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8月, 2013の投稿を表示しています

【セット】ピクチャーフォン(Picture Phone)

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 ベル株式会社がデザインし『2001年…』に提供したTV電話。20世紀には未来ガジェットとして定番のアイテムでしたが、21世紀の現在、技術的には完全に実用化レベルなのにそんなに普及していないのはご存知の通り。理由は・・・言わなくてもわかりますよね。  このピクチャーホンで話し相手になっている女の子はキューブリックの三女、ヴィヴィアンなのは有名な話ですが、全然落ち着きがないせいかカメラがヴィヴィアンを追いかけています(笑。まあこれは対人センサーとカメラが同期していて人物の動きを自動的にトレースする機能が付いている・・・と脳内補完しておきましょう。

【トリビア】読唇術(Reading Lips)

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 今じゃ考えられませんが、公開当時このHALによる読唇術に懐疑的な指摘がされていました。曰く「コンピュータがそんな高度な機能を有する筈がない」と。  現在のコンピュータは音声認識と発声はほぼ実現、人工知能はまだ未熟、そして読唇についてはかなり精度が上がって来ているようです。でもこの『2001年…』が描いた未来にはまだまだほど遠いのが現状ですけどね。

【考察・検証】なぜキューブリックは『2001年宇宙の旅』のHAL反乱シークエンスを小説版と変更したか

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 アーサー・C・クラークによる小説版『2001年宇宙の旅』とキューブリックの映画版『2001年宇宙の旅』にはいくつか相違がありますが、今回はあまり語られてこなかったこの「HAL反乱シークエンス」の違いについて検証したいと思います。  まず小説版と映画版でどこがどう違うのか、整理してみたいと思います。 ●小説版 (1)HALがAE-35ユニットの異常を知らせる。 (2)検討の結果プールが船外活動によってユニットを交換する (3)持ち帰ったユニットを検査したが、異常がない事が判明する (4)ボーマンとプールはHALの方が異常をきたしているのではないかと懸念する (5)HALの予告通りユニットが故障する(HALの自作自演) (6)プールが再度ユニットを交換に船外へ出る (7)HALがポッドをプールに追突させ殺害 (8)ボーマンはコントロールから呼びかけるが、応答なくプールの死を確信 (9)ボーマンは冷凍睡眠中の残りのクルー全員の覚醒を始める (10)HALはディスカバリー号の空気を抜き、クルー全員の殺害を企てる (11)ボーマンはそれに気付き、緊急シェルターに逃げ込み難を逃れる (12)生き残ったボーマンはセントラルユニットに行き、HALを停止させる ●映画版 (1)HALがAE-35ユニットの異常を知らせる。 (2)検討の結果ボーマンが船外活動によってユニットを交換する (3)持ち帰ったユニットを検査したが、異常がない事が判明する (4)ボーマンとプールはHALの方が異常をきたしているのではないかと懸念する (5)それを確認するためにユニット元に戻すことにする (6)プールが再度ユニットを交換に船外へ出る (7)HALがポッドをプールに追突させ殺害 (8)ボーマンはポッドでプールの救出に向かう (9)ボーマン不在を突いてHALが冷凍睡眠中の残りのクルー全員の殺害を始める (10)HALはボーマンの帰還を拒否、ディスカバリー号から閉め出す (11)ボーマンはポッドの扉を爆破、緊急エアロックから強引に船内に帰還する (12)生き残ったボーマンはセントラルユニットに行き、HALを停止させる  (2)(5)の違いはあまり問題ではないでしょう。(8)から(11)までの流れの違いが顕著です。大きな違いは (ア)ボーマンがポッドでプールの救出に向かうか否か (イ)HALによるボーマン...

【パロディ】チャーリーとチョコレート工場

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 まあ今更感もありますが、とりあえず紹介。監督はティム・バートン、主演はジョニー・デップの黄金コンビですね。 プロモーション来日時のインタビュー によると「白いテレビルームを作ってみたら、それが『2001年宇宙の旅』を思い起こさせるセットだし、モノリスが板チョコの形と同じだった。だから工夫したわけではなく自然にあの場面が誕生したんだ」なんて偶然を強調していいるようですが、この作品、他にも『サイコ』や『サタデーナイト・フィーバー』、それにクイーンやビートルズなど往年のロックもオマージュされているので、最初からパロディやオマージュ満載の映画を創ろうとしていたのは明白。『2001年宇宙の旅』もその内のひとつだったのでしょうね。

【パロディ】ホテルの廊下にいるただの女の子

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 『シャイング』+『リング』といったところでしょうか。詳細は不明ですが、ブラジルのTV番組のドッキリをスペインの民放TV局クアトロが取り上げたもののようです。単純なドッキリですが破壊力は抜群ですね。

【関連記事】「シャイニング」続編刊行に合わせ、幽霊ホテル宿泊パッケージが登場

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スティーブン・キングが宿泊したスタンリー・ホテル  スティーブン・キングの長編小説「シャイニング」(1977)の続編「ドクター・スリープ(原題)」が9月24日に刊行されるが、同作ゆかりのホテルがそれに合わせた宿泊パッケージを発表した。  米コロラド州エステスパークの老舗スタンレーホテルで、幽霊伝説を持つこのホテルに宿泊したことが、キングが「シャイニング」を執筆するきっかけになったとされている。スタンリー・キューブリック監督による1980年の映画版「シャイニング」の舞台は同ホテルではないが、キングがプロデュースした米ABCのミニシリーズ版「シャイニング」の一部は実際に同ホテルで撮影されている。  続編小説の主人公は、中年になったダニー・トランス(ジャック&ウェンディ・トランス夫妻の一人息子で、前作ではまだ少年)。スタンレーホテルの宿泊パッケージは続編と同じく「ドクター・スリープ」と銘打たれ、特典として「シャイニング」と「ドクター・スリープ」のハードカバー本が1部ずつ付く。宿泊は続編発売日の9月24日から可能。  なお、キングが宿泊したスタンレーホテルの217号室は、20世紀初頭に同ホテルのハウスキーパーだった女性の幽霊が出没するとされる部屋で、「ドクター・スリープ」プランの利用者が希望すれば、別途料金で217号室へのアップグレードも可能だという。 (引用: 映画.com ニュース/2013年7月29日 )  スティーブン・キングが『シャイニング』の続編を執筆中である事は以前記事にしましたが、出版日が決まりましたか。小耳に挟んだ限りでは『シャイニング』とは似ても似つかない内容になりそうなのであまり興味は湧きませんが、スタンリー・ホテルとタイアップとは商魂逞しいですね。このスタンリー・ホテル。原作とTVシリーズの舞台となっているのですが、幽霊話を嫌がるどころかちゃっかり宣伝に利用しちゃっているようです。この開き直りっぷりは日本じゃちょっと考えられないですね。  当然キングは映画化を目論んでそうですが、煮え湯を飲まされたワーナーは選ばないでしょう。それよりもワーナーが企画中の『シャイニング』前日譚『オーバールック・ホテル』の方が気になります。こっちはちょっと期待しています。

【関連動画】1分間で振り返るLACMAのスタンリー・キューブリック展

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Stanley Kubrick: 13 Films In 1 Minute (2013)(Vimeo)  こういうダイジェストは助かります。フィルモグラフィ順に紹介されているのも判りやすくていいですね。でもちょっとカットのテンポが早すぎるので、一時停止しながらの鑑賞をおすすめします。そして動画の最後のメッセージは・・・全くの同感ですね。

【関連記事】あなたはスタンリー・キューブリックのNASAレンズで撮影することができます

スタンリー・キューブリックのNASA宇宙レンズで写真を撮ることができます  ミュンヘンのレンタルハウスは、NASAが月の裏側を撮影するためにツァイス社に依頼したスタンリー・キューブリックの f/0.7レンズが使えるようにデジタルカメラを改造しました。つまり、基本的には歴史的な遺物と一緒に外出して写真を撮ることができるということです。  この10個セットは、1960年代の月面探査ミッション用に NASA から発注されたもので、これまでに作られた中で最も口径の広いレンズの一部です。10個のうち3個は、1975年の映画「バリー・リンドン」で使用するためにスタンリー・キューブリックに直接販売されました。キューブリックは、ろうそくの明かりだけで照らされたシーンを撮影するために、これらのレンズをミッチェルBNCカメラで使用できるように改造しました。 (引用: GIZMODO/2013年8月5日 )  Kubrick Collectionというサイトでキューブリックが『バリー・リンドン』で強引にミッチェル・カメラにくっつけて使用したNASAのレンズと同じ、F値0.7のレンズを使用したフルハイビジョン・カメラをレンタルしているそうです。サンプルギャラリーを見ればその実力は一目瞭然、すごいものですね。ロウソクと女性のショットはまさに『バリー…』の世界。アナログとデジタルの違いはあるにせよ、カメラ好きは是非弄ってみたいと思うのではないでしょうか。  ただ、料金等は問い合わせなければならないようです。このサイトではこのカメラ一式を「キューブリック・カメラ」と呼称しているようですが、将来このF値0.7のレンズを「キューブリック・レンズ」と呼ぶ事が一般化する時代が来るかもしれないですね。そうなればご本人もきっと喜ぶことでしょう。

【トリビュート】スタンリー・キューブリックへのオマージュ作品「モノリス」

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Monolith: A tribute to Stanley Kubrick from Shaun Pitz(Vimeo)  うーん、悪くないですがイマイチかな。映画『2010年』のモノリス増殖シーンみたいですね。まあ、何にしても製作されてから既に半世紀になろうかというのに未だにリスペクトされているっていうのはすごい事です。