【ブログ記事】NHK『映像の世紀~バタフライエフェクト~映像プロパガンダ戦 嘘と嘘の激突』で紹介されたプロパガンダ映画『ユダヤ人ジュース』とキューブリックとの「接点」

 2022年9月5日22時からOAされた『映像の世紀~バタフライエフェクト~映像プロパガンダ戦 嘘と嘘の激突』に、ナチス・ドイツが製作したある映画がごく一部ですが紹介されました。それはユダヤ人を悪役に仕立て上げた悪名高きプロパガンダ映画『ユダヤ人ジュース』です。監督はファイト・ハーラン。そのハーランの姪はクリスティアーヌ・スザンヌ・ハーラン。つまりキューブリック三番目の妻、クリスティアーヌ・キューブリックです。キューブリックはファイト・ハーランに会ったことがあるそうですが、その際に「あの時は従うしかなかった」と語ったそうです。もちろんそれが本心であるかどうかは知ることはできませんが、キューブリックはユダヤ人。本音を言うはずはないでしょう。

 今回の『映像の世紀~バタフライエフェクト』にはキューブリックが影響を受けたセルゲイ・エイゼンシュテインも登場しています。番組では「モンタージュ」と呼ばれていますが、わかりやすく言えば編集テクニックのことです。キューブリックは「編集は映画製作の唯一のユニークな局面」「編集に先立つ全てのことは編集用のフィルムを作り出す作業でしかない」と語るほど編集の重要性(と編集作業がいかに大好きか)を語っています。その理由はこの番組でも取り上げられています。つまり編集によってその映像の主旨をいかようにでも捻じ曲げることができるからです。

 番組は再放送やNHK ONEのアーカイブなどで視聴できる可能性があります。興味のある方はその機会にぜひ。

TOP 10 POSTS(WEEK)

【関連動画】『2001年宇宙の旅』の未公開シーンとセット画像を集めた動画と、クラビウス基地で登場したハンディカメラをニコンがデザインしたという説明の信憑性について

【考察・検証】『アイズ ワイド シャット』は、なぜクリスマスシーズンの物語なのか?を検証する

【パロディ】『シャイニング』のパロディCMまとめ

【ブログ記事】ロック史上燦然と輝く歴史的名盤、ジョン・レノンの『ジョンの魂』のジャケット写真を撮影したのは『2001年宇宙の旅』で猿人を演じたダン・リクターだった!

【パロディ】2020年スーパーボウルでオンエアされるマウンテン・デューの『シャイニング』パロディCMに、ブライアン・クランストンがジャック役で登場

【オマージュ】『2001年宇宙の旅』にインスパイアされたアーティスト「サウンドガーデン」「ザ・フレーミング・リップス」のMV

【ブログ記事】『2001年宇宙の旅』の美術監督、トニー・マスターズが描いた宇宙ステーションVとクラビウス基地のイメージボードと、実際のセットとの比較

【BD/4K UHD】ワーナーより『バリー・リンドン』4K UHD+BDセット2025年12月24日発売決定!!

【台詞・言葉】『時計じかけのオレンジ』に登場したナッドサット言葉をまとめた「ナッドサット言葉辞典」