたが、この映画にキューブリックと最初の妻であるトーバ・メッツ(当時はガールフレンド)が、エキストラとして参加していたそうです。  この作品の初公開は1947年9月ですので、撮影がその年だとしてもキューブリックは当時18~19歳(撮影が1947年7月以前なら18歳)。この頃すでにルック誌の有望な新人カメラマンとして、ニューヨークのユダヤ人コミュニティでは知られた存在でした。であれば、キューブリックが映画製作に興味がることを知っている誰かが、この作品のエキストラとしてキューブリックとトーバを撮影現場に誘ったのでは?と考えるのが妥当な気がします。どちらにしても公開された作品は観たでしょうから、キューブリックとトーバは結婚する前から、将来キューブリックの二番目の妻となるルースの存在を認識していたことになります。そのキューブリックがルースと付き合うようになるのはこの5年後の1952年。この頃キューブリックは『恐怖と欲望』を制作中で、ルースはバレリーナをしていました。きっかけはルースのルームメイトの振付師、デイビッド・ヴォーガン(のちに『非情の罠』でデイヴィのマフラーを盗む役として出演)を通じてだと言われています。 ルースが初めて映画に登場するシーン  いずれにしてもこの作品で、キューブリック本人とその最初の妻であるトーバ、二番目の妻であるルースが「共演」しているという事実は、実に驚くべきものがあります。つまりこの三人は、ニューヨークのユダヤ人コミュニティという狭い範囲で知り合い、結婚まで至ったということです。キューブリックはその後、ニューヨークはおろかアメリカからもはるか離れたドイツで、以降の生涯を共にするクリスティアーヌ(しかもユダヤ人を弾圧したナチに近い家系の出身者)と三度目の結婚をすることになるのですが、キューブリックがニューヨークのユダヤ人コミュニティから離れ、イギリスに居を構えたのは、そのユダヤ人コミ...

【インスパイア】とっても『時計じかけのオレンジ』な『ドッキリ・ボーイ/窓拭き大騒動』の予告編と、両作に出演しているモデル兼女優カチャ・ワイエスについて

イメージ
メガネをかけた緑のワンピースの女性が『時計じかけのオレンジ』のラストシーンでアレックスの「お相手」だったカチャ・ワイエス  フラッシュカットにスーパーインポーズを混ぜ込む手法はまさしく『時計じかけのオレンジ』の予告編を彷彿とさせますが、『時計…』の予告編を制作したのはキューブリックではなくパブロ・フェロというアーティストです。パブロ・フェロは元々グラフィックデザイナー兼CM制作者で、広告畑の人でした。それをキューブリックが『博士の異常な愛情』の予告編とタイトルシークエンスの制作に起用し、それがきっかけで映画界で活躍するようになったのです。  さて、この1974年公開の『ドッキリ・ボーイ/窓拭き大騒動』という作品。チェリー・ボーイが積極的な女の子と繰り広げるドタバタエロラブコメ映画は、日本でも1980年代あたりに『パンツの穴』『童貞物語』、TVドラマでは『毎度おさわがせします』などブームになっていましたが(中二病全開の『台風クラブ』という傑作もありましたね)、現在の「青春ラブコメ」には露骨な性描写はほとんどなく、清々しくもピュアな物語ばかりになってしまいました。そのピュアピュアで育った世代が『時計…』の性描写を観て「過激」と反応してしまうのは分からないでもないのですが、1970年代に台頭した「性の解放」運動からのソフトコアポルノや性のめざめ映画、そしてこの青春エロコメディ映画への流れを知っておかないと、『時計…』だけが突出して性描写が過激だったとの誤解を生んでしまいます。つまり1970~1980年代だとこの程度は「当たり前」だったのです。もちろん2000年代に入ってからの現実社会における性犯罪の深刻化などがあり、規制が強化されたことが背景にあるのは間違いないですし、それを云々するつもりもありませんが、『時計…』の性描写に過剰に反応してしまい、その深刻で辛辣なメッセージを読み取ることができない、となってしまうのであれば、とても残念だと言わざるを得ないでしょう。  ところでこの映画、実は『時計…』のラストシーン「完璧になおったね」でアレックスの「お相手」だったカチャ・ワイエス(Katya Wyeth)が出演しています(緑のワンピースの女性)。このワイエスはモデルでもあって、雑誌にも頻繁に登場していたようです。キューブリックは、エロシーンにはヌードに慣れているモデルを起用す...

【インスパイア】映画『シド・アンド・ナンシー』に、『時計じかけのオレンジ』のドルーグのファッションをしたグルーピーが登場

イメージ
映画『シド・アンド・ナンシー』には、『2001年宇宙の旅』でアーサー・C・クラークが執筆のため投宿した「チェルシー・ホテル」も登場するので、機会があればぜひどうぞ   セックス・ピストルズのベーシスト(だがマトモに弾けなかった)だったシド・ヴィシャスと、グルーピーだったナンシー・スパンゲンの悲劇的な恋愛を描いた映画『シド・アンド・ナンシー』に、『時計じかけのオレンジ』のドルーグのファッションをしたグルーピーが登場しているのでご紹介。  この登場人物、ブレンダ・ウィンザーという名前で、キャシー・バークが演じています。ブレンダ・ウィンザーなるグルーピーが実在したかどうかはわかりませんが、ジョン・ライドンの「今までに読んだ本は『時計じかけのオレンジ』だけ」という発言があり(※記憶違いの可能性あり。ソースをご存知の方がいらっしゃいましたらご教授を!)、その関係でファッションに採用されたのかもしれません。  さて、この映画。一時期は「パンクスのバイブル」みたいに言われ、必見の映画とされていたのですが現在はどうなんでしょう? 椎名林檎の『ここでキスして。』でも言及されていましたし、さぞかし実際のシドとナンシーもこんな情熱的で悲劇的な物語と思っている方も多いと思います。が・・・ロックに詳しい方ならご存知のはず。この物語、「美化され方がひどい」という事実を。間違ってもこの映画を見てシドとナンシーの実際を知った気になってはいけません。この二人の実際はどうであったかは関連書籍を読めばわかります。多くのロック映画がそうであるように、しょせんはフィクションです。『ボヘミアン・ラプソディ』が嘘だらけ(フレディが自分がエイズであると知ったのはライブエイド後なので、あのプロットは成立しない)なのにあれだけファンに支持されたのは、そこに「クイーン愛」があったからです。(オリバー・ストーン!聞いてるか?笑)  最近、その『ボヘミアン・ラプソディ』の成功に触発され、また「ロック伝記映画ブーム」が起こりつつあるようです。正直、そんなもの観るなら完全なるフィクション(『さらば青春の光』とか『ブルース・ブラザーズ』とか『ロッキー・ホラー・ショー』とか)か、ドキュメンタリーでも観とけって思うのですが、中にはそこそこ「楽しめる」作品があるのも事実。ですが題材にされたアーティストは実在であっても、その映画...

【インスパイア】とっても『2001年宇宙の旅』な、旧ソ連謹製SF映画『モスクワ-カシオペア(Москва – Кассиопея)』

イメージ
  1973年に旧ソ連が制作したSF映画『モスクワ-カシオペア』に『2001年宇宙の旅』の影響が見て取れるのでご紹介。  旧ソ連の指導部から「宇宙開発のパイオニアたる我が指導部の名にかけて、米帝のSF映画なんぞに負けてたまるか」という大号令が下った・・・かどうかは知りませんが(笑、映像を観る限りなかなか予算のかかった本格SF映画のようです。当時のソ連の子供達はこれを観て熱狂したそうなので、『2001年…』の存在を知らない(公開されていない)とはいえ、プロパガンダ的には成功したんでしょう。  六角形の通路やHALの目らしき物体が埋め込まれたコンソール、赤い文字が点滅するアラート表現など、ツッコミどころは満載ですが、無重力の表現にはなかなかリアリティがありますね。あらすじは  遠い宇宙から怪しげな電波が来たので、なんとか現地に到達する計画をソヴィエト政府が画策します。おりしも、亜光速エンジンが開発された関係で、航海中の老齢化を考慮のうえ、十代の子供たちが搭乗することになります。ひとりだけ困ったちゃんが乗り込んでおり、そのバカの誤操作で、宇宙船は超光速推進に移行。その先の旅を続けるか否かの疑問に一同Goサインというところで終わります。この映画の続きは宇宙の十代に描かれています。 (引用元: それ行けB级映画集 GoGo B Movies!『モスクワ-カシオペア Moscow-Cassiopeia Москва – Кассиопея 1973』 ) とのことですが、この映画の成功に気を良くしたのか、ソ連指導部は翌年の1974年に続編の『宇宙の十代 (Отроки во вселенной)』を制作、公開したそうです。  以前、キューブリックも『2001年…』制作の参考に観たという、同じくソ連謹製のトンデモSF映画 『火を噴く惑星』 をご紹介しましたが、この『モスクワ-カシオペア』『宇宙の十代』は日本でDVD化されていません。現在では一周回ってカルト的な人気を博しているそうなので、映画輸入販売会社のみなさまは、公開もしくは円盤化をご検討してみてはいかがでしょうか。

【関連動画】元ポリスのギタリスト、アンディ・サマーズによる『2001年宇宙の旅』の続編『2010年』の『ツァラトゥストラはかく語りき』

イメージ
 元ポリスのギタリスト、アンディ・サマーズが映画『2010年』のためにアレンジした『ツァラトゥストラはかく語りき』のディスコバージョンです。  当時、この曲を聴いた時の正直な感想は「なんじゃこりゃ」でしたが、今聴いてもやっぱり「なんじゃこりゃ」ですね。本編では荘厳なクラッシックバージョンが使われているので、この曲はサントラのみの収録になります。公開年の1984年といえばメンバーのソロ活動が本格化し、ポリスは活動停止だなんだでゴタゴタしていた頃。スティングはソロ活動で大成功を納めましたが、他のメンバーはどうだったんでしょうね。 wikiで調べると 映画関係で多少は活躍したようです。再結成も幾度かあったよう。  この頃、SF映画のサントラをロック・ミュージシャンが担当するというのが流行していて、(『フラッシュ・ゴードン』とか『ターミネーター2』とか『デューン/砂の惑星』とか・・・)その影響も大きかったかも知れません。個人的にはアンディ・サマーズのクールなニューウェイブ的ギターではなく、ピンクフロイドのデイブ・ギルモアの伸びやかでブルージーなギターが合っているのでは?と思ったりしています。

【関連作品】火を噴く惑星(Планета бурь)

イメージ
  キューブリックが『2001年宇宙の旅』を製作するにあたり参考に観た映画のひとつ。  旧ソ連製のSF映画で、あらすじは「金星探査に向かったソ連の宇宙船三艇の内、一艇が隕石と衝突して破壊されてしまう。それにも挫けずソ連人民と共産党の期待に応えるべく残りのクルーで金星探査を続行するが、そこには人間を喰らう植物や恐竜、荒ぶる火山などが行く手を阻む・・・」という物語。  未知の惑星探査、謎の声と先史文明の存在、クルーの相棒的存在のロボットなど『禁断の惑星』の影響をかなり感じさせますが、宇宙服や水陸両用車のデザインなどは一周回ってかなりかっこ良く感じます。宇宙船のセットや特撮にもそれなりにお金がかかっているし、人間を裏切るロボットがアメリカ製であるなどプロパガンダ臭もあるので当時の共産党宣伝部が真面目に、それなりのお金を使ってつくったんだろうなあ、とは思います。  まあでも水や海や植物まであって火まで起こしているのに、いつまで宇宙服着っぱなしなの?とか、なんでもかんでも敵とみれば銃をぶっ放すのはどうなの?とか、突っ込みどころは満載ですが、それはそれ、1961年の映画なので大目に見てあげましょう。  でもこのストーリー、キューブリックやクラークが当初構想していた『2001年…』のプロットの  「地球外の人工物体との出会いを、発端ではなくクライマックスに置くというものだった。その手前では、いろいろな事件なり冒険をとおして、月や惑星の探検が描かれるという趣向だ」(引用『失われた宇宙の旅2001』) とそっくりなんですが。まさかパクっ・・・たわけではないでしょうけど、この作品を反面教師としたのなら『2001年…』にインスパイアを与えたと言えなくもありません。キューブリックはそのジャンルの映画を撮ると決めると、リサーチも兼ねてありとあらゆる同ジャンルの映画を見たそうです。ですので「キューブリックが観た=影響を受けた」と自慢げに知識を語る方々は、肝心の「キューブリックはリサーチマニアだった」という基礎的な知識が欠落しているか、その程度の知識もなくアクセス欲しさに語っているんでしょうね。「どんな映画でも学ぶべき点はある」とはキューブリックの弁ですが、それは「愚作を観れば愚作にならずにならずに済む方法も学べる」という意味を含んでいます。つまり「反面教師」ということです。  余談です...

【関連動画】エンド・オブ・ザ・ワールド/死を呼ぶエイリアン脱出計画

イメージ
 映画好きも長い間やっているとだんだん耐性ができてしまい、めったな作品では感動できなくなってしまうという弊害を生んでしまいます。そうなると嗜好があらぬ方向に向かってしまい、カルトやB級、さらにそれらさえも超越した「Z級」を好むようになるという困った事態に。以前ご紹介した『恐怖と欲望』のヒロイン、ヴァージニア・リースが出演していた『死なない脳』もそうですが、こういった作品を見つけた時の香ばしい気持ちと言ったら!!・・・いえ、何でもないです(汗。  そんな管理人が見つけたZ級映画である、この『エンド・オブ・ザ・ワールド/死を呼ぶエイリアン脱出計画』ですが、何故この作品を取り上げたのかというと『ロリータ』ではスクリーンの外と中でしか共演できなかったスー・リオンとクリストファー・リー(ロリータを驚かせたフランケンシュタインの怪物)が、堂々と(!)共演しているからです。しかも主人公の妻と神父(敵のボス)というメインキャストで。  ただこの作品、早送りしないで観るのはとても困難を伴います。つまり見せ場がほとんどないグダグダ展開で、かったるくってしょうがない。これってひょっとしたらZ級ではなくて単なる駄作なのでは・・・と思ってしまうのですが、まあそれを「味」として嗜みましょう。その苦労は一瞬見せる神父の正体と唐突なラストシーンで報われ(?)ますので。

【関連記事】スタンリー・キューブリックの長年のプロデューサーが『ルーム237』を酷評し、『アイズ ワイド シャット』をお気に入りのキューブリック映画に挙げる

イメージ
Jan Harlan(IMDb) 「Room 237」を見ましたか?  ああ、なんてバカなんだ。もちろんそう思ったよ。気に入らないという話ではない。ただ馬鹿げている。つまり、(この 映画監督は)明らかにキューブリックが死ぬまで待っていたんだ。こういうことは何度も彼に起こったし、偽の月面着陸をしたという話もそうだ。これは彼が死んでからしかできなかった。人は虫けらのようにやってきて、墓から訴訟できない奴を利用する。いずれにせよ、私はそういうことは気にしない。 (引用: Indiewire/2014年3月31日 )  『時計じかけのオレンジ』以来キューブリック作品に長年プロデューサーとして参加し、義弟でもあるヤン・ハーランが例の『ROOM237』についてインタビューに応えています。ヤンは「何も解明しない陰謀説オタク映画」「明らかにキューブリックが死ぬのを待っていた大バカだ」「墓から出て来れない者を利用している」と批判のオンパレードです。  しかし、あえて私は苦言を言いたい。インタビューでも言及されている「偽の月面着陸」とはこの『オペレーション・ルーン』を指しているのでしょうが、その番組に姉(キューブリックの妻クリスティアーヌ)と一緒に嬉々と出演していたのはあなたでしょ?と。そんなあなたにこの『ROOM237』を批判する資格があるのかと。自作の権利を頑までに守り、TVのオンエアや広告、果ては上映館の壁の色まで口うるさく介入していたキューブリックの遺志を尊重し、あなたの言う「何も解明しない陰謀説オタク」からキューブリック作品を守らなければならないあなたと姉が、どうして『オペレーション・ルーン』などというくだらない番組に出演してしまったのか。その安易な行動がその「大バカども」に免罪符を与えてしまった責任ををどう考えているのか。とことん問いつめたくなります。  映画であれ、写真であれ、絵画であれ、音楽であれ、小説であれ、創作活動をした経験のある方ならよく理解できると思いますが「自作」というものは自分にとって我が子のように愛おしいものです。それを陰謀ごっこの道具にされ、あまつさえ金儲けのダシに使われるのを気にしなかったり、自作は嫌だけど他人の作品なら笑って許せる、という人は創作者でもクリエーターでもなく単なるカネの亡者、守銭奴です。その低レベルなゴミ自称芸術家たちはここに晒してあり...

【関連動画】スティーブン・キング版『シャイニング』フルバージョン

 1997年にアメリカABCテレビでオンエアされた『スティーブン・キングのシャイニング(STEPHEN KING'S THE SHINING)』がフルバージョンでアップされていましたのでご紹介。そのうち消されてしまうでしょうけど、つまみ食いならぬ、つまみ見(?)するにはちょうどいいかもしれません。これを観ればどうしてキューブリックは原作者を激怒させてまであのような原作改編を行ったか、その理由がよくわかります。要するに「文字で読む分にはいいが、映像にすると失笑もの」の典型例です。  まあ、家族愛物語としてはデキは悪くないんですが。でもダニーの口元はなんであんなに緩いんでしょう?それにキューブリック版の約17年後に製作されているのに、映像は完全にこちらの方が古びてしまっています。比較すればキューブリック版の完成度の高さ、画作りの緻密さがよく分かりますね。  ちゃんと日本語字幕版で観るのでしたらDVDを購入するしかないようです。もしくは中古ビデオソフトをオークションや中古ビデオショップで入手するとか。因に管理人はもうずいぶん前にレンタルビデオの中古落ちを格安で購入、それをDVDに焼いて所持しています。まあその程度の作品、という事ですね。 ※本編動画は削除されました。

【関連記事】ホラーの名作『シャイニング』を大胆な手法で検証する『ROOM237』監督インタビュー

キューブリックはアポロ計画捏造に加担していた!?奇抜な解釈で巨匠の脳内を分析した映画 ホラーの名作『シャイニング』を大胆な手法で検証する『ROOM237』監督インタビュー  スタンリー・キューブリック監督が1980年に発表した、ステディカムを用いた美しいカメラワークと悪夢的なイメージでその後のホラーの潮流を変えた作品として知られる映画『シャイニング』。この作品を5人のキューブリック研究家が独自の解釈により読み解いていくドキュメンタリー『ROOM237』が1月25日(土)より公開される。『シャイニング』本作はもちろん、キューブリック監督のフィルモグラフィーを検証しながら、『シャイニング』の舞台となるオーバールックの見取り図の再現や本編を逆再生するなど、大胆な手法を駆使して、アポロ計画捏造への加担やホロコーストとの関連など、コメンテーターたちの奇想天外な持論が映像化されている。今作の監督ロドニー・アッシャーに、制作の経緯について聞いた。 (引用: Web DICE! 骰子の眼/2014年1月23日 )  どうでもいいインタビューですが、このインタビューを読めば分かる通り、自分で監督したのにもかかわらず「この映画がこんなに世界中で公開されるなんて奇跡だ、驚きだ」なんて言っているのはもちろんこの映画が中身の無い、デタラメのオンパレードだと知っているからですね。  対象はなんであれ、深読みごっこなんていくらでもできるし、全く証拠を示さなくてもいいのなら、映画でもなんにでもできてしまいます。小学生の学習発表会でもそれなりの根拠や証拠を示さないと先生から注意されるというのに、そういう意味ではこの映画は小学生以下レベルといって差し支えないでしょう。こんなもので金儲けできるんですから、世の中チョロイものです。それにひっかかる低レベルな人間が如何に多いか、という事でしょう。  人生の全てを映画に掛け、命を削るように作品を創りだしたキューブリックを愚弄するこの行為、なのにその作品を金儲けの道具されても何も感じず、その挙げ句ギャグや冗談で片付けられる人たちは、その人たち自身の人生も「ギャグや冗談レベル」なんでしょう。そういう人たち向けにはそれ相応の学芸会レベル自称アーティスト(笑、達がいますのでそちらで楽しんでもらって、こちら側には来ないで欲しいものです。

【関連記事】関係者が認めていないS・キューブリックのドキュメンタリーが気になる!

 20世紀最高の巨匠スタンリー・キューブリックの『シャイニング』(80)を徹底分析するドキュメンタリー映画『ROOM237』。サンダンス、カンヌと映画祭で注目されてきた話題作が2014年1月25日(土)より全国順次公開となる。  リゾートホテルを呪われた迷宮に見立てた『シャイニング』を多角的に解明する本作は、筋金入りのキューブリック研究家たちのコメンタリーと共に進行していく。ビル・ブレイクモア(ジャーナリスト)、ジェフリー・コックス(歴史学者)、ジュリ・カーンズ(作家)、ジョン・フェル・ライアン(ミュージシャン)、ジェイ・ウェイドナー(作家、映画製作者、神秘学者)。この5人が斬新かつユーモラスな極私的『シャイニング』論を披露し、映画を読み解いていく。  ただ、本作はキューブリックの家族や『シャイニング』の製作者などには一切承認されておらず、完全に独自の解釈であることも明らかにされており、予告編も“本作は私見である”という内容の注意文から始まる。  いったいどんな映画に仕上がっているのか。日本公開が待ち遠しい!   (引用: MovieWalker /2013年11月29日 )  例の『シャイニング』に関する妄想とこじつけを並べただけの例のゴミ・サギ映画『ROOM237』ですが、ステマを始めたらしくあちこちで記事になっています。いちいち反応してもしょうがないんでスルーしようかと思っていたのですが、さすがに映画の内容に問題アリと判断したのか、記事の煽りがここにきてトーンダウン。「私見」や「独自解釈」、「好き勝手」など微妙な言い回しが増えています。まあ、不幸にも観てしまった方へのクレーム対策でしょうかね、さすがにこの段階で「『シャイニング』の真の姿が暴かれる!」というような煽り文句は危険だと判断したのでしょう。「この言い回しから内容を悟ってね」と言わんばかりです。  さて、こんなゴミ・サギ映画を輸入し、金儲けを企んだ素晴らしい配給会社をご紹介しましょう。ブロードメディア株式会社です。でもまあそのうち社名を変えたりして、したり顔で生きながらえるんでしょうがね。

【関連記事】【MOVIE BLOG】キューブリックの“頭の中”を分析する

イメージ
 前作『マラヴィータ』から180度方向転換した新しい担当作品『ROOM237』が2014年1月25日(土)より全国順次公開されます。  20世紀最高の巨匠スタンリー・キューブリックの『シャイニング』を徹底分析するドキュメンタリー映画。とてもとてもレアな作品です。ある1本の“映画”を題材にしたドキュメンタリー自体、かなり珍しいのではないでしょうか。これも謎多き傑作『シャイニング』だから成立するのですが。  この『ROOM237』を宣伝するにあたり、実はとても大きな条件があります。本作の劇中では当然のごとく『シャイニング』の映像がたくさん使われており、コマ送りや画面分割など好き勝手に検証しています。また、キューブリックの長編デビュー作『恐怖と欲望』から遺作『アイズ ワイド シャット』までの全作品の映像を引用しています。劇中に登場するこれら映画の映像およびスチールをポスターや予告編などの宣材に使用できないという、宣伝マン泣かせのしばりがあるのです。  ただ、この条件を逆手に取り、“見せない”“伝えない”ことが、本作の宣伝コンセプトとも言えます。ある5人のキューブリック研究家(『シャイニング』マニア)が大胆かつ奇抜に繰り広げる、『シャイニング』論。あらゆる映画ファンの知的好奇心を刺激する作品です。  伝説の恐怖映画『シャイニング』に残された、想像もつかない壮大な“ミステリー”とは――?ぜひ劇場で<237号室>の扉を開いてみてください。 <『シャイニング』を読み解くキーワード> 1.オーバールック・ホテル 2.カルメット 3.先住民 4.タイプライター 5.ホロコースト 6.存在するはずのない窓 7.双子の姉妹 8.ダニーの三輪車 9.アポロ計画 10.スティーヴン・キング 11.ルームナンバー237 (引用: cinemacafe.net/2013年11月29日 )  もちろんワーナーやキューブリックサイドが宣材にキューブリック作品のビジュアルの使用許可など出すはずがありませんね。上記の記事では「好き勝手に検証」としていますが要するに「デタラメのオンパレード」です。『シャイニング』のドキュメンタリーとなっていますが、『メイキング・ザ・シャイニング』のようなものを想像していはいけません。正確には「『シャイニング』に関する根拠の無い妄想とこじつけを並べる過程のドキュメンタリー」...

【関連作品】海を見た少年(Le Garcon sauvage)

イメージ
  『恐怖と欲望』のポスターでポルノ男優のように扱われたフランク・ヴィラール(右)  全く稼がなかったキューブリックの劇場用映画第一弾『恐怖と欲望』と、二本立てで公開された『THE MALE BRUTE(野生の男)』ですが、LACMAで展示されたこのポスターでは「A Story of SIN,SEX and PASSION!(罪とセックスと情熱の物語)」とまるでポルノのように扱われています。ところが別の広告によると「The Story of a FRENCH PROSTITUTE ... and(フランスの売春婦の物語、そして・・・)」となっていますので、どうやらフランス映画のようです。 LACMAで展示されたポスター 「The Story of a FRENCH PROSTITUTE ... and」 の表記 出演はMadeleine RobinsonとFrank Villardとある  調べてみると出演俳優はMadeleine RobinsonとFrank Villardであった事が判明、ここまで来るとあとは簡単です。 IMDdに情報 がありました。を見つける事ができました。フランスでの原題は1951年公開の『Le garcon sauvage』、日本では『海を見た少年』としてVHS化された(劇場未公開)名匠ジャン・ドラノワ監督の作品です。  ストーリーは「シモンは母親マリー(売春婦)に引きとられてマルセイユに戻ったが、キザな男ポールと、母の気ままな生活ぶりに反抗し・・・海の生活にあこがれる、多感な少年の姿を生き生きと撮った名匠ドラノアの作品」と、全くポルノではありません。原題を訳せば「野生児」となり、英題の『野生の男』は間違いじゃありませんが、「男」とはポールを指すのではなくシモン少年を指しているのであれば、『恐怖…』と同様、完全にプロモータ側のポルノへのミスリード戦略である事がわかります。  この作品も『恐怖…』と同様、ジョゼフ・バースティン社が配給しています。つまり、当時キューブリックの後見人的役割を果たしていたジョゼフ・バースティンが、思うように稼がなかった『恐怖…』と『海を見た…』を抱き合わせ、映画には登場しないリースの半裸をビジュアルにした広告を制作、両作品をほとんどポルノとして上映し、なんとか出資金を回収しようとしたという経緯が想像できます...

【関連記事】名作『シャイニング』の謎に迫るドキュメンタリー映画が来春公開決定

イメージ
 恐怖映画の名作として知られる『シャイニング』の謎に迫り、その内容を徹底的に検証するドキュメンタリー映画『ROOM237』が来年1月25日(土)から日本公開されることが決定した。本作を愛してやまない者たちが完璧主義者で知られるスタンリー・キューブリック監督が手がけた作品の謎に迫っている。  『シャイニング』は、冬季閉鎖しているホテルの管理人をすることになった作家のジャックと妻、不思議な力を持つ息子が、ホテルのもつ邪悪な力によって想像を絶する恐怖を体験する様を描いた作品。スティーヴン・キングの同名小説を“原作”としながら、徹底的な脚色が行われた“キューブリック作品”として知られている。自作についてはエンドロールの1コマにいたるまで徹底的にこだわったキューブリック監督は、280日間におよぶ撮影を敢行し、ジャック・ニコルソンら出演者たちを自身が仕掛けた“迷宮”に誘った。撮影は複数の場所で行われ、編集によって物語の舞台となる“オーバールックホテル”を描出。浮遊するカメラワークと、シンメトリー(左右対称)の構図、謎と隠喩に満ちた物語は多くの観客や批評家、研究者を魅了し続けている。  本作は今もなお謎に包まれている本作を多角的に検証するドキュメンタリー。タイトルになった“237号室”は、主人公ジャックが老婆の悪霊と出くわす客室番号だ。劇中では、ジャーナリストのビル・ブレイクモア、歴史学者のジェフリー・コックス、作家のジュリ・カーンズ、音楽家のジョン・フェル・ライアン、神秘学者のジェイ・ウェイドナーが映画『シャイニング』に隠された謎に迫るという。 『ROOM237』 2014年1月25日(土)シネクイントほか全国順次公開 (引用: ぴあ映画生活 )  いくつか同じ記事が出ていますが、日本で公開するという事はそれなりに興行収入が見込めると判断したと言う事でしょうか?もしそうならまあバカにされたものです。キューブリックのアシスタントとして当時スタッフとして参加していたレオン・ヴィタリは「全部たわごと」と言い切っています。まあ内容は上記の自称研究者達が、事細かな映像の瑕疵をあげつらい、こじつけと妄想を並べているだけですから、そんなものに金を払う義理などこちらには一切ありません。  大体彼らが研究対象にしていたのは『シャイニング』のビデオテープです。それを逆再生したところメッセージが現れ...

【関連作品】サイレント・ランニング(Silent Running)

イメージ
 『2001年宇宙の旅』のスターゲートなどの特撮で一躍有名になったダグラス・トランブル</a>初の監督作。登場人物も少なく、派手な戦闘シーンもない地味な作品。主題歌がジョーン・バエスというところや、地球の環境破壊や植物保存計画など当時のエコロジー/ユートピア思想~現在のエコ運動とは異なり、ヒッピー文化や共産主義、新興宗教などが入り組んだ過激な思想。公害問題が先進国で深刻化した70年代、原始回帰や自然回帰の思想に共鳴した当時の若者が、自給自足の自由な生活を夢見たコミューン(生活共同体)を形成し生活を始めた。しかし便利な現代社会に慣れっこになっていた若者に農業は厳しすぎ生活は困窮、やがて私利私欲や物欲、利害の対立がはじまりコミューンは崩壊、運動は急速に衰退する。その一部はエコテロリストに変節したり、一部で資本主義の現実を受け入れつつ細々と活動を続けている~の影響が色濃い作品。  B級カルトSFとして有名な作品で一部では高い評価もあるが、今観返すと「自らの理想の崇高さを鑑みれば多少の殺人、破壊もやむを得ない」という当時のエコ思想の過激さの一端が覗けて興味深い。もちろん主人公の純粋さやひたむきさに惹かれる部分はあるのだが、それをリリシズムで片付けてしまうにはあまりにも稚拙で短絡的だ。実のところ監督のトランブルのスタンスもよく分からない。エコロジーに共鳴していたのか、批判的なのか、単に当時のトレンドに迎合しただけなのか、それともその全部なのか・・・。いずれにせよ1970年代のアメリカのリアルな「空気」は伝わってくる作品ではある。  因に植物ドームやラストシーンは某有名アニメの元ネタと言われている。  『2001年…』で実現できなかった土星の輪の映像化を実現した、という意味でキューブリックファンにも馴染みが深い作品。その『2001年…』ではアカデミー賞のトロフィーをキューブリックに持っていかれたが、今年長年の映画界への貢献を讃えられ、ロカルノ国際映画祭でビジョン賞を授与された。

【関連作品】『1984』(Nineteen Eighty-Four)

イメージ
 ジョージ・オーウェルの傑作小説の二度目の映画化。(映像化は三度目。初の映像化は1954年にピーター・カッシング主演でTVシリーズ)文字通り1984年に公開され話題になった。キューブリックとの関連は本作のロケがベクトン・ガス工場跡地で行われた事。廃墟などのシーンをよく見ると『フルメタル…』との共通の建物や瓦礫を見つける事ができる。因にロケはこの『1984』の方が先だった。  この原作の影響力は凄まじく、ディストピア系作品にはことごとく影響を与えている。それは文学だけに留まらず、音楽、映像、CM、ゲームまで幅広い。もちろんバージェスの『時計じかけのオレンジ』も例外ではない。20世紀に書かれた小説で、傑作を挙げるとするならば必ず名前が挙がる小説であるし、そういった意味でも原作は必読に値する。  映画化の一度目は1956年の白黒作品で、アメリカ公開版では原作を改竄し、スミスがビッグ・ブラザーに抵抗の意志を示して終わる。これについてオーウェルの遺族は批判している(オリジナルの英国版が最近DVD化されている)。二度目の映画化の本作ではかなり原作に忠実で、世界観も丁寧に映像化されている。ただし、原作のボリュームに対して尺が足らず、駆け足な上にかなりのエピソードが省かれている。そのため映画だけでは権力者が純粋に権力を行使し、維持するシステムを理解するには至らない。そういう意味では原作未読の視聴者にはかなりハンデがあるだろう。  主役はこういった悲惨な役にはこの人しかいない、と断言できるジョン・ハート。監督は本作がデビュー作となるマイケル・ラドフォード。党の高級官僚オブライエンを演じたリチャード・バートンにとって、本作が遺作となった。  ここには絶望しかない。いや、そんな生易しいものでなく、絶望に希望を見いだして終わるという圧倒的に絶望が勝利する世界が描かれる。そのあまりにも救いのないストーリーのためか、日本では未だにDVD/BD化されていない。これだけ世界的に影響力がある小説の映画化作品なのに、鑑賞するには中古のVHSをどこかしらから入手しなければならないという状況は異常と言わざるを得ない。関係各位には早急なDVD/BD化を望む。