【考察・検証】『非情の罠』と『裏窓』の類似点
キューブリックの商業映画デビュー作となった『非情の罠』ですが、当時全盛だったヒッチコック先生の影響はモロ。光と影の使い方や、サスペンスの盛り上げ方、サウンドトラックに至るまで、その影響は散見されます。興行的成功を目論んで、ポスターもご覧の通り。
まあ、ポスターと悪漢やヒロインの顔が全然違うのは突っ込まないであげるとして、当時若干27才のキューブリックの青さっぷり、いいじゃないですか。でもその後、そのヒッチコック先生と同じく、何故かアカデミー賞には振られっぱなしって事になろうとは・・・。憧れた対象が悪かったのか?それとも類が友を呼んだのか??どうなんでしょうか?
因に、キューブリックはヒッチコックの「映画的手法」は真似たにせよ、「映画に対するスタンス」は対極。会話のウィットやシチュエーションの面白さを重視するのヒッチコックと、淡々とした会話とドキュメンタリー的なクールさが特徴のキューブリック。
「映画界の下積みから監督へ」と「写真誌のカメラマンからニュース映画を経て監督へ」の違いと言えばそれまでですが。