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 今年2月に急逝したダグラス・トランブルが登場する、SF映画『フォース・プラネット』のメイキング・ドキュメンタリーです。CG氾濫の昨今、このように「あえてミニチュアモデルで映画を作りたい」と考える若い映画製作者の出現は非常に心強いものがあります。トランブルもその心意気を買ったのでしょう。

 水槽に液体を垂らして未知の宇宙空間を表現したり、ディテールにこだわったモデル制作など『2001年宇宙の旅』で用いられた方法がここでも使用されています。トランブルが「予想外の現象が起きてもそれを受け入れる。プログラマーが設計するCGなどアルゴリズムでは不可能だ。想定内の出来事しか起きない。自分の予想を超えたときすばらしい映像が撮れる」と語っているところは非常に印象的です。キューブリックはそれを「マジック(魔法)」と呼びましたが、『2001年…』でもスターゲートの水槽のシーンはロンドンで再び試みられたものの、マンハッタンで作った映像には及びませんでした。これは「マジック」が足らなかったのでしょう。

 『フォース・プラネット』は現在アマゾンプライムで視聴できるそうなので、この若いスタッフの挑戦の結果を知りたい方はご覧になってみてはいかがでしょうか。視聴はこちらからどうぞ。

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