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7月, 2020の投稿を表示しています

【関連記事】仏映画サイトが選ぶ、オープニングが素晴らしい20作品

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キューブリック全13作品のタイトルバックを集めた動画  [映画.com ニュース]仏映画情報サイトallocineがオープニングが素晴らしい映画20作品を選出。映画.comの作品情報と共に紹介する。 〈中略〉 ■「2001年宇宙の旅」(1968) 「わずかな音で映像が優雅な瞬間に。観客はリヒャルト・シュトラウスの『ツァラトゥストラはかく語りき』を背景に、地球、月、太陽の整列を発見する」 スタンリー・キューブリック監督と原作者アーサ・C・クラークによる、映画史を代表する不朽の傑作SF。極端に少ないセリフや固定した長回しのカメラワーク、クラシック音楽の使用などが斬新で印象を残す。撮影時に開発された新技術と、科学的裏付けの追求により人工知能HALの暴走がリアルに描かれ、第42回アカデミー特殊視覚効果賞受賞。 〈中略〉 ■「時計じかけのオレンジ」(1971) 「オープニングで、アレックスの苦悶のまなざしがクローズアップされる。これに続いてバーでの印象的な場面に移り、私たちはこの主人公の不穏で、不健康で、超暴力的な世界に飛び込んでいく」 原作者のアンソニー・バージェス自身が”危険な本”と語った同名の小説をスタンリー・キューブリックが映像化。非行少年による暴力が横行する近未来のロンドン。喧嘩とレイプに明け暮れる日々を過ごすアレックスは、中年女性を死に至らしめた彼は刑務所行きに。しかし2年後、とある治療法の被験者になることを条件に、社会に戻ることを許される。 〈以下略〉 (引用: 映画.com/2020年7月24日 )  20作品中2作もキューブリック作品を採り上げていただいております。他は定番ものから「?」なものまでラインナップされていますが、それはリンク先でどうぞ。  キューブリックはオープニング(タイトルバック)について  「メインタイトル(タイトルバック)のことは全然気にかけていない。とても凝っていて感心したものもあるが、凝ったメインタイトル製作費の無駄遣いに過ぎず、その映画を損なうものだと思う。私の見方は非常に単純だ。映画の最初のショットは観客が席についてから最も興味深いものであるべきだということだ。タイトルと比べて映画の中身がつまらなく見えることに加えて、凝ったタイトルというのは、アニメーション、特殊効果、オプティカル処理、それに大抵、非常に高いデザイナーを意...

【ブログ記事】書籍化された『デカローグ』脚本に寄せたキューブリック「激賞」の序文

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 私は、一流フィルムメーカーたちの作品の特性を祭り上げて、称賛することには気乗りがしない。なぜならば、そうすることで彼らの作品を否応なく単純化してしまい、その価値を下げてしまう傾向があるからだ。  しかし、クシシュトフ・キェシロフスキと彼の共同執筆者クシシュトフ・ピエシェヴィッチによるシナリオをまとめたこの本においては、着想を語るのではなく、むしろ「ドラマタイズする(劇的に表現する)」その稀なる能力を、彼らが持っていることについて観察することは場違いではないはずである。  物語内の劇的な動きを通して、自分たちが狙ったポイントを押さえることにより、彼らは説明することなしに、今、スクリーン上で実際は何が進行しているのかを、観客に自由に「発見させる」ための、より一層の力を獲得している。  彼らはその驚嘆すべき技術を用いて着想を表現するが、それについてを観客であるあなたは決して気づかない。観終わってからずっとあとになり、その着想がどれだけ自分の心に深く届いていたのかをあなたは知るのである。 スタンリー・キューブリック 1991年1月 I am always reluctant to single out some particular feature of the work of a major filmmaker because it tends inevitably to simplify and reduce the work. But in this book of screenplays by Krzysztof Kieslowski and his co-author, Krzysztof Piesiewicz, it should not be out of place to observe that they have the very rare ability to dramatize their ideas rather than just talking about them. By making their points through the dramatic action of the story they gain the added power of allowing the audience to discover what's r...

【関連記事】『シャイニング』で共同脚本を担当した小説家、ダイアン・ジョンソンのインタビュー

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ウェンディのキャラクターは小説から大きく改変された 〈前略〉 マカフィー:『シャイニング』について話しましょう。どうやってプロジェクトに関わることに? ジョンソン:キューブリックが電話をかけてきて、彼が色々な本を原作にホラー映画を撮ることを考えている時に会ったのです。 マカフィー:彼は(あなたの小説)『影は知っている』の映画化に興味があったと思いますか? ジョンソン:そうかもしれません。私の印象では彼が読んだことは確かです。彼の口からは言いませんでしたが、私から聞くこともしなかったです。ロンドンで夕食をし、6ヶ月後に電話で「スティーブン・キングの小説を買ったんだが、読んでみるかい?」と言ってきたので、読みました。それからプロジェクトが動き出してから彼が一緒に働かないか薦めてくれたのです。脚本が少し進むごとに、違う草稿ができました。ロンドンにアパートを持っていましたから、午前中はそこで過ごし、彼はセットにいるという感じです。彼は全てを同時に行なっていました。同時期にセットを組み立てていましたから、彼はそれを監督しないといけなかったのです。私は午後に出向いて、夕方から夜までフィクションの問題を話しました。彼はとても文学に詳しかったです。もちろんストーリーそのものについてです。 マカフィー:実際の脚本はその会話から進化していったのですね。 ジョンソン:そうです。時々、家でシーンを書いたりしました。彼と下書きをして、さらに下書き、そしてさらに下書き、といった具合です。それからその下書きをシーンに書き起こして彼に渡し、彼が新たに上書きするといった感じです。彼はとてもいい書き手で映画監督で、私のバージョンを何回もより良いものにしてくれました。 マカフィー:つまりあなたは基本的に粗い下書きを書いて、それから二人で最終バージョンを一緒に仕上げるということですか。 ジョンソン:そんな感じです。私が出来上がったものを持っていったら、彼が「これはうまくいかないな」とか鋭いセリフを思いついたりするんです。セリフについてはとてもいいセンスを持っていました。ジャックのパートは大なり小なり彼が書いたのです。私の小説に出てくるような女性キャラであるウェンディは私が。たくさんセリフがありましたから。 マカフィー:キングの小説を脚色するにあたって、脚本に最低限残して置かないといけないことは何でしたか?...