【関連動画】『アイズ ワイド シャット』に使用されたリゲティのピアノ曲『ムシカ・リセルカタ』全曲の演奏動画


 『アイズ ワイド シャット』で使用されたリゲティのピアノ曲『ムシカ・リセルカタ』(動画では『ムズィカ・リチェルカータ』)は「II」ですが、この動画の説明文によると「Mesto, rigido e cerimoniale / 悲しげに、粗く儀礼的に」とあります。11曲全曲通して聴くとそこまで難解な印象はありません。実はこの曲、1曲目が2音、2曲目が3音・・・というように使う音が増えていき、最後に12音全部使うというアイデアで構成されているのです。1曲目はドミナント(ラ)のみ弾き、最後にトニック(レ)を弾いて「今まで聴いていたのはドミナントだったのか!」と驚くという曲。2曲目は『アイズ…』で使われた曲ですが、まずはファとファ#の2音だけ使い、いきなり「ソ」を突っ込んでくるという曲。リゲティはこれを「スターリンの胸に突き刺すナイフ」と語っています。3曲目はC(ドミソ)とCm(ドミbソ)を繰り返すことによって諧謔性を表しているそう。あとはとてもわかりやすい解説動画がありましたので、こちらをご覧ください。絵画でも詩でも古戦場(!?)でもなんでもそうですが、知識があって摂取するのと、なくて摂取するのでは全然違いますね。ぜひ生演奏を聴いたみたいものです。

 ところでこの曲、サントラCDではドミニク・ハーランとクレジットされているのですが、それはピアノ演奏したのがドミニク(ヤン・ハーランの次男)というだけであって、作曲したのはリゲティです。誤解を招きやすい表記なので間違わないようにしましょう。

TOP 10 POSTS(WEEK)

【考察・検証】『アイズ ワイド シャット』は、なぜクリスマスシーズンの物語なのか?を検証する

【関連動画】『2001年宇宙の旅』の未公開シーンとセット画像を集めた動画と、クラビウス基地で登場したハンディカメラをニコンがデザインしたという説明の信憑性について

【オマージュ】King Gnu(キング・ヌー)の新曲『一途』のMVがとっても『2001年宇宙の旅』だった件

【ブログ記事】NHK『映像の世紀~バタフライエフェクト~映像プロパガンダ戦 嘘と嘘の激突』で紹介されたプロパガンダ映画『ユダヤ人ジュース』とキューブリックとの「接点」

【インスパイア】とっても『2001年宇宙の旅』な、旧ソ連謹製SF映画『モスクワ-カシオペア(Москва – Кассиопея)』

【パロディ】映画版『バービー』の予告編がまるっきり『2001年宇宙の旅』でどう反応して良いのやら(汗

【関連記事】映画ファンが「こんな世界絶対嫌だ…」と絶望する!オススメの「ディストピア映画」10選

【関連書籍】忘れ去られた『2001年宇宙の旅』のもうひとつの原典、アーサー・C・クラーク『地球への遠征』

【オマージュ】MV全編がまるっきり『時計じかけのオレンジ』な、コットンマウス・キングス『Stomp』のMV

【パロディ】まるっきり『時計じかけのオレンジ』のアレックスのファッションをしたマーク・パンサーが登場するglobeの『genesis of next』