【関連書籍】メイキング・オブ・2001年宇宙の旅/ジェローム・アジェル 著 リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ - 8月 13, 2006 1970年に出版され、『2001年…』の貴重な資料、証言集として名著の名を欲しいままにしていた『THE MAKING OF KUBRICK 2001』が、38年(!)の時を経て、やっと邦訳されたのが本書だ。「全訳ではない」とか、「時期が遅すぎる」との批判はあるが、当時の資料、図版、写真、証言、論評はやはり貴重で、名著であるのは今も変わりない。 リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ
【関連動画】『2001年宇宙の旅』の未公開シーンとセット画像を集めた動画と、クラビウス基地で登場したハンディカメラをニコンがデザインしたという説明の信憑性について - 11月 24, 2025 動画内で「ニコン製」と説明されたハンディカメラと登場シーン 『2001年宇宙の旅』の製作時に撮影された写真と未公開シーンを集めた動画がありましたのでご紹介。 どの写真やイラストも こちら のサイトからの引用だと思いますが、引用元のサイトは製作当時撮影されたものと、後の時代に再現されたものが混在しているので、ある程度の知識がないと判断は難しいと思います。その点この動画でチョイスされている写真・イラストは私が判断するかぎり全て「当時もの」だと思います。ただし、概要欄で注釈がある通り、6:22の年老いたボーマンのメイク写真は『2010年』製作時のものですね。もちろんスターチャイルドの造形を担当したリズ・ムーアが『時計じかけのオレンジ』のヌードテーブルを製作している写真(5:18)も違いますが、まあこれはリズのキャリアを説明するために用意しただけなので、間違いとは言えないでしょう。 この動画で一番驚いたのは クラビウス基地の会議室で使われていたハンディカメラはニコンが提供したという説明です。もちろん初耳です。確かにニコンのレンズはHALの見た目映像(魚眼)で使用され、プロップにも埋め込まれたことは知られています(詳細は こちら )。しかしこれはニコンが協力したというより、キューブリック側が「採用した」という話であって、レンズの入手は単に正規ルートで購入したということだと思います。ですがハンディカメラの話はそれとは異なり、ニコンがデザインしたものをキューブリック側に提供したということになります。そんな話は今まで見たことも聞いたこともありませんし、これを鵜呑みにすることはできないでしょう。なぜなら、それが事実なら日本人である我々がとっくに知っていなければならない話だからです。 キューブリックは『2001年…』の製作にあたり、映画内でロゴを登場させるなどの宣伝と引き換えに、数多くの企業に最先端の未来技術の提供を呼びかけました。それに応じたのがIBM、ベル、ボーイング、クライスラー、パンナム、BBC、GE、パーカーなどの企業です。その中にニコンが含まれていれば当然公開当時から話題になっていたはずです。動画内でその情報のソースは示されていない以上、軽々に鵜呑みにはできません。もちろん確かなソースがあれば別ですので、この情報の詳細をご存知の方がい... Read more »
【関連記事】手塚治虫『惑星ソラリス』『2001年宇宙の旅』を激賞する - 11月 19, 2025 SF映画の魅力 今年はSF映画の年だなんていうんで、ずいぶん期待していたのに、上半期はロクなのがこない。 ただひとつ、これは、『Apache』を買う金があったらみにいってちょうだいよ。いや、 間違い。『Apache』を買って映画へいこう。ソ連製SF映画「惑星ソラリス」だ! これはもう、NHKのニュースセンター9時でも紹介したくらいだから、みたがっている人が 多いだろう。残念なことに特殊な配給方法なので、東京、大阪など大都市以外の地方館では上映しないようだ。この映画の、なんてったってみどころは、あの主役のナタリヤ・ボンダルチュク。 このコの演技がまず、アカデミー賞もの。 このコの役は、ハリーという、死んじまった若い人妻の役。この人妻そっくりに、得体の知れ ないものが化けて、スーッと現れるのだ。そして主人公の男に惚れちまって寝ようってわけなんだが、亡き妻そのままの姿に、男は気味悪がって逃げの一手。 まといつこうとする、にせハリーの執念がすさまじい。金属のドアを手でブチやぶって、血だらけになって出てくるのだ。ついに彼女は液体酸素を飲んじまって、そり返ってのたうちまわって、凍ってしまう。 いやなんとも、こんなものすごい女優の演技は、めったにお目にかかれないよ。 この「惑星ソラリス」、どうも、アメリカSF映画「2001年宇宙の旅」をひどく意識して つくったみたい。そういうわけで、いよいよ来春再公開がきまった「2001年―」 には、みていないヤング諸君も、もうゼツ大の期待をもっていてほしい。 さっきぼくが、今年はSF映画の年なのにロクなのがこないといったのは、実は、「2001 年―」が今年の夏に封切られるハズになっていたのに、都合で来年にまわされたから、いよいよヤケクソ気味なのだ。というのは、この春に、題名のまぎらわしい「2300年未来への旅」 なんていうのが封切られてしまったせいだという説がある。「2001年―」に比べれば「2300年―」は、やはり、格がかなり落ちる。 なんてったって、「2001年宇宙の旅」は史上最高にして唯一のSF大作なのでありますぞ、 お立ちあい。 ぼくは、なにも配給会社から金一封もらって宣伝しているのではない。仲間のSF作家が口を 揃えて絶賛しとるのだ。それに、この映画には、ぼくは、ちょっとした思い出がある。この映画の監督... Read more »
【企画作品】キューブリックが遺した『ナポレオン』のプロダクション・ノート - 2月 22, 2022 『ナポレオン』で試作された衣装。左はカタリーナ、右はアンヤ(?) 『ナポレオン』プロダクション・ノート 1968年11月22日 ●上映時間 180分 ●撮影 1日平均1.3分 ●スケジュール 150日(移動のため10日間のロスがあります) ●開始日 1969年7月1日~9月1日の間 ●スケジュール 日数/制作の種類/国 30日/戦闘・行軍/ユーゴスラビア 40日/ロケーション・エクステリア/ユーゴスラビア 40日/ロケーション・インテリア/イタリア 30日/フロントプロジェクション/ユーゴスラビア 10日/移動日 合計150日 ●トリートメント 15シークエンスで、1シークエンスあたり平均約12分となります。最終的に180分になります。 ●費用 スペクタクル映画の最大の割合を表すコストの4つの主要なカテゴリは次のとおりです。 1. 大量のエキストラ 2. 大量の軍服 3. 大量の高価なセット 4. 高額な映画スター 『ナポレオン』では、この4つのカテゴリーを経済的に有利な方法で処理することで、予算を大幅に削減し、クオリティや規模、内容を損なうことなく、当初の想定よりもはるかに低いコストで映画を制作することが可能になると考えています。 ●エキストラ イギリスでの衣装を着たエキストラの1日あたりの費用は19.20ドル、スペインでは14.28ドル、イタリアでは24ドル、フランスでは24.30ドルです。 ルーマニアから1人あたり2ドルで最大30,000人の軍隊を提供するように入札されましたが、最大でも1日15,000人を超えることはありません。 また、ユーゴスラビアから、1人あたり5ドルで同じ数まで提供するという入札を受けました。どちらの価格もより少ない金額に適用されます。 私は個人的に両国の代表者と会いましたが、彼らは皆、主に自国で重要な映画が作られることを非常に切望しています。 彼らはまたドルを手に入れることに非常に非常に興味があり、彼らが自国の通貨で支払うことができるサービスと人的資源に対し、非常に寛大な取引を私たちに与えることができるので、彼らが受け取るドル相当額とはほとんど関係がありません。この点で彼らは独占的にお金をドルに交換する場合とほぼ同じような取引の自由を持っています。 これに関する彼らのパフォーマンスの効果的な保証、または社会... Read more »
【ブログ記事】『2001年宇宙の旅』の美術監督、トニー・マスターズが描いた宇宙ステーションVとクラビウス基地のイメージボードと、実際のセットとの比較 - 5月 27, 2021 ●クラビウス基地内の会議室のイメージボードと撮影されたシーン イメージボードでは球形の機器が見えますが、これはプロジェクターだと思います。だとすると、四方の壁はスクリーンですね。セットでは照明の役目しか果たしていませんでしたが、フロイド博士の挨拶の後、背後のスクリーンには会議の内容の情報が表示される設定だったのかもしれません。セットをよく見るとスクリーン上部に穴が見えます。もしこれがプロジェクターの映像投影口(2つあるのは立体映像的なものを想定していた?)という設定なら、キューブリック(か誰かが)「プロジェクターが部屋の真ん中にあったら邪魔では?」という指摘で壁に埋め込んだ(設定)だと考えられます。細かいことまでこだわるキューブリックなら、そんなことを言い出してもおかしくないですね。 ●クラビウス基地内の公園のイメージボードと撮影されたシーン(カットシーン) キューブリックが公開直前にカットしたことで有名なシーンです。比較すると天井一面の照明や壁のブルー、青々とした芝生(人工芝?)などが共通していますが、映画館やカフェ、学校などは省略され、通路の表示だけがあるがらんとした空間になってしまいました。本来はイメージボードにあるような、樹木も配置する予定だったのでしょうか。であれば、天井の照明はその名残でしょう。樹木を維持するには相当量の光源が必要になるはずです。このシーンにはキューブリックの長女カタリーナと次女アンアが出演していると言われていますが、それはご本人(カタリーナ)によるとデマだそうです。 ●宇宙ステーションVのロビーのイメージボードと撮影されたシーン イメージボードでは到着カウンターやバーが見えます。また、大きく開けられた窓からは月が見えます。セットではそれはヒルトンホテルのフロントに代わり、バーは自動販売機へと変更になりました。ずいぶんとシンプルで人の少ないデザインになりましたが、宇宙ステーションという限られた狭い空間に、厨房設備や大きな窓は現実的でないと判断されたのかもしれません。 3点とも凝ったデザインからシンプルなものに変更になっています。これにはいくつか理由が考えられますが、一番大きな理由は予算の問題ではないかと想像します。キューブリックのこだわりのせいでスケジュールは遅れ、予算はどんどん膨らんでいたので、シーンは必要最低限に削られ、セット... Read more »
【ブログ記事】ロック史上燦然と輝く歴史的名盤、ジョン・レノンの『ジョンの魂』のジャケット写真を撮影したのは『2001年宇宙の旅』で猿人を演じたダン・リクターだった! - 4月 25, 2021 あまりにも有名な『ジョンの魂』のジャケット写真と、インナースリーブにクレジットされた「COVER PHOTOGRAPH : DAN RICHTER」 『2001年宇宙の旅』で猿人「月を見るもの」を演じたダン・リクターは、キューブリックが最後までこだわった(が、結局ボツになった)宇宙人(異星人)「ポルカ・ドットマン」を演じた後(詳細は こちら )、ジョンとヨーコが当時住んでいたティトゥンハースト・パークの邸宅にカメラマン兼居候として、一緒に邸宅に住みながら夫妻のプライベートを撮影するなどをしていました。その撮影技術を磨いたのが、『2001年宇宙の旅』でキューブリックがリクターに、「月を見るもの」を演じるにあたって参考になりそうなものを「好きなだけ調査をおこないたまえ」と、ムービーカメラと無尽蔵のフィルムを使わさせたことがきっかけになったのは想像に難くありません。リクターはそのカメラを持ってロンドン動物園にあしげく通ってゴリラの「ガイ」を撮影し、それがあの演技へと繋がったのです。 そのリクターはジョンとヨーコの邸宅で、ムービーカメラやスチールカメラを使って撮影係(記録係)をしていたのですが、その映像の一部は『イマジン』のPVの一部(おそらく霧の中、二人が玄関まで歩くシーン)に使用されたり、1972年のドキュメンタリーフィルム『イマジン』にも使用されました(詳細は こちら )。ですが、そのリクターの写真が、まさか『ジョンの魂』のジャケット写真に使われていたとは思いもしませんでした。 英語版wikiにもその記述があり、リクターはこの写真をインスタントカメラで撮影したそうです。まるで印象派の絵画のような淡い色彩はその効果だったんですね。管理人はもちろん『ジョンの魂』のCDを所有していましたが、再発CDだったし、そんなクレジットがあったことに全く気づいていませんでした。CDはよくクレジット関係を省略することがあるので、所有していた盤は省略されたものだったのかもしれません。 Read more »
【関連記事】『バリー・リンドン』のライアン・オニール、伝説的映画監督スタンリー・キューブリックについて語る - 4月 13, 2022 1970年頃のライアン・オニール( wikipedia - Ryan O'Neal ) 〈前略〉 —『バリー・リンドン』を何度も見直すのは楽しいですか? 私はいつも再見しているわけではないよ!。でも、みんなが覚えていてくれるのは嬉しいね。 —どのように覚えているのですか? 試練としてだね!まだ誰にも言われたことがないのか?自分を彼に委ね、いつか彼が自分を解放してくれることを願ってたね。1年半(の仕事)かかったよ。 —その若さで、このような偉大な監督のもとで働けたことは良かったのではありませんか? ああ、私は持続性があったからね。演じることができたんだ。彼はたくさんのテイクを撮ったよ。代役を立てないんだ。照明に時間がかかるんだ。だから、彼が火をつけるまでに、新しい仕事のリズムを学ぶことができたんだ。 —キューブリック監督はたくさんの蝋燭の明かりを光源として使っていました。その分、火をつけるのは簡単だったのでしょうか、それとももっと複雑だったのでしょうか? そうだな、時には蝋燭が全部溶けて100本必要になったこともあったよ。テイクが取れないと新しい蝋燭から始めなければならなかったんだ。キャンドルは芯が3本あるので、吹き消すのが大変だった。私は全部消えるまで吹き消すのを手伝ったもんだよ。 —誰かが『バリー・リンドン』を「ほとんど何も起こらない映画」と評しましたが、それは正確には正しくありません。戦闘シーンやケンカはありました。何もない映画だと思いましたか? そうだな、それは鋭い質問だね。私にとっては平穏ではなかったよ。彼らは私を削り取っていったよ。彼(キューブリック)が何をするつもりなのか分からなかった。私は1年間、映画を観なかった。観るに耐えない状態だったんだ。そして、自分が何を観たのかよくわからなくなった。とてもユニークな作品だ。スタンリーは愛すべき男で、みんな彼を愛してたよ。私たちは彼に夢中だった。彼が望むことは何でもやってみようとした。俳優だけでなく、みんながそうだった。彼は私たちの神様だったんだよ。 —彼はあなたに多くのことを期待したと言われていますが、彼自身はそれ以上に多くのことを期待していました。 まずは音響の仕事、そして演出と手一杯だったよ。彼は逝ってしまった。彼が死ぬとは思っていなかった。彼は永遠に生き続けると思っていたんだ。 —何... Read more »
【BD/4K UHD】ワーナーより『バリー・リンドン』4K UHD+BDセット2025年12月24日発売決定!! - 11月 17, 2025 バリー リンドン 4K UHD + ブルーレイ セット [Blu-ray](Amazon) 【DISC1】 本編: 約185分 ディスク仕様: 4K ULTRA HD(片面3層) 本編: 2160p Ultra High Definition 本編サイズ: ヨーロピアンビスタサイズ/16×9LB 音声: 1. DTSHDMA 5.1ch:英語 2. DTSHDMA 2.0ch:英語 字幕: 1. 日本語 2. 英語(SDH) 字幕翻訳: 高瀬鎮夫 【DISC2】 本編: 約185分 ディスク仕様: ブルーレイ(2D)(片面2層) 本編サイズ: スクイーズビスタサイズ/16×9FF 音声: 1. ドルビーデジタル 5.1chEX:英語 字幕: 1. 日本語 2. 英語(SDH) 字幕翻訳: 高瀬鎮夫 (引用: ワーナーブラザース公式サイト ) 正直「やっとか・・・」との思いはぬぐえません。ワーナーはBD版発売時にキューブリックの意図通りのヨーロッパビスタサイズの1.66(1.78表示で左右にレターボックス)という仕様にせず、16:9のフル表示で発売して世界中のファンから不評を買っていました。おまけにオープニングロゴをメタル仕様にする改悪までしでかす始末。それを改善したのが後発のクライテリオン版でしたが、残念ながら日本語字幕は未収録。それもあって買い控えをした方にとって、このワーナー版のリリースは心待ちにしていたものなのです。 今回、その問題アリアリのBDとセットで4K UHD版が発売されるわけですが(最悪のBD版との比較をしやすくしてくれたワーナーさんに感謝!とでも言っておきましょう)、残念ながら音声はキューブリックが意図したモノラルは未収録です。モノラル音声版はDVDの初版を入手するしかなさそうです(詳細は こちら )。クライテリオン版の5.1chはアシスタントだったレオン・ヴィタリの監修でしたが、ワーナー版はその表記がないので不明です。加えてクライテリオン版にはあった関係者インタビューなどの特典映像ディスクは未収録になります。まあでもこれは発売元が違うので仕方ないですね。 クライテリオン版の見本動画は こちら にありますが、おそらくこれと同等な品質でのリリースになると思われます(そうですよね?ワーナー... Read more »
【スタッフ】『2001年宇宙の旅』の「人類の夜明け」のフロント・プロジェクションを実現させたベテラン特殊視覚効果マン、トム・ハワード - 4月 05, 2021 『2001年宇宙の旅』公開直後、1968年7月のトム・ハワード トム・ハワードが『2001年…』のために製作した高精細なフロント・プロジェクション デヴィッド・リーンの『陽気な幽霊』(1945)、ジョージ・パルの『親指トム』(1958)で二度のオスカー(特殊効果賞)を受賞していたトム・ハワードは、当時まだ30代後半の若造だったキューブリックにとって頼れる存在だったのは間違いありません。当時ハワードはボアハムウッドMGMスタジオ所属の特殊視覚効果監督だったからです。若いスタッフが多かった『2001年宇宙の旅』の制作現場で、当時50代半ばだったハワードは少し浮いた存在だったかもしれません。ですが、この人なしには「人類の夜明け」の高精細なフロント・プロジェクションは実現しませんでした。 ロケを嫌がるキューブリックは「人類の夜明け」のパート全てをセットで撮影することに決定しました。しかしそうするにはスタジオ内にアフリカの風景を再現しなければなりません。近景は作り込むことができても、遠景は当時の一般的な方法であるマットペインティングやリア・プロジェクションでは、70mmシネラマで制作していた『2001年』が求める水準に達しないことは明らかでした。そこでキューブリックが下した判断がフロント・プロジェクションの採用だったのですが、当時まだ一般的でなかったこの技術をここまで大々的に使用した例はありません。ハワードはキューブリックの高い要求に応えるべく、フロント・プロジェクション用の背景用スクリーン、大量の照明、そしてハーフミラーを組み込んだ特殊な撮影装置(8×10で撮影された背景のポジフィルムは、カメラの真上に設置されたプロジェクターからハーフミラーを通して背景スクリーンに投影された)を開発、それを実現させました。また、宇宙船が動いて見えるように、コンピュータでサーボ制御されたステッピングモーターを発明するなどしました。 キューブリックは『2001年…』における特殊効果の貢献度をまず自分、次にウォーリー・ヴィーヴァース、次にダルラス・トランブル、そしてトム・ハワードであると公式の声明を出しています(コン・ペダーソンは進行・管理業務が主だったので名前は挙がっていないが、それも大きな貢献のひとつであることは変わりない)。「貢献度」というのは「完成作品から見た貢献した範... Read more »
【関連記事】『シャイニング』は実話に基づいている? コロラド州の実在する恐ろしいホテルについて - 11月 11, 2025 小説版とTVドラマ版の舞台になった「スタンリー・ホテル」 スタンリー・キューブリック監督による1980年公開の『シャイニング』。映画史上最高のホラー映画と名高い同作は、1977年に出版されたスティーブン・キングの小説を原作に作られたものとして知られ、実際に起きた事件を基にした作品ではないが、実は、キングがインスピレーションを受けたというホテルが実在している。 同作は、コロラド州ロッキー山中にある人里離れたホテルで、閉鎖される冬の間暮らすことになった3人家族を追う物語だが、キングが自身のウェブサイトで明かしたところによると、彼が1974年に家族とともに宿泊したという、ロッキーマウンテン国立公園にほど近いスタンリー・ホテルからインスピレーションを受けたそうだ。 〈以下略〉 (引用: クランクイン/2025年11月1日 ) 記事は小説版とスティーブン・キングが監修したTVドラマ版『シャイニング』の話であって、キューブリックの映画版とは関係ない話です。ただ、商魂たくましいこのスタンリー・ホテルは一番有名な映画版『シャイニング』の意匠を利用して集客を図っているようで、記事にある 「シャイニング・スイート」 を始め、 庭には生垣迷路 まであるそうです。 一方でキューブリックの映画版の外観モデルとなったティンバーライン・ロッジや内装のモデルとなったアワニー・ホテル(ここには是非泊まってみたい!)は(詳細は こちら )特に目立ったプロモーションなどはしていません。まあ、どちらとも元より有名なホテルなので、そんなことをしなくても集客には苦労していないのでしょう。 上記の写真の通り、原作小説とTVドラマ版に登場したスタンリー・ホテルは、映画版のオーバールック・ホテルとは随分と趣を異にしています。これについては過去に 「【考察・検証】なぜキューブリックは小説『シャイニング』のオーバールック・ホテルを改変したか?を検証する」 という記事で考察していますので、ぜひご覧ください。 Read more »
【台詞・言葉】『時計じかけのオレンジ』に登場したナッドサット言葉をまとめた「ナッドサット言葉辞典」 - 4月 21, 2017 小説の英語版『時計じかけのオレンジ』の巻末に掲載されていた「ナッドサット言葉辞典」を和訳したものに、映画版で追加使用された言葉を「※」で表記しました。★の言葉が映画版で使用されたものです。表記は「原語(日本語表記)|英語での意味(その和訳)」です。ロシア語などの言語のルーツは省略いたしました。尚、小説版に比べて映画版での採用が少ないのはキューブリックが使いすぎて観客が引いてしまうのを危惧したためです。抜けや誤植など間違いなどありましたらBBSでご指摘ください。その際は「誠に恐縮アピ・ポリ・ロジー」。 A Appypolly loggy(アピ・ポリ・ロジー)|Apology(お詫び)★ B Baboochka(バブーチカ)|Old woman(老女) Baddiwad(バッディワッド)|Bad(悪い) Banda(バンダ)|Band(ギャング) Bezoomy(ビズムニー)|Mad(狂った) Biblio(ビブロ)|Library(図書館) Bitva(ビトバ)|Battle(戦い) Bog(ボッグ)|God(神様)★ Bolnoy(ボルノイ)|Sick(病気) Bolshy(ボルシャイ)|Big(でかい)★ Bratchny(ブラッチニー)|Bastard(クソ野郎) Bratty(ブラッティ)|Brother(兄弟・友達) Britva(ブリトバ)|Razor(カミソリ)★ Brooko(ブロッコ)|Belly(腹) Brosay(ブロショイ)|Throw(投げる) Bugatty(ブガティ)|Rich(豊かな) C Cal(カル)|Shit(クソ) Cancer(ガン)|Cigarette(タバコ) Cantora(キャントラ)|Office(事務所) Carman(カーマン)|Pocket(ポケット) Chai(チャイ)|Tea(紅茶)★ Charlie(チャーリー)|Chaplain(牧師) Chasha(チャシャ)|Cup(カップ) Chasso(チャソー)|Guard(守る) Cheena(チーナ)|Woman(女) Cheest(チェースト)|Wash(洗う) Chelloveck(チェロベック)|Fellow(男・人) Chepooka(チープカ)|Nonsense(ナンセンス) Choodessny(チューデセニー)|Wonderful(素晴らし... Read more »