【台詞・言葉】牡蠣〈カキ〉と蝸牛〈カタツムリ〉(Oysters and Snails)
『スパルタカス』でクラサスとアントナイナスの同性愛を示唆しているとカットされた風呂場のシーンで語られる例え。クラサスは自分の身体をアントナイナスに洗わせながら「牡蠣は食うのか?」「蝸牛は?」「牡蠣を食うのは美徳で蝸牛は悪徳か?」「味覚と食欲は違う、故に徳とも関係ない」などとねっとり語っているので示唆どころかそのまんまです。さすがリアルでもホモ(正確にはバイセクシャル)だったローレンス・オリビエ、演技とはとても思えません。
まあこのシーンがないと、クラサスがスパルタカスに激しく嫉妬し憎悪を向ける理由が、アントナイナスとバニリアの両方に愛されたからだという説明の片方が欠けるわけで、それなりに重要ではあります。その意味では完全なオリジナルプリントが残っていない状態で、しかもオリビエは既にこの世を去っていたというハンデにも関わらず復活させた関係者(特にクラサスの台詞をアフレコしたアンソニー・ホプキンス)の努力には頭が下がります。