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【登場人物】ヴァリニア(Varinia)

  『スパルタカス』でブリタニア出身で元家庭教師の聡明で美しい女奴隷。クラサスにしつこく言い寄られるが頑に拒み続け、スパルタカスの妻となり一子をもうける。

【俳優】ジーン・シモンズ(Jean Simmons)

  『スパルタカス』の女奴隷のヴァリニア役。『ハムレット』('48)、のオフィーリア役でヴェネツィア国際映画祭 女優賞を受賞し、ハリウッドに招かれた。主な出演作は『シーザーとクレオパトラ』('45)、『大いなる遺産』('46)、『聖衣』('53)、『エジプト人』('54)、『野郎どもと女たち』('55)、『大いなる西部』('58)、『エルマー・ガントリー/魅せられた男』('60)、『ハッピーエンド/幸せの彼方に』('69)、『ドミニク』('79)、『マイ・ディア・ボディガード』('88)、『キルトに綴る愛』('95)。意外なところでは宮崎アニメ『ハウルの動く城』('04)の英語吹き替え版でソフィアの声を担当している。  1929年1月31日イギリス・ロンドン生まれ、2010年1月22日死去、享年80歳。

【プロップ】ムーンバス(Moon Bus)

 『2001年宇宙の旅』で、クラビウス基地からモノリス発掘現場に移動する際、フロイドが乗車した月面を低く飛ぶバス。月面は低重力なので非常に理にかなった交通機関だが、小説版は地上を走るまさに「バス」として登場している。ガタゴトとクレーターを超えていく描写はとてもユーモラスだが、だがそれを(説得力のある)映像にするにはかなり大変であろうことは容易に想像できる。キューブリックがそれを「空飛ぶバス」に変更したのは予算的、時間的都合が大きかったのではないか、と推察している。

【トリビア】キューブリックと日本(Kubrick and Japan)

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  キューブリックと日本との関係を少し…。  『ロリータ』では、ロリータの部屋には「TOKYO」のポスターが、また、ホテルのシーンではキルティが支配人に「僕は柔道をやっている。彼女は黄帯(?)、僕は緑帯(??)」という台詞が、ロリータが結婚後、アパートで交わす会話には「キルティは天才よ。彼は一種の日本的な…東洋的な哲学を持っているわ」という台詞が出てくる。  『博士の異常な愛情』でも、マンドレイク少佐がリッパー将軍に「私は第二次大戦で日本軍の捕虜になって、ひどい拷問をうけた」「でも不思議なことに、彼らはあんなにも優れたカメラを作った」という台詞がある。  『2001年宇宙の旅』では国内外のあらゆる特撮SF映画を参考に観たらしいが、その中に日本の特撮映画も含まれていたらしい。(1956年公開の『宇宙人東京に現る』と言われている)また、月に向かうアリエス号の船内ではスチュワーデスが柔道の試合を観ているシーンがあり、宇宙ステーションの「音声身分証明装置」には、日本語のスイッチがある。HALに埋め込まれたレンズはニコンの「1:8 f=8mm 魚眼レンズ (1:8 f=8mm Fish-eye-NIKKOR)」だった。  『時計じかけのオレンジ』では、作家夫婦の家の庭はどういうわけか、日本庭園風になっている。(但し、これはセットではなく、実在の家をロケしたもの。単なる偶然かもしれない)  『フルメタル・ジャケット』では、カメラはニコンで、ホンダのカブも売春婦とポン引きを乗せて登場する。  遺作となった『アイズ ワイド シャット』では、少女を買春するふとどき者として揶揄の対象となっている。同じ日本人としては笑えないが、実際そうなんだから余計始末が悪い。  実現しなかったが、『A.I.』では製作準備中に、アンドロイドについて訊きたいことがあるからと、いきなり三菱の「ミスター三菱」に電話したらしい。(でも、「ミスター三菱」って誰?)   因にキューブリックは来日したことはない。当然、飛行機嫌いで出不精だからである。

【スタッフ】ハワード・サックラー(Howard Sackler)

  『恐怖と欲望』と『非情の罠』で、脚本を担当。他には『ジョーズ』('75)、『ジョーズ2』('78)などがある。  1929年12月19日生まれ、1982年10月12日死去、享年52歳。