1970年に出版され、『2001年…』の貴重な資料、証言集として名著の名を欲しいままにしていた『THE MAKING OF KUBRICK 2001』が、38年(!)の時を経て、やっと邦訳されたのが本書だ。「全訳ではない」とか、「時期が遅すぎる」との批判はあるが、当時の資料、図版、写真、証言、論評はやはり貴重で、名著であるのは今も変わりない。
謎のダイヤモンド型の物体が登場するスターゲート・シークエンスの一場面 シーンタイトル「マインドベンダー」と記されたサスコカード スターゲート・シークエンスに登場する謎のダイヤモンド型の物体、これは「異星人」「UFO」「スターゲートの一部」など様々な解釈がされています。このシーンには「マインドベンダー」というタイトルがつけられていて、それは残されたサスコカードで確認できます。「マインドベンダー」とは「複雑で理解するのが難しいことがら、催眠術師」という意味だそうですが、その響きから当時世界中で流行していたいわゆるサイケデリック(ドラッグ)・カルチャーの影響を強く感じさせます。では、このマインドベンダーのシーンに登場する、光り輝くダイヤモンド形の正体は一体なんなのでしょう?まず、ジェローム・アジェル編『メイキング・オブ・2001年宇宙の旅』には以下の記述があります。 キューブリックの「幻覚剤(マインドベンダー)」効果。スリット・スキャン映像は3フィートの高さの回転しているリグに取り付けられた多面スクリーンに投影し、7つのダイヤモンドが現れるまで繰り返した。(引用:ジェローム・アジェル編『メイキング・オブ・2001年宇宙の旅』) このシーンの制作に関わったダグラス・トランブルはもう少し詳しく、以下のようにコメントしています。 The most complex aspect was a shot dubbed the ‘mindbender,’ which combined seven octahedrons arranged in the top half of the frame and the slit-scan process. Trumbull said, “We had exhausted the slit-scan, shooting vertically and horizontally, so I came up with the idea of shining the light onto Plexiglas to create this kind of pulsating effect. Each [octahedron] had four visible sides, each needing 3 passes, so as you c...