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【台詞・言葉】わたしを噛んだ犬の毛(Hair of the dog that bit me)

 『シャイニング』に出てくるこの「わたしを噛んだ犬の毛」という台詞、全くもって意味不明ですが「Hair of the dog 」には「迎え酒」という意味があって、かみついた狂犬の毛を取ってつけるとその傷が治るという迷信からそう言うのだそうです。つまり、「私に噛み付いた狂犬(以前飲んだバーボン・オン・ザ・ロックで二日酔いなので)の犬の毛(迎え酒でバーボン・オン・ザ・ロック)が欲しい」とジャックは言っているのですね。日本流に言うなら「毒を以って毒を制す」でしょうか。まあ単純に「迎え酒で」と言えば常連なら通じそうです。  このやりとりで分かるように、かなりアルコールに依存している生活が伺えます。キューブリックがコンチネンタル版でアルコール依存症の話をばっさりカットしたのは、このシーンがあるから説明は要らない、と思ったのでしょう。それでしたら字幕は「二日酔いには迎え酒」とでも意訳してもらえれば分かりやすかったんですけどね。

【関連記事】英誌が選ぶ「スティーブン・キング原作映画ベスト20」

 英Total Film誌が、モダンホラーの巨匠スティーブン・キング原作の映画およびテレビドラマ50作品をランキングした。  多作なキングの小説を原作とするたくさんの映像作品のなかから第1位に選ばれたのは、フランク・ダラボン監督、ティム・ロビンス主演作「ショーシャンクの空に」(1994)。希望をテーマにした名作として、広く支持されている作品だ。原作「刑務所のリタ・ヘイワース」は、キングの非ホラー系小説を集めた中編集「恐怖の四季(Different Seasons)」に収められている。  ダラボン監督作品は、3位の「グリーンマイル」、8位の「ミスト」と合わせて、実に3作品がトップ10にランクイン。キングとの相性の良さを感じさせる。逆に2位の「シャイニング」は、映画としては高く評価されているものの、原作との違いが多く、キングがキューブリック監督を批判していたことは有名だ。  なお、今回の50作品は、ベストからワーストへとランキングされており、実質30位以下はワースト作品という扱いになっている。最下位の50位には、「マングラー2」(02)がランクインした。  トップ20は以下の通り(映画と異なる場合のみ、原作邦題を付記)。 「ショーシャンクの空に」(94/フランク・ダラボン監督) 原作「刑務所のリタ・ヘイワース」 「シャイニング」(80/スタンリー・キューブリック監督) 「グリーンマイル」(99/フランク・ダラボン監督) 「スタンド・バイ・ミー」(86/ロブ・ライナー監督) 「ミザリー」(90/ロブ・ライナー監督) 「キャリー」(76/ブライアン・デ・パルマ監督) 「黙秘」(95/テイラー・ハックフォード監督) 原作「ドロレス・クレイボーン」 「ミスト」(07/フランク・ダラボン監督) 原作「霧」 「デッドゾーン」(83/デビッド・クローネンバーグ監督) 原作「デッド・ゾーン」 「ザ・スタンド」(94/米ABCのミニシリーズ) 「イット(It)」(90/トミー・リー・ウォレス監督/米ABCのミニシリーズ) 「1408号室」(07/ミカエル・ハフストローム監督) 「アトランティスのこころ」(01/スコット・ヒックス監督) 「ゴールデンボーイ」(98/ブライアン・シンガー監督) 「クリープショー」(82/ジョージ・A・ロメロ監督) キング脚本作品 「バトルランナー」(87/ポ...

【関連記事】『時計じかけのオレンジ』の公開直前に、ニューズウィーク誌の表紙を飾ったスタンリー・キューブリック監督、その写真を撮ったのは本人だった!

 映画『時計じかけのオレンジ』が1972年2月に全米公開されるにあたり、ニューズウィーク誌の1月3日号でスタンリー・キューブリックの写真が表紙を飾った。撮影機材を右手に持ち、左手人差指がこちら側に差し向けられたキューブリックの顔のアップ写真を、どこかで目にしたことがある人も多いだろう。実はこの写真を撮ったのは、ほかでもない、キューブリック本人だったのだそう。  当時、MGMやワーナーなどで宣伝・マーケティングの重職につき、キューブリックからも絶大な信頼を得て、密接に仕事をしていたマイク・カプランが、ウェブサイトmoviefone.comに寄せたコラムにおいて、メディアでの取り上げられ方について、キューブリックがいかにコントロールフリークだったかを語っている。  キューブリックは、「インタビュー記事の中で、自分が語った受け答えについては、本意を正確に伝えていると納得できるまで徹底的に校正をほどこした」そうで、「何日も費やして、満足のいくまで表現をそぎ落としていく。その結果、見事なまでにさえわたった表現ができあがった」のだそう。  映画監督として名声を確立する以前に、すでにルック誌に掲載された一連の写真によりカメラマンとして一級の腕前を見せていたキューブリックが、表紙の写真に並々ならぬこだわりを見せたのは当然だった。特集記事に合わせて表紙が決定したとき、「わたしが撮影すると伝えてくれ。仕様を聞いておいてほしい」とカプランに伝えたそうだ。  「ニューズウィーク誌のカメラマンが撮らない表紙なんて前代未聞」とアートディレクターのひんしゅくを買うも、結局、特集記事の大きさに、キューブリックの主張が通った。キューブリックは、エグゼクティブ・プロデューサーを撮影位置に立たせ、1時間かけて照明やアングルを調節した末に、最後に自らがその位置に立ち、プロデューサーにただカメラのボタンだけを押させた、とカプランはつづっている。(鯨岡孝子) (引用: シネマトゥデイ映画ニュース/2012年3月4日 )  まあ、キューブリックらしいエピソードではありますね。その表紙が上記です。かっこいいじゃないですか、監督!風船売りのおじさん(クリスティアーヌ談)の実態とは全然違いますね。