【関連記事】『アイズ・ワイド・シャット』限定スペシャルプレミア試写会 トム・クルーズ&ニコール・キッドマン舞台挨拶レポート


『アイズ・ワイド・シャット』限定スペシャルプレミア試写会
トム・クルーズ&ニコール・キッドマン舞台挨拶レポート


1999年7月15日(木)19:00より東京国際フォーラム(有楽町)にて
通訳:戸田奈津子氏

 7月15日(木)、東京国際フォーラム(ホールA)にて『アイズ・ワイド・シャット』限定スペシャルプレミア試写会およびトム・クルーズ、ニコール・キッドマン両名の舞台挨拶が行われた。故スタンリー・キューブリックの意思により、プレス試写も公には行わないという完全秘密主義に徹したこの作品への期待は、3000分の1という確率にまで及んだ一般の応募数、当日会場に足を運んだ著名人の数、そして、TV、雑誌などのあらゆる媒体の取材の多さからも十分にうかがえた。

 18時、すでに開場前から行列をなしていた観客が、一斉に会場に入場してくる。同時に、著名招待客(武田真治、江川卓、大林宣彦、島田陽子、デーブ・スペクター、花村萬月、仲間由紀恵、手塚真ほか各氏)も続々と会場に姿を見せた。

 18時55分。トム・クルーズとニコール・キッドマンが入場。途端に場内は騒然となり、取材カメラマンのシャッターが一気に切られた。2人は、笑顔でカメラマンに答えていたが、突然、トム・クルーズが、ファンサービスからか、端の方で2人に歓声を送っていた観客のもとに歩み寄り、場内が一時、極地的パニック状態に陥る…という場面も。
19時、開始のベル。

司会者:「こんばんは。本日はようこそ、スタンリー・キューブリック監督作『アイズ・ワイド・シャット』限定スペシャルプレミア試写会においでくださいました。とにかく、限定スペシャルプレミア、普通の試写会とは違うんです。実は、アメリカでは13日に記者会見がありまして、14日にプレミア試写会がありました。ということは、皆様方が世界で2番目に一早くご覧になれる上映会なんです。それに、今日お出でのお客様方は、3000人の内の1人というこで応募の数も凄かったんです(場内どよめき)。ラッキーですよね~。そしてなんと、今日は、日本を代表する様々なジャンルの方々、文化人、芸能人、一杯いらしてますよね。そういう場で、一緒にこの『アイズ・ワイド・シャット』を観ていただくという幸せな時間。それからもう一つ。なんとここに、主演のニコール・キッドマンさんとトム・クルーズさん夫妻がお見えなんです。こんなにナイスなことってありません。ナイスといえば、トム・クルーズさんとニコール・キッドマンさんはここのところ、素晴しい体験の日々を送ってらっしゃいます。アメリカで記者会見なさって、プレミア試写会にも登場なさいました。会場には、そうそうたるハリウッドのスターの方々、監督、プロデューサーが一杯だったんです。ジョディ・フォスターに、ブラッド・ピットに、スピルバーグに、マーティン・スコセッシに、とにかく、言っていたら35分ぐらいかかるほど。それぐらいのメンバーが一杯いらっしゃいました。それが終わってすぐ、プライベート・ジェットに乗って日本にいらっしゃいました。到着してすぐ、記者会見でした。それが終わってすぐ、 10分刻みのスケジュールをこなして、そして、終わってまたすぐここに駆けつけたわけです。それで、明日の9時にはもう日本をお発ちになります。本当に忙しいですよね。でも、そのくらい皆さんのことを愛してらっしゃる。この『アイズ・ワイド・シャット』を心から観てほしいという気持ちの現れではないかなぁと思います。それでは、お迎えしましょうか。トム・クルーズ&ニコール・キッドマン!」

トム・クルーズ&ニコール・キッドマン登場。場内拍手と歓声。

司会者:「それでは、ニコール・キッドマンさんからのご挨拶です」

ニコール・キッドマン:「本日はお越しくだいまして本当にありがとうございます。まだ日本に着いたばかりでございまして、今回7年ぶりの来日になります。みなさんにハローを言いつつ、この映画に関して少しご説明したいと思います。『アイズ・ワイド・シャット』は、私たち2人がハートから作った映画です。私たちは3年間、この映画にかけました。そして、私たち2人にとって一番重要な映画になると思います。私はここで、良き友で監督でありましたスタンリー・キューブリックさんに、心からお礼を申し上げたい。今日、ここに彼と一緒に居られないことを本当に残念に思います。でも、私たちはキューブリックを愛し、そして、この映画を作りました。どうぞ皆様も楽しんでください。」

トム・クルーズ:「こんなに、たくさんの観客を見たのは、始めてです」

会場、拍手。

トム・クルーズ:「今晩ここに来れまして、みなさんと共にシェアーするということを、とてもエキサイティングに感じております。スタンリー・キューブリックについて、私は映画のことを色々と勉強しました。人生観、世界観といったものを、私の中でチャレンジした監督であります。彼はまた、いつも時代の先を行く監督でありました。人生で彼は、 13本の映画を作りました。その中の一本に出演できたという名誉、しかも、その中の最後の映画であるということに感銘を受けております。この映画は、彼の作品の中でもとてもパーソナルな感じの映画です。キューブリック監督は、この映画の構想を、なんと30年も練ってまいりました。この『アイズ・ワイド・シャット』をご覧になる皆様へ歓迎の意を申したい。本当にありごとうございました」

会場、拍手。

司会者:「トム・クルーズさんとニコール・キッドマンさんでした。ありがとうございました」

ゲスト退場。

 舞台挨拶終了後すぐに、2時間39分の大作『アイズ・ワイド・シャット』が上映された。独特の世界観と映像感覚にあふれたこの作品は、映画界の異端であったスタンリー・キューブリック監督の最後の映画にふさわしほどの雰囲気が漂うものとなっていたように思う。真相に興味のある方、公開の暁にはぜひ劇場へ。

 『アイズ・ワイド・シャット』は、7月31日より丸の内ピカデリー2、新宿ミラノ座ほかにて公開。

(引用:WERDE OFFICE




 懐かしいですね。もう15年経つんですね。さて、このプレミアム限定試写会ですが、管理人もこの会場に居ましたのでもう少し詳しいレポートを。と、言ってもクルーズが「キューブリック監督がもし生きていたらこの場所に来たがったはず」(クルーズは飛行機嫌いで出不精のキューブリックを知っている筈なので、これはリップサービスでしょう)いうコメントと、主役二人より前に出て、ご両人の真ん中で満面の笑みを浮かべていた戸田奈津子氏の相変わらずの目立ちたがり屋っぷりが酷かったくらいにしか憶えていませんが(笑。あとはよく言われる「クルーズちっちぇー、キッドマンでけー」でしょうか。芸能人もこんなにあの場所にいたのですね。全く気が付きませんでした。

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