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【関連動画】『時計じかけのオレンジ』R指定版とX指定版の違いを比較した動画と、R版を視聴する方法について

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mp4ファイル(9.1MB)をダウンロード してご視聴ください。 この映画には2つの改変が存在することが知られています。 (1)高速3P (2)ルドヴィコのレイプ映画  『時計じかけのオレンジ』は、米国では元々X指定で上映されました。キューブリックが映画を回収して編集し、R指定を獲得するまで何ヶ月も劇場で上映されました。もともとホームビデオとケーブルテレビにリリースされたのはR指定版でした。元のカットが復元され、家庭で視聴できるようにリリースされたのは、それから数年後のことでした。  ここをクリックしてX指定版とR指定版のカットの比較動画をご覧ください。R指定版は20年以上前にVHSで最初にリリースされたものです。X指定版はリマスターされたDVDから収録しました。一部の人はコンテンツ(シミュレートされたセックスとレイプ)が好ましくないと感じるかもしれないので、自己責任でご覧ください。 訳者注:引用元から比較動画(wmvファイル)がダウンロードできます (引用: Kubrick Film Ratings Comparisons/A Clockwork Orange: X and R )  ここで言う「R指定版」と「X指定版」とは、公開当時にレイティングされた、キューブリックが編集したバージョンという意味です。現在ではX指定は廃止されていますのでその点はご注意(理由は後述)ください。  管理人が作成した上記比較動画(mp4ファイル)や、引用元からダウンロードできるwmvファイルを観ると、「R指定版」と「X指定版」の違いを確認できます。(1)の『高速3P』はR指定版ではマーティー(ショートヘアの娘)の着衣シーンがカットされています。確かに全裸から下着を付ける姿が刺激的ではありますが、そのシーンはダメなのに、なぜソニエッタ(金髪の娘)の着衣シーンやベッド上での全裸の乱交シーンがOKなのかはよくわかりません。(2)の『ルドヴィコのレイプ映画』はトリミング変更や別カットにすることによって、主に下半身を見せないようにしています。不足分は女医のカットで補っています。この程度の変更でレイティングがXからRに変更になったと言うのはいささか驚きですが、当時のレイティングの判断基準としてはそうだったのでしょう(R指定版公開時のTVスポットは こちら )。  キューブリックは『時計じかけのオ...

【関連記事】撮影監督ギルバート・テイラーが『博士の異常な愛情』の撮影秘話を語る

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B-52の飛行シーンなのに影がB-17なのは、撮影機材がB-17だったから 『博士の異常な愛情』を撮影中のギルバート・テイラー  〈前略〉  映画のプリプロダクション期間中、テイラーは消息不明になったB-52に乗っているシークエンスで使用される、リアプロジェクションの背景のために必要な大規模な空撮を撮影していた。「スタンリーは飛行機を嫌っていた」とテイラーはACに語った。「だから『博士の異常な愛情』の準備期間中、私はB-17フライングフォートレスに乗って28,000マイルほど空撮をしたんだ。私は離陸した夜のことを覚えている。午後4時には真っ暗になっていて、爆撃機に乗ってアイスランドとグリーンランド目指して飛んで行ったんだ。空港には小雪が降っていて、突然誰かが「スタンリーが来た」と言ったんだ。私は「なんてこった、今はまずい!」。彼は飛行機に乗り込んできて整備士に言ったんだ「カメラの取り付けがきつすぎる」とね。私はその種の仕事をたくさんしてきたので、マウントは絶対にしっかりしたものにしたいと思っていたし、グラグラするものではなかった。スタンリーが講評を始めたとき、私はパイロットに「エンジンを1つ始動してくれないか」と言ったんだ。すると彼はエンジンを始動させ、スタンリーは文字通り飛行機から飛び出して行ったよ。彼がドアの外に出るとすぐに、私は彼らにボルトを締め直してもらったんだ」 〈以下略〉 (全文はリンク先へ: American Cinematographer/2021年1月9日 )  映画制作のすべてに関わりたがるキューブリックは、空撮スタッフにも事細かに指示しようとしたのですが、このときは飛行機嫌いを利用され、体良く飛行機から追い出されてしまいました(笑。それに映画のB-52の飛行シーンで、影がB-17なのは撮影機材がB-17だったという理由だったそうです。  テイラーは他にも「『博士…』は照明がセットに組み込まれ、他の照明はほとんどか、またはまったく使用されなかったため、当時としてはユニークな体験だった」と語っています。いわゆる「自然光照明」や「自然光撮影」と言われる、その場にある光源を使って「わざとらしい照明ではない、自然に見える照明で撮影する撮影方法」ですが、キューブリックはこの「自然光撮影」へのこだわりは並大抵なものではありませんでした。それはベテラン...