【ロケーション】『シャイニング』の迷路を歩くウェンディとダニーを、ジャックが模型の中に幻視するシーンが撮影された高層マンション「カンタベリー・ハウス(Canterbury House)」


 『シャイニング』が撮影されていたエルスツリー・スタジオのすぐ近くにある「カンタベリー・ハウス」という高層マンション。その駐車場に迷路の中央部のみのセットが組まれました。そこをシェリーとダニーが歩き、それをマンションの上層階から撮影、その映像を中央部をくり抜いた模型の映像と合成し、あの摩訶不思議なシーンが作られたそうです。確かによく見ると、実写と模型と合成部分がなんとなくわかりますね。でもパースを正確に合わせなければ違和感が出てしまいますので、かなり微調整を繰り返したのではないかと思います。

 このシーンは小説にはない映画オリジナルですが、キューブリックが特撮や特殊メイクに頼らず、「映像の違和感」で恐怖を演出しようとしたのは、ルック社のカメラマン時代から「ストレートな表現」を好んだことにルーツがあると思います。確かに『2001年宇宙の旅』では特撮を多用しましたが、どれも特撮の技術水準を極限まで高めたもので、特撮による技巧には走りませんでした。キューブリックは「技術」には頼るが「技巧」には頼らないのです。それは『シャイニング』でも同様であるし、そのことはスティーブン・キングのTVドラマ版『シャイニング』と比較すればよく理解できます。キングの『シャイニング』は安易に「技巧」に走ってしまった失敗例と言えるでしょう。

 ・・・まあ、それなら北米版にある、あの「骸骨パーティー」はなんだったんだ?という話なんですが(笑。あのシーンはギャレット・ブラウンも批判していましたね。

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