【ロケーション】キューブリック作品が製作された撮影地一覧(概略)

在りし日のMGM英国スタジオ。現在は「Panattoni」という倉庫会社の倉庫になっている

 ●『恐怖と欲望』(1952)

ロケーション:サンフランシスコのサン・ガブリエル山脈
拠点:ロサンゼルス

●『非情の罠』(1955)
ロケーション:ニューヨーク市内
拠点:ニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジ

●『現金に体を張れ』(1956)
スタジオ:ハリウッドのチャーリー・チャップリン・スタジオ(※閉鎖)
ロケーション:ロサンゼルス市内
拠点:ハリウッド

●『突撃』(1957)
スタジオ:ミュンヘンのガイセルガスタイク・スタジオ
ロケーション:ダッハウ(戦闘シーン)
拠点:ハリウッド

●『スパルタカス』(1960)
スタジオ:ユニバーサル・スタジオ
ロケーション:スペインのデヘサ・デ・ナバルビラー(大規模戦闘シーン)
拠点:ハリウッド

●『ロリータ』(1962)
スタジオ:ABPCスタジオ(現エルスツリー・スタジオ)
ロケーション:イギリス南部、アメリカ東海岸
拠点:ニューヨーク、ロンドン

●『博士の異常な愛情』(1964)
スタジオ:シェパートン・スタジオ
拠点:ニューヨーク、ロンドン

●『2001年宇宙の旅』(1968)
スタジオ:シェパートン・スタジオ、英国MGMスタジオ(※閉鎖)、エルスツリー・スタジオ
拠点:ニューヨーク、ロンドン

●『時計じかけのオレンジ』(1971)
ロケーション:ロンドン市内、イギリス南部
拠点:ロンドン

●『バリー・リンドン』(1975)
ロケーション:アイルランド、イギリス南部
拠点:アイルランド、ロンドン

●『シャイニング』(1980)
スタジオ:エルスツリー・スタジオ
拠点:ロンドン

●『フルメタル・ジャケット』(1987)
ロケーション:ロンドン市内、イギリス南部
拠点:ロンドン

●『アイズ ワイド シャット』(1999)
スタジオ:パインウッド・スタジオ
ロケーション:ロンドン市内、イギリス南部
拠点:ロンドン

 おおまかな流れとして、ニューヨークで映画づくりを始めたキューブリックはハリウッドに進出するが、『スパルタカス』で経験したハリウッドの様々な制約を避けるために拠点をニューヨークに移してロンドンで撮影、しばらくはニューヨークとロンドンを行き来(客船で)する生活になる。『時計じかけのオレンジ』で完全にロンドンに拠点を移し(ニューヨークの治安悪化、娘たちの教育の問題もあったらしい)、以降はロンドンに定住する・・・と理解しておけば良いでしょう。

 一般的にキューブリックは「引きこもり」と言われるのですが、それはロンドン北部のアボッツ・ミードに定住した頃、『時計…』の上映騒ぎで脅迫されてからで(アボッツ・ミードへの引っ越しは『2001年』製作時)、それまではニューヨーク、ロンドン、ハリウッドを行き来する生活でした。キューブリックはこの三つの街を比較して「映画製作ならハリウッドがベストだが、住みたくはない。ニューヨークはロンドンに劣る」「ロンドンはセカンドベスト」と評しています。

TOP 10 POSTS(WEEK)

【インスパイア】『2001年宇宙の旅』のHAL9000に影響されたと思われる、手塚治虫『ブラック・ジャック』のエピソード『U-18は知っていた』

【関連記事】キューブリックは『時計じかけのオレンジ』のサントラにピンク・フロイドの『原子心母』の使用を求めたがロジャー・ウォーターズが拒否した話をニック・メイソンが認める

【関連記事】撮影監督ギルバート・テイラーが『博士の異常な愛情』の撮影秘話を語る

【関連記事】英誌『Time Out』が選ぶ「映画史上最高のベストセッ●スシーン50」に、『アイズ ワイド シャット』がランクイン

【関連記事】抽象的で理解の難しい『2001年宇宙の旅』が世に残り続ける理由

【台詞・言葉】ハートマン先任軍曹による新兵罵倒シーン全セリフ

【オマージュ】キューブリックの孫、KUBRICKの『MANNEQUIN』のMVがとっても『時計じかけのオレンジ』だった件

【台詞・言葉】『フルメタル・ジャケット』でのハートマン軍曹の名言「ダイヤのクソをひねり出せ!」のダイヤとは「●ィファニーのカフスボタン」だった件

【関連記事】2021年9月30日に開館したアカデミー映画博物館の紹介記事と、『2001年宇宙の旅』の撮影プロップ展示の画像

【インスパイア?】「白いモノリス」らしき物体が登場するピンク・フロイド『ようこそマシーンへ(Welcome to the Machine)』の公式MV