【作品紹介】『突撃』(原題:Paths of Glory)
邦題/突撃
原題/Paths of Glory
公開日/1957年12月25日(86分、モノクロ)
日本公開/1958年2月19日
製作会社/ハリス=キューブリック・プロダクション
製作/ジェームズ・B・ハリス
監督/スタンリー・キューブリック
原作/ハンフリー・コッブ「栄光の小径」
脚本/スタンリー・キューブリック、カルダー・ウィリンガー
撮影/ジョージ・クラウス
編集/エヴァ・クロール
音楽/ジェラルド・フリード
美術/ルードウィッヒ・レイバー
出演/カーク・ダグラス(ダックス大佐)、ラルフ・ミーカー(パリス伍長)、アドルフ・マンジュー(ブルラール将軍)、ジョージ・マクレディ(ミロー将軍)、ウェイン・モリス(ロジェ中尉)、リチャード・アンダーソン(サントーバン少佐)、ジョセフ・ターケル(アーノー二等兵)、ティモシー・キャレイ(フェロル二等兵)ほか
配給/ユナイテッド・アーティスツ
●ストーリー
1916年、第一次世界大戦中のフランス軍。ブルーラード将軍はドイツ軍の難攻不落な陣地「蟻塚」を攻め落とそうと、ミロー将軍に明後日までに占領せよとの命令を出す。現状では不可能と主張するミローは昇進をほのめかされたため承諾する。前線を視察したミロー将軍から命令を聞かされた、701歩兵連隊長で元弁護士のダックス大佐は攻撃は無謀だと抗議するが、解任を示唆され止むなく受け入れる。
その夜、3名が蟻塚偵察に向かうがロジェ中尉は敵前逃亡し、その際ルジューンを手榴弾で殺害する。それに気付いたパリス伍長はロジェを激しく非難した。明け方作戦が開始されると、ダックス大佐はピストルを持って連帯を鼓舞し、兵士とともに戦うが激しい砲撃と機銃掃射で連隊は途中で前進を阻まれる。だがB隊は壕にこもって攻撃をしようとしなかった。しびれをきらしたミロー将軍は味方の陣地を砲撃しろと命令するが砲兵隊はそれを拒否、そんな中、先発隊も塹壕へ退却し始める始末だった。
ミロー将軍は命令を実行しなかったとして3中隊から1名ずつ、合計3名を選び軍法会議にかけることにした。ダックス大佐は弁護を志願したが、それを思いとどまるようミローはダックスに圧力をかけた。選ばれた兵士は気に入らないからと選ばれたフェロル二等兵、くじ引きで選ばれたアーノー二等兵、ロジェ中尉のルジューン殺害を告発しようとしたパリス伍長の3人だった。裁判が進むにつれ、これは形ばかりの軍法会議で見せしめとして銃殺刑にするのが目的だと気付いたダックス大佐は、元弁護士という経歴もあり軍法会議でこの裁判の不当性を主張する。
ダックスの主張は認められず、裁判は3人に有罪を言い渡した。最期の時を待つ3人は苛立っていた。懺悔を聞きに来た従軍神父を酔っぱらったアーノーは侮辱し、それに激怒したパリスはアーノーを殴って重傷を負わせてしまう。銃殺隊長の人選にダックスは敵前逃亡したロジェ中尉を選ぶ。命令を嫌がるロジェに構わず無理矢理任命した。その時ダックスはミロー将軍の味方への砲撃命令の存在を知る。それを盾に銃殺刑を止めるようブルーラード将軍に圧力をかけた。結局銃殺刑は施行されたが、ミロー将軍も味方への砲撃命令で査問委員会にかけられる事になる。ブルーラード将軍はダックスへ昇進を持ちかけ、そのかわりミローの告発を取り下げるよう暗に要求する。それをダックスは拒否した。
酒場で騒ぐ701連隊の兵士たちは、敵の少女をさらし者にし喜んでいた。少女が歌を歌い始めると侮辱していて兵士は静かになり、涙を流し一緒に歌い始めた。その様子を見ていたダックスは前線に戻る命令を少し待つように指示した。