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【台詞・言葉】白人の呪い・白人の責務(White Man's Burden)

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   『シャイニング』のバーシーンでジャックがロイドにバーボン・オン・ザ・ロックを作ってもらいながら呟く台詞ですが、訳では「酒は白人の呪いだ、インディアンは知らん」となっています。しかし、調べてみるとイギリスの作家で詩人のラドヤード・キップリングが1899年に詠んだ詩『White Man's Burden(白人の責務)』を指しているようです。以下はその詩と訳になります。 The White Man's Burden Take up the White man's burden -- Send forth the best ye breed -- Go bind your sons to exile To serve your captives' need; To wait in heavy harness On fluttered folk and wild -- Your new-caught, sullen peoples, Half devil and half child. Take up the White Man's burden -- In patience to abide, To veil the threat of terror And check the show of pride; By open speech and simple, An hundred times mad plain. To seek another's profit, And work another's gain. Take up the White Man's burden -- The savage wars of peace -- Fill full the mouth of Famine And bid the sickness cease; And when your goal is nearest The end for others sought, Watch Sloth and heathen Folly Bring all your hope to nought. Take up the White Man's burden -- No tawdry rule of kings,...

【ブログ記事】ソール・バスが描いた『シャイニング』のポスターのボツ案

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  キューブリックはかの有名なタイトルデザイナー、ソール・バスに『シャイニング』のポスター製作を依頼しましたが、そのボツ案をキューブリックのコメントと共に紹介します。 まるでSF映画みたいだ。ロゴが読みづらい 手と三輪車というのは見当違いだ。ロゴも小さすぎるし、インクがなくなったように見える 迷路と登場人物はやり過ぎ。迷路を出すべきだとは思わない アートワークが好きじゃない。ホテルが変だ。アートワークが広がり過ぎだ。コンパクトで十分。ロゴに点を使うのは好きじゃない。小さすぎるし読みづらい  キューブリックの悪筆をなんとか解読してみましたが、だいたいこんな事を書いているみたいです。どれももっともな指摘ばかりで納得できるのですが、ソール・バスもなぜこんなクオリティの低いアイデアばかり提出したのか謎です。キューブリックはダメ出しを繰り返し、結局300案以上をバスに提出させたそうです。  1枚目は完全に『未知との遭遇』を意識してのコメントでしょうね。2枚目はどこから手のビジュアルが出てきたのか不明です。3枚目は思いっきりネタバレしたいますから不採用は当然でしょう。4枚目の迷路が目になっているのは迷路が霊として家族を見ているのを表現しているのでしょうけど、ちょっと分かりにくいですね。5枚目は雪に閉ざされたホテルの孤立感を表現したかったのかも知れませんが、逆にキューブリックの不評を買っています。  結局採用された案は これ ですが、これもいい出来だとは思えません。映画告知の初期やサントラ盤のジャケットに使用されたくらいで、現在はジャック・ニコルソンの『Here's Johnny!』が一般化しています。ただしタイトルロゴだけはしっかりとその後も使用され続けているので、バスもデザインした甲斐があったと思っていたかもしれません。  グラフィックデザイナーとしてのソール・バスの神髄はやはり映画のタイトルデザインにあると思います。デザインとグラフィカルな動きのかっこよさですね。CGのない時代にこんなにCG的な発想ができたデザイナーは他にいません。ただキューブリックは「タイトルバックに回すお金があるなら本編に回す」と、けんもほろろなことを言っています。まあ、それでもあれだけ力強いオープニングを作るのですからさすがですけどね。