【トリビア】キューブリックと日本(Kubrick and Japan)
キューブリックと日本との関係を少し…。
『ロリータ』では、ロリータの部屋には「TOKYO」のポスターが、また、ホテルのシーンではキルティが支配人に「僕は柔道をやっている。彼女は黄帯(?)、僕は緑帯(??)」という台詞が、ロリータが結婚後、アパートで交わす会話には「キルティは天才よ。彼は一種の日本的な…東洋的な哲学を持っているわ」という台詞が出てくる。
『博士の異常な愛情』でも、マンドレイク少佐がリッパー将軍に「私は第二次大戦で日本軍の捕虜になって、ひどい拷問をうけた」「でも不思議なことに、彼らはあんなにも優れたカメラを作った」という台詞がある。
『2001年宇宙の旅』では国内外のあらゆる特撮SF映画を参考に観たらしいが、その中に日本の特撮映画も含まれていたらしい。(1956年公開の『宇宙人東京に現る』と言われている)また、月に向かうアリエス号の船内ではスチュワーデスが柔道の試合を観ているシーンがあり、宇宙ステーションの「音声身分証明装置」には、日本語のスイッチがある。HALに埋め込まれたレンズはニコンの「1:8 f=8mm 魚眼レンズ (1:8 f=8mm Fish-eye-NIKKOR)」だった。
『時計じかけのオレンジ』では、作家夫婦の家の庭はどういうわけか、日本庭園風になっている。(但し、これはセットではなく、実在の家をロケしたもの。単なる偶然かもしれない)
『フルメタル・ジャケット』では、カメラはニコンで、ホンダのカブも売春婦とポン引きを乗せて登場する。
遺作となった『アイズ ワイド シャット』では、少女を買春するふとどき者として揶揄の対象となっている。同じ日本人としては笑えないが、実際そうなんだから余計始末が悪い。
実現しなかったが、『A.I.』では製作準備中に、アンドロイドについて訊きたいことがあるからと、いきなり三菱の「ミスター三菱」に電話したらしい。(でも、「ミスター三菱」って誰?)
因にキューブリックは来日したことはない。当然、飛行機嫌いで出不精だからである。