【関連動画】ジョン・オルコットのドキュメンタリー『Six Kinds of Light John Alcott』で、『シャイニング』の撮影について語るシェリー・デュバルのインタビュー

The 18 and the tube Jack Nicholson and I would just cringe every time we heard him say okay give me the 18 in the tube and we were getting so disappointed it makes furniture look great but for face I don't think it does too well. We were begging for a 50,75 my god a 75.

But it was very head to make us look good I think Stanley used the to make us look just slightly distorted which is a little bit more frightening.And for Jack who was going slowly mad.And for me god knows why I mean when we cry I think it always can be bizarrely distorted.I think it's like crying looking into a mirror that's distorted.And that's what the 18 did for us.

John tried his best.John Alcott you tried incentive and put in a word for us a couple of times saying.Danny, why don't give him over a 50 at least, you know I would try to 50 on this one.Everybody know.

 ジャック・ニコルソンと私は、スタンリーが「18mm(レンズ)をセットしろ」と言うのを聞くたびにそわそわして、家具はよく見えるけど、顔にはあまり効果がないんじゃないかとがっかりしていました。私たちは、50mm、75mm、75mmをお願いしていました。

 でも、スタンリーがそれを使ったのは、私たちを良く見せるためではなく、ほんの少し歪んで見えるようにするためだったようです。そのほうが少し怖いです。それは、徐々に狂っていくジャックのためにも。 そして私にとって、なぜかわかりませんが、私たちが泣くとき、いつも奇妙に歪んでいるように見えるのです。歪んだ鏡を見て泣いているようなものだと思うんです。それが18mmが私たちに与えた効果です。

 ジョンはベストを尽くしました。 ジョン・オルコットは懸命な努力をし、何度も私たちに言葉をかけてくれました。ダニーは、なぜ50mm以上を使わないの?50mmを使ってあげてって。 みんな知ってたの。

(引用:上記動画 18:41~19:50)



 1982年に制作された『Six Kinds of Light John Alcott』というジョン・オルコットの特集番組で、インタビューに応えるシェリー・ディバルのコメント全文です。内容はキューブリックがチョイスしたレンズについての不満を述べています。18mmとは焦点距離のことで、焦点距離が短いと広角に、長いと望遠に映ります。広角はインタビューにある通り広い範囲を映せますが、映像が歪んでしまいます。望遠は歪みは少ないですが映る範囲が狭いです。いわゆる標準レンズと言われるのは50mmで、これは人間の視覚に最も近いと言われています。俳優は自分の顔が歪んで映ってしまうのを好みません。50mmで美しく撮って欲しいというのは当然の要求です。でもキューブリックはホテル室内の空間を感じさせたいのと、顔を歪ませて狂気の表情を誇張するためにその要求を無視し、あえて18mmを使い続けたそうです。そんな大人たちの空気を察して幼いダニーまでが「50mmを使ってあげて」と言っていたというのは微笑ましいですね。

 ステディカム・オペレーターとして参加したギャレット・ブラウンは、広角レンズは水平をきちんとキープしないと歪みがひどくなると、カメラを動かしながら広角で撮影する難しさを語っていました。その18mmを多用した効果は『シャイニング』では存分に感じ取ることができます。まさに「キューブリックの画」というインパクトを与えてくれます。シンメトリー写真を撮って「キューブリックみたい」とSNSに上げる人をたまに見かけますが、広角を使わないと単なるシンメトリーでしかありません。ですので、この記事を読まれた方はキューブリックと同じ18mmレンズを入手してシンメトリー写真を撮ると、正真正銘のキューブリックごっこが楽しめます。ぜひお試しを。

TOP 10 POSTS(WEEK)

【関連記事】イラストレーター、フィリップ・キャッスル(スタンリー・キューブリック監督作品のポスターデザイナー)へのインタビュー

【台詞・言葉】ハートマン先任軍曹による新兵罵倒シーン全セリフ

【考察・検証】キューブリックはなぜ『2001年宇宙の旅』の美術デザインを手塚治虫に依頼したか?また、もし参加していればどうなっていたか?を検証する

【考察・検証】作品タイトルを『短期除隊兵(ショート・タイマーズ)』から『完全被甲弾(フルメタル・ジャケット)』に変更したキューブリックの真意とは

【関連動画】元ポリスのギタリスト、アンディ・サマーズによる『2001年宇宙の旅』の続編『2010年』の『ツァラトゥストラはかく語りき』

【関連動画】4K UHD『時計じかけのオレンジ』とDVD、BDの画質を比較した動画

【パロディ】『時計じかけのオレンジ』のルドヴィコ療法の被験者にさせられたアニメキャラのみなさまのまとめ

【関連書籍】戸田奈津子 金子裕子著『KEEP ON DREAMING』で語った、『フルメタル・ジャケット』翻訳家降板事件の戸田氏の言い分

【関連動画】ウィリー・ボボによる『2001年宇宙の旅』の『ツァラトゥストラはかく語りき』ラテン・アレンジ・バージョンの動画。MCはジェームズ・アール・ジョーンズ

【考察・検証】『アイズ ワイド シャット』の儀式・乱交シーンについてのスタッフの証言集[その1]儀式シーンのリサーチについて