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スタンリー・キューブリックといえば、言わずとしれた世界的名監督。しかし、その強迫症的なまでに徹底した映画作りは、『Stanley Kubrick's Boxes』というドキュメンタリーまで作られたほどだ。
そんなキューブリック監督だが、『2001年宇宙の旅』が公開された1968年当時に、彼の元でインターン生として働いていたティム・ディーガンが、監督にまつわるさらなるエピソードを明かした。
「マーケティングや映画の見せ方について、あれほど強大な力でコントロールできた監督は数えるほどしかいないだろう」と語るディーガン氏。「会計係としてお金を貰いながら彼のもとで働いていた。赤字を計算して彼に伝えていたんだ」。そんな彼から見ても、キューブリックの力は絶対的なものだったという。
さらにディーガン氏は驚くべきエピソードを披露した。彼の日課は、あらゆる新聞に載るキューブリック監督の"広告の大きさを定規で測る"というものだった。監督は、スタジオが"約束した通りの大きさ"の広告がきちんと出ているかチェックしていたというのだ。大抵は約束より小さい広告が出ていたので、キューブリックは独自の調査を元にスタジオに交渉へ行き、不足分の広告を追加で出すよう迫っていたそうだ。
キューブリックの徹底的なコダワリは、映像だけでなく広告の細部にまで及んでいたようだ。
(引用:映画ニュース:2013年3月13日)
「苦労の日々」などと見出しで煽っておきながら、広く知られている広告の話ですが・・・。ファンなら周知の事実ですね。この程度で記事になるなら、インタビュー記事を自ら校正してまるまる削除させたとか、映画館の壁が明るすぎるからと塗り直させたとか、もっとレアなエピソードなんていくらでもあります。
キューブリックが他の監督と絶対的に違うのは、映画製作に関する資金と、それに伴う責任の全てをキューブリック自身が負っていた、という事実に他なりません。知ってか知らずかマスコミはこの事を意図的に触れませんからね。企業のトップが自社の広告の出稿状態をチェックするのに何の不思議があるんでしょう?それと同じ事です。