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【関連記事】キューブリックの元プロデューサーは『アイズ ワイド シャット』は最悪のスタンリー・キューブリック映画と語る

『アイズ ワイド シャット』はスタンリー・キューブリックの最悪の作品だ  スタンリー・キューブリックの初期作品のプロデューサーであり、『シャイニング』の監督の親友であり、稀代の映画作家であるジェームズ・B・ハリスは、二重の栄誉に浴している。ハリスは、貴重な『Some Call It Loving』(『眠れる森の美女』)の劇場再公開と、1月20日から30日までラ・シネマテークで開催される回顧展という二重の栄誉を享受している。85歳には見えない男に会いに行こう。 (引用: NEWS CINE-SERIES INTERVIEW/2014年1月27日 )  この記事のプロデューサーとは、キューブリックのハリウッドデビュー作の『現金に体を張れ』『突撃』『スパルタカス』『ロリータ』まで、キューブリックの初期の時代を支えたジェームズ・B・ハリスの事です。  原文はフランス語ですので、機械翻訳でざっと読んだところかなり厳しい口調で『アイズ…』を批判しているようです。まあ、ハリスがこういうのもわかる気がします。何故ならその頃のキューブリックは映像作家系監督として成功するとの野心を一旦引っ込め、劇映画的な要素を多く含んだ作品を撮っているからです。つまりハリスはそんなキューブリックの才能を気に入っていたんでしょう。  ハリスとキューブリックが袂を分かったのは『博士…』をブラックコメディにするか否かで意見が合わなかったのが主な原因と伝わっています。キューブリックがいよいよ本来自分がやりたかった表現を始めようとしたときにはハリスはもうキューブリックの側にはいませんでした。そしてそのキューブリックは初期の頃を振り返って、このように語っています。  私の初期の作品が後のものより言葉的な表現に傾いていると思われるなら、それは私がある程度文学的なしきたりに追従せざるを得なかったという事情によるものだ。 (引用:『映画監督 スタンリー・キューブリック』)  ハリスは非言語的な視覚体験や、スクリーンからじわじわと襲ってくる独特の緊張感を高く評価するという感性はあまり持ち合わせていないでしょう。この発言でキューブリックの評価を推し量ったり、ハリスの感性を批判するのはお門違いです。個人的にはむしろ「ハリスがついに本音を語ったか」という感想を持ちました。ドキュメンタリー等でのハリスの発言は常に初期作品に限られ...

【インスパイア】リアーナ/ユー・ダ・ワン(Rihanna - You Da One)

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 中米の小国、バルバドス出身のR&Bシンガー、リアーナが2011年に発表したシングル曲『ユー・ダ・ワン』。その衣装が『時計…』のアレックスの衣装を彷彿とさせるものになっています。まあ、あのマドンナでさえ、ライブでアレックスのような衣装を採用していましたので、今更感もありますが。このリアーナはグラミー賞を受賞し、世界中で1200万枚のアルバムを売りまくった有名なディーバ(歌姫)だそうです。

【台詞・言葉】木星計画(Jupiter Mission)

 『2001年宇宙の旅』で、月面のモノリスが発信した怪電波が木星(小説版では土星)に向けて発信されていた事が判明したため、ディスカバリー号を調査のために木星に向かわせる事となったミッション名。  小説版では映画版とは異なり、「木星計画」の名の下に進められていた木星有人探査計画が急遽変更、調査対象が土星に変更された事になっている。元々原案ではモノリスは木星ではなく土星の衛星ヤペタスに存在する予定だったが、当時の特撮技術では土星の輪を説得力ある映像にする事ができず、やもなく目的地が木星に変更になった。  その後HALの反乱に遭いクルーは殆ど死亡、ただ一人残されたボーマンはスターゲートに吸い込まれて行方不明に。ディスカバリー号は無人のまま、木星の衛星イオの重力に引かれてイオに落下するという事態になってしまう。それらの経緯は小説『2010年宇宙の旅』、映画『2010年』で描かれている。  結論から言えば「木星計画」は4人の死者(内一名は遺体未確認)と一人の行方不明者を出し、何の成果も得られず(地球側にはボーマンが何を見たのか伝わっていない)大失敗に終わった、と言えるだろう。

【関連動画】『シャイニング』でジャック・ニコルソンの台詞「Here's Johnny!」の元ネタ

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 『シャイニング』でジャック・ニコルソンがドアを斧でぶち破って言う一言「Here's Johnny!(お客さまだよ!)」は、アメリカのTVショー『The Tonight Show』のオープニングで司会者のジョニー・カーソンを呼ぶ台詞が元ネタなのはすでに説明済ですが、そのジョニー・カーソンの オフィシャルYouTubeチャンネル がありましたのでご紹介。  現在「Here's Johnny」でググるとほとんどがジャック・ニコルソンのあの顔、という検索結果になっています。でもそれではあんまりですので元ネタもしっかり認識しておいて欲しいですね。このジョニー・カーソン、すでに故人ですが、長寿人気番組だったらしくその膨大な映像ソースはいくつかiTunesでダウンロード販売されていたり、DVD化されているようです。なにせゲストが豪華ですからね。モハメド・アリ、クリントン元大統領、スティーブ・マーチン、ジム・キャリー、ロン毛のシュワルツネッガーという微妙な姿も見る事ができます(笑。

【考察・検証】なぜキューブリックは小説『シャイニング』のオーバールック・ホテルを改変したか?を検証する[その1]

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キングが執筆時に滞在し、原作とTV版の舞台にもなった「スタンリー・ホテル」 キューブリックが映画化の際に外観に使用された「ティンバーライン・ロッジ」 キューブリック版の内装のモデルになった「アワニー・ホテル」  キューブリックが『シャイニング』を映画化するにあたり、大胆な改変を行ったのは周知の通りですが、今回はあまり語られてこなかった「オーバールック・ホテル」そのものの改変について考察してみたいと思います。  原作者であるスティーブンキングが小説『シャイニング』を執筆した際に投宿していた「スタンリー・ホテル」はそのまま原作の舞台になっています。それはキングが映像化したTV版『スティーブン・キングのシャイニング』でもロケ地として使われています。一方、キューブリックは原作とはずいぶんと趣の違うホテル「ティンバーライン・ロッジ」をロケ地に選び、内装は「アワニー・ホテル」を参考にセットを組んでいます。  まず、原作小説でホテルはどういう描写になっているか確認しておきたいと思います。小説では上流階級が宿泊する高級リゾートホテルとして描かれていて、豪華なプレデンシャル・スイートには歴代の大統領や有名人が宿泊したと支配人のアルマンは自慢げに語ります。でも実はそれは表の顔で、ギャングなどの裏社会の人間の定宿になり、血なまぐさい虐殺事件が起こったり、男を連れ込んで不倫していた金持ちの有名弁護士の妻が薬をやりすぎて死んでしまったり(これが237号室の女の幽霊の正体)、そしてある時期は売春宿として営業していたという事実がジャックによって暴かれます。一方映画ではそういった描写はなく、山小屋のロッジ風な質素で素朴な佇まいのホテルとして描かれています。  この両者の描写の違いは何を意味するのか。それは「どうしてオーバールック・ホテルは呪われたホテルになってしまったのか」その原因の違いだと思います。小説ではそういった権力欲と金にまみれた連中がホテルで惨劇を繰り返し、その結果悪霊が棲み付くようになったという描写になっています。ジャックは「ここ(ホテル)には、第二次世界大戦後のアメリカ人ってものを示す、あらゆる指標がそろっていると思うんだ」と話しています。  しかしキューブリックはこのアイデアを採用しませんでした。その理由は、こういったプロットに関わっていたら2時間の映画に収まらない、という現実的な...

【パロディ】ファミコン化された『時計じかけのオレンジ』

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 以前 ここ で同じ「8ビットシネマシリーズ」の『シャイニング』を紹介しましたが、その『時計じかけのオレンジ』版です。なんと映画よりアレックスの凶悪度が増しています。ボーナスステージの乱交シーンには笑いました(笑。車(ディランゴ95)が人を轢き殺しているのは変に原作に忠実ですね。  この「8ビットシネマ」の他の作品は こちら からどうぞ。

【関連動画】スティーブン・キング版『シャイニング』フルバージョン

 1997年にアメリカABCテレビでオンエアされた『スティーブン・キングのシャイニング(STEPHEN KING'S THE SHINING)』がフルバージョンでアップされていましたのでご紹介。そのうち消されてしまうでしょうけど、つまみ食いならぬ、つまみ見(?)するにはちょうどいいかもしれません。これを観ればどうしてキューブリックは原作者を激怒させてまであのような原作改編を行ったか、その理由がよくわかります。要するに「文字で読む分にはいいが、映像にすると失笑もの」の典型例です。  まあ、家族愛物語としてはデキは悪くないんですが。でもダニーの口元はなんであんなに緩いんでしょう?それにキューブリック版の約17年後に製作されているのに、映像は完全にこちらの方が古びてしまっています。比較すればキューブリック版の完成度の高さ、画作りの緻密さがよく分かりますね。  ちゃんと日本語字幕版で観るのでしたらDVDを購入するしかないようです。もしくは中古ビデオソフトをオークションや中古ビデオショップで入手するとか。因に管理人はもうずいぶん前にレンタルビデオの中古落ちを格安で購入、それをDVDに焼いて所持しています。まあその程度の作品、という事ですね。 ※本編動画は削除されました。

【関連記事】『シャイニング』『エクソシスト』……あのホラー映画の子どもたちは今!?

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 『シャイニング』のダニー少年と双子の姉妹、『エクソシスト』の悪魔に取り憑かれた少女、『ペット・セメタリー』の墓場から甦る少年。あの名作ホラーに登場した子役たちは今どうしているのか? あの名作ホラーに登場した子役たちは今どうしているのか?  スタンリー・キューブリック監督の傑作ホラー『シャイニング』(1980)に登場した、不気味な双子の少女を覚えているだろうか。霊感の強いダニー少年の前に現れて、「おいで、一緒に遊ぼうよダニー、ずっと永遠に……」と誘いかけ、後に血みどろで惨殺された姿を見せるゴースト姉妹だ。  英Digital Spyによると、この姉妹を演じた双子のリサ&ルイーズ・バーンズが先頃、英ロンドンで開催されたキューブリック監督『博士の異常な愛情』(64)の50周年上映イベントに出席、久しぶりに公の場に姿を見せた。『シャイニング』撮影時は11歳だった姉妹も、今では46歳。『シャイニング』以降は女優を辞めて、リサは大学で文学を学び、ルイーズは微生物学者になったそうだ。また最近、姉妹は@Shining_TwinsのアカウントでTwitterも始めたという。 〈以下略〉 (引用: GQ JAPAN/2014年2月10日 )  ダニーについては ここ で、双子の少女については ここ で現在の姿を見る事ができます。あとは記事本編でお楽しみください。

【監督】リー・アンクリッチ(Lee Unkrich)

  CGアニメーション制作会社、ピクサーで編集や監督を担当。『トイ・ストーリー』で『シャイニング』への言及が多いのはこの人の仕業。『シャイニング』コレクターで、『シャイニング』のレアな情報が集まるブログ 『OVERLOOK HOTEL』 の管理人をしている。キューブリック展で展示されたダニーのアポロセーターは彼の所有物。キューブリックと直接親交はなかったが関係者とは交流があり、様々なレアアイテムを入手しているようだ。  主な参加作品は『トイ・ストーリー』(1995)、『バグズ・ライフ』(1998)、『トイ・ストーリー2』(1999)、『モンスターズ・インク』(2001)、『ファインディング・ニモ 』(2003)、『トイ・ストーリー3』(2010)、『モンスターズ・ユニバーシティ』(2013)など。

【関連記事】キューブリック、コッポラ、タランティーノなど10人の偉大な映画監督が愛した映画100本

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 巨匠と呼ばれる10人の偉大な映画監督が愛していた映画のリストです。各監督たちが大好きだった映画のリストですが、共通する映画やなるほどと思わせる映画などがラインナップされています。日本からは黒澤明、大島渚、溝口健二監督作品が海外の映画監督に影響を与えているようです。 スタンリー・キューブリック 「青春群像(I Vitelloni)」:フェデリコ・フェリーニ監督作品、1953年 「野いちご(Wild Strawberries)」:イングマール・ベルイマン監督作品、1957年 「市民ケーン(Citizen Kane)」:オーソン・ウェルズ監督作品、1941年 「黄金(The Treasure of the Sierra Madre)」:ジョン・ヒューストン監督作品、1948年 「街の灯(City Lights)」:チャールズ・チャップリン監督作品、1931年 「ヘンリィ五世(Henry V)」:ローレンス・オリヴィエ監督作品、1944年 「夜(La notte)」:ミケランジェロ・アントニオーニ監督作品、1961年 「The Bank Dick」:エドワード・F・クライン監督作品, 1940年 「ロキシー・ハート(Roxie Hart)」: ウィリアム・A・ウェルマン監督作品, 1942年 「地獄の天使(Hell’s Angels)」:ハワード・ヒューズ監督作品 , 1930年 マーティン・スコセッシ 「2001年宇宙の旅(2001: A Space Odyssey)」:スタンリー・キューブリック監督作品、1968年 「8 1/2」:フェデリコ・フェリーニ監督作品、1963年 「灰とダイヤモンド(Ashes and Diamonds)」:アンジェイ・ワイダ監督作品、1958年 「市民ケーン(Citizen Kane)」:オーソン・ウェルズ監督作品、1941年 「山猫(The Leopard)」:ルキノ・ヴィスコンティ監督作品、1963年 「戦火のかなた(Paisà)」:ロベルト・ロッセリーニ監督作品、1946年 「赤い靴(The Red Shoes)」:マイケル・パウエル/エメリック・プレスバーガー監督作品、1948年 「河(The River)」:ジャン・ルノワール監督作品、1951年 「シシリーの黒い霧 (Salvatore Giuliano)」:フランチェスコ・ロ...

【パロディ】フランスのショートコント『男と女』に登場した『アイズ ワイド シャット』のパロディ

  フランスのTVのショートコントドラマ『男と女(Un gars, une fille)』の一編です。『アイズ…』のクルーズとキッドマンよろしく盛り上がって来たところに女性(シュシュ)が一言「ルル、興奮しないで。生理中よ!」  なんとまあ身も蓋もないストレートなオチですが、こんな生々しいネタをTVでできるのはさすがフランスですね。この『男と女』、ショートコントを7本程度繋げた全部で7分くらいの番組で、時折ゲストの出演はあったものの登場人物はルルとシュシュの二人だけ。この二人は夫婦なのか恋人同士なのか分かりませんが、男女間の諍いやすれ違いの会話で笑いを誘うシチュエーション・コメディで、1999年から2003年まで続いた人気番組だったようです。ルル役の俳優がカッコつけてトム・クルーズになりきっているのがちょっと笑えますね(笑。 ※動画は削除されましたので、 こちら でご覧ください。

【パロディ】IKEAの双子の少女のCM

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 日本でもオンエアされていたCMですが、『シャイニング』を見た事がある人なら例のアレを思い出さない人はいないでしょうね。案の定YouTubeには「ダニー」だの「シャイニング」だの「一緒に遊びましょ」などの書き込みが溢れています。  そんな事よりこのCMの意図がイマイチ不明。双子である必然性があるんでしょうか?まあ、CMディレクターが是非ともこのネタをやってみたかったんでしょうね。

【関連記事】「シャイニング」の双子がツイッター開始 現在46歳のバーンズ姉妹

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 スタンリー・キューブリック監督の1980年のホラー映画「シャイニング」に登場し、忘れがたい印象を残した双子の少女が34年ぶりに公の場に登場している。昨年12月から「Shining Twins」の名義でTwitterとFacebookを始めていたことが明らかになった。  「シャイニング」の“グレイディ・ツインズ”を演じたのは、現在英ロンドンに在住する46歳のリサ&ルイーズ・バーンズ姉妹。一卵性双生児で、「シャイニング」出演当時は12歳だった。姉妹ともに映画に出演したのは「シャイニング」のみで、その後ふたりは普通の生活を送り、リサは文学を学び、ルイーズは微生物学者として活動している。  バーンズ姉妹は1月29日(現地時間)、ロンドンで行われたキューブリック監督作「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」(1964)の50周年記念イベントに姿を現したところをキャッチされ、にわかにネット上で注目を集めた。それを機に、姉妹が昨年12月からTwitter(@Shining_twins)とFacebook(www.facebook.com/ShiningTwins)を始めていたことも報じられた。  ちなみに、同作でダニー少年を演じたダニー・ロイドは生物学の教授になっており、現在は米ケンタッキー州のエリザベスタウン・コミュニティー・カレッジで教鞭をとっているという。  「シャイニング」を検証するドキュメンタリー「ROOM237」は現在公開中。 (引用: 楽天WOMAN/2014年1月31日 )  リサ&ルイーズ・バーンズは、1999年にTV番組(「あの人は今」みたいな番組だと思います)に出演しているので、34年ぶりというのはちょっと違いますね。   デイリーメールの記事 には現在の写真が掲載されていますが、二人の並びは映画と同じと考えて良いのでしょうか?身体の大きさからそのように見えますが。つまり左が姉のリサで右が妹のルイーズという判断で良いのでしょうか(注:正しくは左がルイーズ、右がリサ)。あと双子説と姉妹説のどちらが正しいんでしょう?  3月にアメリカで開催予定の『モンスター・マニア・コンベンション』に登場予定なので、多分その様子がYouTubeにアップされるでしょうから、今から期待しています。肉声も聞いてみたいですね。