【プロップ】『時計じかけのオレンジ』に登場したヌードテーブルの初期案やヌード自動販売機の画像







 画像は全て『フルメタル・ジャケット』25周年記念BDにパッケージされていたドキュメンタリー、『STANLEY KUBRICK'S BOXES』からのキャプチャになります。

 キューブリックはアレン・ジョーンズにデザインを断られた後(詳細はこちら)、リズ・ムーアにこのヌードマネキンの制作を託すのですが、当初はかなりリアル寄りだったことがこれでわかります。ポーズも採用されたものと異なりますね。キューブリックはここまで完成していても「ボツ」にしてしまったのですが、その理由は想像ですがやはり厳しいレイティングを嫌ってのことだったと思います。是が非でもX指定を免れたかったキューブリックは、より穏当な、マネキンに近いデザインを目指したのではないでしょうか。

 それは、ヌード自動販売機のスイッチに採用された「陰茎型スイッチ」にも見て取れます。当初のデザインはこれこれでした(リアルなので閲覧注意)。まあ、ここまで気を使っても結局はX指定だったわけですが、公開をいったん中断してまで再編集し、後に念願のR指定を勝ち取るわけですから(詳細はここで)、キューブリックってやっぱり執念深いと言うか諦めが悪いと言うか(笑。でもその「諦めの悪さ」が今に語り継がれる数々の名作を遺した一因でもあるので、ファンは文句言っちゃいけませんよね。

『時計じかけのオレンジ』に登場した「コロバ・ミルクバー」

コロバ・ミルクバーに置かれていた麻薬入りミルク自動販売機「ルーシー」



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