【トリビア】オペラント条件づけ(Operant Conditioning)

 オペラント条件づけ(オペラントじょうけんづけ、operant conditioning、またはinstrumental conditioning)とは、報酬や嫌悪刺激(罰)に適応して、自発的にある行動を行うように、学習することである。行動主義心理学の基本的な理論である。

(引用:オペラント条件づけ/wikipedia



 洗脳は思考をある一定の方向に染めてしまうイメージですが、このオペラント条件付けは本来全く関連性のない思考と行動を無理矢理固定化するというイメージでしょうか。望ましい行動に対して喜ばしい刺激を与える事を「正の強化」、ルドヴィコ療法のように、望ましくない行動に対して嫌悪刺激を与える事を「正の罰」というそうです。ただ『時計じかけのオレンジ』じたいカリカチュア化された物語ですので、厳密に考えなくても良さそうです。現にどうやってその条件付けを解除したかの描写はかなりいいかげんでしたし。

 このオペラント条件付けは前作『2001年宇宙の旅』にも登場しています。飢餓のため絶滅の危機に瀕していた人類の祖先である猿人を、他の種を殺戮して食料や水を得るという知恵を授けるために、モノリスは「正の強化」を猿人に施した、と言えるからです。小説版『2001年…』ではそのプロセスが詳細に描写されていました。ただキューブリックはオペラント条件付けには懐疑的で「それでは単なるティーチングマシンにしか見えない」との理由で、映画版では「モノリスに触る事によって知恵を授かる」という抽象的な表現にしたようです。

TOP 10 POSTS(WEEK)

【考察・検証】『アイズ ワイド シャット』は、なぜクリスマスシーズンの物語なのか?を検証する

【関連動画】『2001年宇宙の旅』の未公開シーンとセット画像を集めた動画と、クラビウス基地で登場したハンディカメラをニコンがデザインしたという説明の信憑性について

【オマージュ】King Gnu(キング・ヌー)の新曲『一途』のMVがとっても『2001年宇宙の旅』だった件

【ブログ記事】NHK『映像の世紀~バタフライエフェクト~映像プロパガンダ戦 嘘と嘘の激突』で紹介されたプロパガンダ映画『ユダヤ人ジュース』とキューブリックとの「接点」

【インスパイア】とっても『2001年宇宙の旅』な、旧ソ連謹製SF映画『モスクワ-カシオペア(Москва – Кассиопея)』

【パロディ】映画版『バービー』の予告編がまるっきり『2001年宇宙の旅』でどう反応して良いのやら(汗

【関連記事】映画ファンが「こんな世界絶対嫌だ…」と絶望する!オススメの「ディストピア映画」10選

【関連書籍】忘れ去られた『2001年宇宙の旅』のもうひとつの原典、アーサー・C・クラーク『地球への遠征』

【オマージュ】MV全編がまるっきり『時計じかけのオレンジ』な、コットンマウス・キングス『Stomp』のMV

【パロディ】まるっきり『時計じかけのオレンジ』のアレックスのファッションをしたマーク・パンサーが登場するglobeの『genesis of next』