【関連商品】『2001年宇宙の旅』のHAL 9000のようなデザインのファズ・ペダル、その名も「TMA-1 Fuzz」が登場


  映画『2001年宇宙の旅(2001: A Space Odyssey)』のファンにはたまらない名前とルックスの「TMA-1 Fuzz」は、4ステージ仕様のトランジスター・ファズ。2ステージ目と3ステージ目に歪み用のダイオードを2種類搭載し、トグル・スイッチの切り替えによって、バリエーション豊かなファズ・サウンドが得られるのが特徴です。3ポジションのトグル・スイッチは、上方向でゲルマニウム・ダイオード、下方向でシリコン・ダイオードが有効になり、真ん中はバイパスという仕様。このスイッチが2つ備わっているので(2ステージと3ステージ)、3×3で9通りの組み合わせを選択できることになります。加えて上部の3つノブでは、ボリューム、トーン、ゲインを調整することが可能。歪み量に応じて点灯する赤色のランプも備わっています。

 「TMA-1 Fuzz」の販売価格は199ドルで、出荷は2021年12月初旬を予定しているとのこと。さらなる詳細は、Acorn AmplifiersのWebサイトをご覧ください。

(引用:ICON/2021年10月16日




 まず「ファズ」とは何か?ということなのですが、エレキギターはアコースティック・ギターとは異なり、単体では音を出すことができません。ですのでシールドと呼ばれるコードでギターアンプに繋げて音を出すのですが、アンプは基本的には音を増幅する装置です(話をわかりやすくするためにそう説明させてください。汗)。では「バリバリ」という歪んだ音や「ワーン」というエコーなどの音色はどうするかというと、ギターとアンプの間に「エフェクター」という小型の装置を挟み(かませると言います)、その装置についているノブやスイッチを調節して音を「作る」のです。で、そのエフェクターにはいくつか種類があり、その中でも音をバリバリと歪ませる役割を持つものを「歪(ひず)み系」と言い、その歪みの程度によって大きく3種類に分かれます。軽い歪みの「オーバードライブ」、そこそこ歪む「ディストーション」、がっつり歪む「ファズ」。つまりこの「TMA-1」はギターの音をがっつり歪ませるファズの新製品、ということになります(ついてこれていますでしょうか・・・汗)。ファズ使いで有名なギタリストといえば何と言ってもジミ・ヘンドリクス。ジミヘンの動画をご覧いただければ、ファズの音がどんな音色なのかご理解いただけると思います。

 そんなファズの新商品になぜ『2001年宇宙の旅』のHALを模したデザインで、ネーミングはティコ・モノリスの正式名称TMA-1としたのか、ですが、前述したファズといえば、のギタリスト、ジミ・ヘンドリクスが活躍したのがちょうど『2001年宇宙の旅』の公開された1968年頃なんですね。つまり「その時代を象徴する音に、その時代を象徴する映画の意匠を拝借した」ということなんでしょう。そうではなく、赤い通電ランプがHALの「目」に見えただけ・・・という可能性もありますが、実はそっちの方が正解のような気がします(笑。そう言えば昔、「TMA-1」というヘッドホンも存在していました。こういう発想って、『2001年宇宙の旅』の影響力が衰えない限り、やっぱり今後も続いていくんでしょうね。

 その「TMA-1 Fuzz」については、詳しく紹介しているビデオがありましたので、下記に貼っておきます(音色の解説は3:44から)。ゲルマニウムとシリコンの組み合わせをご確認ください。にしてもこの商品、日本の楽器店で扱うんでしょうか?であればちょっと音出ししてみたですね。


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