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【関連動画】ソニー公式がアップロードした『博士の異常な愛情』の字幕付き予告編

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 特別版DVDやBDに収録されている『博士の異常な愛情』の予告編に字幕を付けた動画をソニー公式がアップしていましたのでご紹介。  この予告編を制作したのは、オープニング・シークエンスも担当したパブロ・フェロ。キューブリックは当初アーサー・リプセットにオファーしていたのですが断られてしまったために、当時CMディレクターをしていたパブロ・フェロにオファー。ものの見事にキューブリックの期待に応えたのでした。BGMやナレーションは『Dr. Strangelove and the Fallouts: Love That Bomb』が使用されています。  ところで予告編最後の「月曜日、もしくは再来週の木曜日。もしくは日、水、金、火、土曜日に見てください」ってどういう意味なんでしょう・・・?当時のギャグか何かなんでしょうか?謎です。

【関連記事】ギャレット・ブラウン講演会~カメラを人間の目の感覚に近づけ続けてきた人生

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記事内で紹介されているステディカムのデモ映像。モデルの女性はギャレット・ブラウンの奥さん(当時はガールフレンド)  10月6日、ナックイメージテクノロジーにおいて、ステディカムの開発者であり、オペレーターであるギャレット・ブラウン氏の講演会が開催された。ギャレット・ブラウン氏の来日は39年ぶりとのこと。このたび日本でステディカム・ゴールド・ワークショップが開催され(レポートはこちら)、それに合わせての来日になる。ステディカムの登場は映像史に残るエポックメイキングな出来事であり、その証言を聞こうと多数の来場者が詰めかけけた。聴衆は大半が映画やテレビのカメラマンなど映像撮影関係者だった。(主催:銀一) 〈中略〉 「ロッキー」から「シャイニング」そして100以上の映画につながっていく  「ロッキー」は60万ドルの低予算映画で、スタローンは自分で書いた脚本で、自分が役者としても入りたかったから、役者代ももらわなかったほどだった。  もちろんこの「ロッキー」は大成功をおさめるのだが、その2年後の「シャイニング」は、ギャレットさんは「私にとってのマスタークラス」だったという(もちろん、彼一流のジョークが半分)。つまり、スタンリー・キューブリックは映像へのこだわりが半端ではなく、1つのテイクで40も50も繰り返すので、まさにワークショップのような撮影になってしまったというのである。体力的には大変そうに思えるが、実は3分のテイクで3分のプレイバック、そして3分の口論の時間があり(笑)、ちゃんと休む時間があったから楽だったという。  「シャイニング」で庭にある巨大迷路のなかでダニー(子供)を追いかけるシーン。実は雪のシーンだが、実際は1000Wのライトが照らされた40度のセットで、木についているのは雪ではなく発泡スチロール、地面は塩、ミストはオイルスモーク。迷路のシーンを撮るのに3か月もかかったという。本当の迷路なので、この中でセットが火事になったら焼け死ぬ可能性もあったと振り返った。  「シャイニング」は一年のプロジェクトだった。 〈以下略〉 (引用: VIDEO SALON/2018年10月23日 )  『シャイニング』で印象的に使用されたカメラ・スタビライザー(安定装置)「ステディカム」の開発者、ギャレット・ブラウンが来日して講演したそうなのですが、その内容の記事がありましたの...

【インスパイア】1984年5月に発表された12インチシングル曲、ニュー・オーダーの『Murder』で、『2001年宇宙の旅』のリゲティとHALがサンプリングされている件

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 1980年代イギリスのニュー・ウェイブ、もしくはポスト・パンク(現在では「オルタナ」というカテゴリーで語られることが多いでしょうか?)を代表するロックバンド、ニュー・オーダー。そのニュー・オーダーが1983年に発表したセカンドアルバム『Power, Corruption & Lies』(『権力の美学』の邦題が一般的)の発表後、1984年5月にベルギーのみでFACTORY BENELUXよりリリースされた、12インチシングル曲『Murder』に、『2001年宇宙の旅』のリゲティとHALがサンプリングされているのでご紹介。ニュー・オーダーは熱心なファンではなかったので、この情報は知りませんでした。確かにリゲティの『レクイエム』と、HALの声が聴こえてきますね。  このニュー・オーダーは『ウルトラヴァイオレンス』でも『時計じかけのオレンジ』を引用しています。今更語るまでもないですが、ロック史にその名を残す、錚々たるミュージシャンやアーティストにキューブリックは引用されまくっています。以前「映画ファン的にはキューブリックは基礎教養ではないか?」ということを書きましたが、ロック(音楽)ファンにとっても、もはや避けて通ることのできない映画監督だと思っています。まあ、そんなこと私が改めて指摘するまでもなく、ミュージシャンやロック(音楽)ファンにキューブリックファンは多いのは周知の事実ですね。

【スペシャルレポート】東京・京橋の国立映画アーカイブにて開催中の『ポスターでみる映画史 Part 4 恐怖映画の世界』に行ってきました

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写真撮影は入口のコーナー(第1章)のみ可 ●概要 会場:国立映画アーカイブ 展示室(7階) 会期:2022年12月13日(火)-2023年3月26日(日) 開室時間:11:00am-6:30pm(入室は6:00pmまで) *1月27日と2月24日の金曜日は11:00am-8:00pm(入室は7:30pmまで) 休室日:月曜日および12月27日(火)~1月3日(火)は休室です。 観覧料:一般250円(200円)/大学生130円(60円)/65歳以上、高校生以下及び18歳未満、障害者(付添者は原則1名まで)、国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズは無料 *料金は常設の「日本映画の歴史」の入場料を含みます。 *( )内は20名以上の団体料金です。 *学生、65歳以上、障害者、キャンパスメンバーズの方はそれぞれ入室の際、証明できるものをご提示ください。 *国立映画アーカイブが主催する上映会の観覧券(オンラインチケット「購入確認メール」またはQRコードのプリントアウト)をご提示いただくと、1回に限り団体料金が適用されます。 主催:国立映画アーカイブ ・マスク着用のない方の入館をお断りします。 ・来館者全員に検温を行います。37.5℃以上の方は入館をお断りいたします。  誕生から120年以上のあいだ、映画は見る人にさまざまな感情を呼び起こしてきました。中でも、「恐怖」は人々を抗いがたく引きつけてきました。スクリーンに現れる異形の怪物、人間の心の闇を暴くサイコホラー、あるいは鮮烈な映像表現で綴られる超常現象と、映画は幅広い形で観客に恐怖を提供してきたのです。日本においても、無声映画の時代から怪談文化と結びついた時代劇映画が数多く作られてきただけでなく、1990年代以降は「Jホラー」と呼ばれる作品群が生み出されるなど、恐怖映画は今なお大きな存在感を放ち続けています。  シリーズ「ポスターでみる映画史」の第4回となる「恐怖映画の世界」は、国立映画アーカイブのコレクションを中心に、映画草創期から連綿と作り続けられてきた恐怖映画のポスターを取り上げる展覧会です。『カリガリ博士』といった古典から、ダリオ・アルジェントらのイタリアン・ホラー、『ジョーズ』などのパニック映画、そして日本の怪談映画やJホラーの最新作まで、観客を怖がらせ楽しませてきた諸作品の系譜をたどります。工夫の凝らされたポス...

【インスパイア】とっても『2001年宇宙の旅』なモニタ画面が登場する、椎名林檎 の『JL005便で ~Flight JL005~ (B747-246 Mix by Yoshinori Sunahara) / 砂原良徳』のMV

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 椎名林檎の新しいMV『JL005便で ~Flight JL005~』(砂原良徳リミックス)がとっても『2001年宇宙の旅』だったのでご紹介。  この曲は現在発売中のリミックスアルバム『百薬の長』に収録されていて、MVの監督は児玉裕一氏が担当。椎名林檎は以前も宇多田ヒカルとのコラボ曲『二時間だけのバカンス』で『2001年宇宙の旅』インスパイアMVを制作していますが、調べてみるとこのMVの監督も児玉裕一氏。よっぽど『2001年…』がお気に入りなんでしょうね。

【スペシャルレポート】国立映画アーカイブで上映された35mm版『バリー・リンドン』を鑑賞してきました。

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上映会場入口で当時のポスターがお出迎え  2023年1月15日、12時から東京・京橋の国立映画アーカイブ小ホールで上映された、35mm版『バリー・リンドン』を鑑賞してきました。  アスペクト比はキューブリック指定のヨーロッパビスタで、もちろんワーナーロゴもソウル・バスがデザインした当時のものです。フィルムの状態は傷や汚れが目立つ箇所もあり、色彩の退色もありました。もちろんこれらは「公開当時のフィルムで鑑賞しているという価値」を感じさせるもので、むしろメリットと言えます。そんなことを感じながらフィルムで見続けていると、映像ソフトやTVオンエア、配信時の不自然なまでの「彩度上げ」に猛烈な違和感を感じるようになってきました。特に、画面自体が発光する液晶テレビでの視聴は、『バリー・リンドン』の古色蒼然とした空気感を台無しにしているように思えます。  もちろん、作品は作品自体を視聴していただかない限りは価値がないものなので、お手軽に過去の名作を視聴できる現在の環境は喜ぶべきことではあります。ですが、薄型フルHDテレビ普及時(2010年代)にあった「過度な鮮明映像競争」は映像ソフト、特にBDに悪い影響を与え、元ネガの色調を過度に「彩度上げ」に補正してしまい、その作品の本来の価値を損ねているように感じます。この『バリー・リンドン』でもそれは同じで、本作のBDは色調の不自然さはもちろん、アスペクト比がキューブリックの意図したヨーロッパビスタではなく16:9でトリミング、オープニングロゴも雰囲気をぶち壊すメタリックデザインと、とても「作品愛」を感じさせる商品ではありません。  その「過度な鮮明映像競争」の反省からか、現在は元ネガの色調を尊重するという方向にシフトしています。それは日本未発売のクライテリオン版『バリー・リンドン』の評判の良さからも伺えます。ただ、このクライテリオン版は日本語字幕未収録なので、マニアな方以外にはなかなかオススメづらい商品ではあります。であれば、まだブラウン管テレビでの視聴を想定していた頃のDVDの方がお勧めできるでしょう。解像度は720ピクセルですが、フルサイズのネガサイズで収録されていて、色調もBDほど極端な「彩度上げ」ではありません。DVD版にはデジタルリマスター前と後のバージョンがありますが、もちろんお勧めはデジタルリマスター版です。中古市場で安価に...

【関連記事】ジョン・レノンとオノ・ヨーコのかつてのパーソナルアシスタント 2人について逸話を語る

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ジョンの写真を撮るダン・リクター。後ろにはヨーコの姿も  1969年から1973年まで、ジョン・レノン(John Lennon)とオノ・ヨーコ(Yoko Ono)のパーソナルアシスタントとして一緒に生活し、一緒に仕事をしていたダン・リヒター。2人について、英デイリー・テレグラフ紙で語っています。  現在83歳の俳優でパントマイマーのリヒターは、1968年のスタンリー・キューブリック監督の名作『2001年宇宙の旅』のオープニングシーンにも出演しています。  リヒターがヨーコと初めて会ったのは1964年の東京でした。当時、2番目の夫である映画プロデューサー兼アートプロモーターのアンソニー・コックスと結婚していたヨーコはリヒターと最初の妻ジルとロフト・スペースをシェアしていました。その後も、リヒターとジルはヨーコとの友情を保ち、1969年の夏にジョン・レノンとヨーコがロンドン郊外の家ティッテンハースト・パークを購入した後、レノンとヨーコと一緒に住むことになりました。 〈以下略〉 (引用: amass/2023年1月4日 )  ダン・リクター(リヒター)は『2001年宇宙の旅』で猿人の「月を見るもの」を演じていますが、そのリクターはジョンやキューブリックよりも先にヨーコと知り合っていたのですね。そういえばヨーコはパフォーマンス・アーティストでした。ヨーコとは東京で共通の友人を通じて出会ったそうですが、パントマイマーであるリクターとは同じパフォーマーとして意見があったのかもしれません。ジョンとヨーコの出会いの経緯は有名なので省きますが、その後ジョンとヨーコは恋人同士になり、その関係からジョンの邸宅「ティッテンハースト・パーク」に取り巻きとして住むようになったようです。  邸宅でリクターはカメラマン(主に記録係)として働いていて、名曲『イマジン』のPV、名盤『ジョンの魂』のジャケ写もリクターによるものです。リクターはジョン&ヨーコがニューヨークに引っ越した後、1973年頃に別れたらしいですが(失われた週末で別居した頃?)、ジョンのニューヨーク時代はドキュメンタリー『ジョン・レノン、ニューヨーク』に詳しいです。そこには「愛と平和」どころか「セックス&ドラッグ&ロックンロール(おまけに浮気に別居)」な悪童ジョン・レノンの姿が生々しく語られていますので、興味の...

【パロディ】1986年の大ヒット曲、ジェネシスの『ランド・オブ・コンフュージョン』のMVに『2001年宇宙の旅』のパロディ?

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 いや、この曲もMVも当然知ってはいたのですが、「骨を投げたら電話の受話器に」のシーンははっきりと覚えていなかったです。そういえばあったかな~?という程度ですね。  それもこれも当時MVを流す番組が乱立し、しかも限られた時間内で多くのアーティストを採り上げなければならない関係上、ほとんどフルバージョンで流れなかったんですね。フルは『ソニー・ミュージック・TV』ぐらいだったと記憶しています。その証拠にマペットになったメンバーや、レーガン&ナンシー夫妻、カダフィ大佐などははっきりと覚えていますので。  それにしてもこの頃の「フィル・コリンズのジェネシス」ってロック史的にどのような評価なんでしょうか?ジェネシスと言えば五大プログレッシブバンドの一角としてピタガブ時代ばかり語られているような気がします。1980年代はピンク・フロイドやイエス、ジェネシスなど1970年代のベテランプログレバンドがこぞってポップ化(産業ロック化)し、やたらヒットを飛ばしていましたが、2020年代の現在、この時代のプログレバンドについて語られる機会は懐メロ以外ほとんどないような・・・。1980年代がリバイバルブームになっていると言われて久しいですが、『混迷の地』と歌いながら、どこかボジティブでバカっぽくてカネの臭いがする(良くも悪くもキラキラしていた)のはこの時代ならではです。この「臭い」を感じさせてくれないと「Back to The 80's」と言われても「違うんじゃね?」と、リアルタイム世代の管理人は思っちゃいますね。

【TV放映情報】2023年は『2001年宇宙の旅』で幕開け。2023年1月1日(日)午後7時よりBS 8Kでオンエア

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NHK BS8K『8K完全版 2001年宇宙の旅』 <字幕スーパー><レターボックスサイズ> 映画史にさん然と輝く、巨匠スタンリー・キューブリック監督の傑作SF映画。70ミリで製作された超大作のオリジナル・ネガをもとに8K化し、修復を行った8K完全版。 1968年、当時最高のクオリティーを誇る70ミリフィルムで製作・公開されたSF超大作を、オリジナル・ネガをもとに8K化し、色彩や傷などの修復を行った8K完全版。謎の物体モノリスと人類との出会い、宇宙船ディスカバリー号の木星への旅など、知的好奇心に満ちた物語と、巨匠スタンリー・キューブリック監督の圧倒的な映像美が、8Kによって細部まで鮮明によみがえる。今なお最高のSF映画とされる映画史上の傑作。 【監督】スタンリー・キューブリック,【出演】ケア・ダレー,ゲイリー・ロックウッド,ウィリアム・シルベスター,【脚本】スタンリー・キューブリック,アーサー・C・クラーク <20:27.38-20:30.23 インターミッション> (引用: NHKホームページ )  もう何度目かわからないBS8Kでの『2001年宇宙の旅』のオンエアです。年末年始に『2001年』がオンエアされることは過去も多かったのですが、8K版が登場してから通常のBSシネマではオンエアしてくれなくなりました。おそらく8K普及を狙ったNHKの戦略的判断だと思いますが、やっぱりBSで気軽に観たいです。  ところで川崎のチネチッタで 「<ザウンドレボリューション 2022-23>『2001年宇宙の旅』<特別興行>」 と題して大晦日に再上映があったそうです。やっぱり年末年始は『2001年…』ですね。