【関連記事】「ミック・ジャガーを『時計じかけのオレンジ』の主役に」ビートルズらの嘆願書、競売に


  ザ・ビートルズの4人も署名した、ミック・ジャガーを『時計じかけのオレンジ』の主役にと訴える嘆願書がオークションに出品され、話題を呼んでいる。

 『時計じかけのオレンジ』はスタンリー・キューブリック監督、マルコム・マクダウェル主演の作品として1971年に公開されたが、もともとの映画化権はミック自身が500ドル(1967年当時のレートで約18万円)で原作者のアンソニー・バージェスから買い付けていて、それを映画プロデューサーのシー・リトヴィノフに譲ったものだった。

(以下リンク先へ:RO69/2015年10月24日



 ミック・ジャガーを『時計…』のアレックス役に推薦する嘆願書がオークションにかけられる記事の詳報がありましたのでご紹介。

 記事ではミック自身が『時計…』の映画化権を500ドルで買い付けたとなっていますが、『映画監督スタンリー・キューブリック』によるとバージェスはニューヨークの弁護士サイ・リトヴィノフとフィラデルフィアの服飾チェーンの重役マックス・ラーブに映画化権を売った、となっています。このサイ・リトヴィノフとシー・リトヴィノフが同一人物なのか、もしくは兄弟や親戚筋なのかわかりませんが、いずれにしてもバージェスにはあのストーンズのミック・ジャガーが映画化権を買ったと思わせないように画策していた事が伺えます。

 バージェスはたった500ドルで映画化権を手放していますが、その頃はかなり経済的に困窮していたのでしょう。ここでバージェスが小説『時計…』を売りたいがために最終章を編集者の要望に従って「付け加えた」のではないかという記事を書きましたが、この事実はそれを示唆するものです。

 結局キューブリックが監督する事になり、世界中で『時計…』は大ヒット。小説も売れまくり、本人も映画の宣伝でマスコミに出ずっぱり、その影響で仕事のオファーが殺到・・・となるのですが、それは同時に「暴力賛美映画だ」という大批判を一身に浴びる事にもなりました。その矛先をキューブリックに向けるために「最終章をカットしたキューブリックが悪い」などと言い出したのではないか、というのが私の推論です(詳細はこちら)。

 それにしてもそんな「ストーンズ映画」になるはずだった『時計…』のサントラを、ビートルズが担当するという話はどこまで本気だったんでしょう? というのも、当事の両者のファンの関係は最悪でしたから。特にストーンズファンはビートルズを「女子供の聴くバブルガム・ミュージック」と毛嫌いしていましたからね。でも実際はストーンズは優等生でビートルズの方がずっと不良だったというのは有名な話で「不良だったビートルズを優等生イメージで売り出したEMIに対抗して、優等生だったストーンズをデッカが不良イメージで売り出した」というビジネス上の事情でしかなかったんですが、当事の若者はそれで殴り合いまでしたそうですから(知り合いの当事者談)何とも熱い時代です。

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