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【TV放映情報】NHK BSプレミアムシネマで2月26日(水)午前0:05より『フルメタル・ジャケット』オンエア決定

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 「フルメタル・ジャケット」 鬼才スタンリー・キューブリック監督が、ベトナム戦争を舞台に、殺人兵器へと変貌していく新兵たちと過酷な戦場を痛烈なユーモアと迫力の演出で描く傑作戦争映画。サウスカロライナ州の海兵隊訓練基地で、鬼教官ハートマンの地獄の特訓を受ける新兵たち。人間性をなくすことを求められ、追い詰められていくうち、不器用な劣等生レナードは精神に異常をきたしてしまう。やがて新兵たちはベトナムの戦場へ送り込まれていくが…。 作品情報 放送日時:2月26日(水)午前0:05~午前2:03 内容時間:1時間58分 (原題:FULL METAL JACKET) 〔製作・監督・脚本〕スタンリー・キューブリック 〔原作・脚本〕グスタフ・ハスフォード 〔脚本〕マイケル・ハー 〔撮影〕ダグラス・ミルサム 〔音楽〕アビゲイル・ミード 〔出演〕マシュー・モディン、アダム・ボールドウィン、ヴィンセント・ドノフリオ、R・リー・アーメイ ほか (1987年・アメリカ)〔英語/字幕スーパー/カラー/レターボックス・サイズ〕 (引用: NHK BSプレミアムシネマホームページ )  『フルメタル・ジャケット』は民放のBSやCSの映画番組で割とよくオンエアされていますが、NHK BSでオンエアされることはあまりなかったか、ひょっとしたら初めてかもしれません。少なくともこのブログの記録にはありませんでした。  コンプライアンスが声高に叫ばれる現在、ハートマン軍曹の罵詈雑言や猥褻なセリフがNHKの放送倫理規定にひっかかる可能性がありますが、それと同時に制作者(特に故人)の意思も尊重されるべきという認識も広く定着するに至りました。この二律背反な状況でNHKがどんな判断をするのか非常に興味がありますが、深夜帯ということを考えれば何事もなかったかのようにそのままオンエアするか、「制作者の意図を尊重しそのまま放送いたします」というテロップが表示されてから本編が始まるという対応が一番現実的ではないかと思います。  まさか字幕の一部を伏せ字にするとか、当たり障りのない訳に変更するとかしないとは思いますが、そうなればそうなったで「盛り上がる」ので(苦笑)オンエアを楽しみに待ちたいと思います。 情報提供:崎環さま

【上映情報】「午前十時の映画祭15」で『2001年宇宙の旅』『時計じかけのオレンジ』上映決定!!

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 「午前十時の映画祭15」はリクエスト特集として、2024年8月31日(土)まで特設サイトか郵送で上映作品のリクエストを募集しました。その結果約7万票が集まり、以下の順位になりました。 第1位 バック・トゥ・ザ・フューチャー 第2位 タイタニック 第3位 2001年宇宙の旅 第4位 ニュー・シネマ・パラダイス 第5位 七人の侍 第6位 サウンド・オブ・ミュージック 第7位 レオン 完全版 第8位 アマデウス 第9位 風と共に去りぬ 第10位 E.T. 第11位 時計じかけのオレンジ 第12位 羊たちの沈黙 第13位 エイリアン 第14位 ショーシャンクの空に 第15位 トップガン 第16位 砂の器 第17位 ローマの休日 第18位 シザーハンズ 第19位 パルプ・フィクション 第20位 ターミネーター2 (引用: 午前十時の映画祭/お知らせ ) この結果を踏まえ、上映作品を事務局が選定。そして『2001年宇宙の旅』(4回目)、『時計じかけのオレンジ』(2回目)の上映が決定いたしました!!この2作品は入れ替え制で、『2001年…』はグループAの劇場で2026年1月30日(金)~2月12日(木)、グループBの劇場で2026年2月13日(金)~2月26日(木)、『時計…』はその逆となっています。  『2001年宇宙の旅』は初の4K上映です(IMAXは特別上映だったので例外)。今までは2KでしたがそのDCPは画質や音質などあまり状態が良いとは言いがたく(かなり初期のDCP)、今回も2Kならスルーするつもりでした。ところが今回は4K。ソースはおそらくIMAXと同じ8Kスキャンデータだと思われます。それをビスタサイズに加工し、上下レターボックスで下の黒味に字幕を表示させるのだと思います(違っていたらすいません)。つまりスクリーンサイズが大きければ大きいほど視聴条件が良いということになりますので、上映劇場を選べる首都圏や関西圏の方は上映スクリーンをご確認の上、視聴劇場を決定することをおすすめいたします。なお上映時間はインターミッション(休憩)入りの150分。薄暗い中で流れるリゲティの『アトモスフェール』もお楽しみいただけます。これは期待大ですね。  一方の『時計じかけのオレンジ』は2Kですので前回(2019年)と同じDCPです。人気作品のため休日の回は満員が予想されますの...

【関連記事】『2001年宇宙の旅』1968年公開、スタンリー・キューブリック監督の叙事詩的SF。その先見性に驚く

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スタンリー・キューブリック監督の叙事詩的SF  「2025年、年初に何を見る?」思った時に思いついたのが、『2001年宇宙の旅』だった。  1968年に公開されたスタンリー・キューブリック監督の叙事詩的SF。60年近い歳月がたった今でも「名作」と呼び名が高い作品だ。正直に告白するが、私は約60年の人生で既に2回、この作品を見ようとして挫折している。  しかし2025年を迎えた時、『2001年宇宙の旅』を見たいという、強烈な思いにとらわれた。断片的な記憶が私の脳裏に蘇り、全容を知らずにいられなくなった。そもそも私の大好きな『スパルタカス』を撮ったスタンリー・キューブリックの作品。今回はイケるんじゃないかという予感を抱き、私は夫と共にこの作品を見た。そしてやっと私はこの作品に痺れ、思った。「映画史に残る名作だよ!!」と。 〈以下略〉 (引用: 婦人公論.jp「映画評論 さかもと未明のシネマニア」/2025年2月11日 )  さかもと未明氏による『2001年宇宙の旅』の感想文です。あくまで「感想」ですね。この方1965年生まれということなんですが、「子どもの頃から大の映画好き」という割には内容が浅く、薄いな、という印象。アーティストを名乗る(自称する)ならこの作品の摂取は常識だと思っていたのですが、そういう意味でも残念なテキスト。一般的な中高生ぐらいの感想なら微笑ましいと思えるんですけどね。  終盤、木星の引力圏に引き込まれて落下していくデヴィッド船長が見るイメージは、死の前に見る走馬灯だろうか?   解釈は人それぞれでいいんですが、それはストーリーを正しく理解していることが前提です。上記引用にようにそれがおぼつかないと、解釈も意味不明なものになってしまいます。『2001年…』で語られる誤解の多くは「ストーリーを正しく理解していないこと」に起因しています。さすがにキューブリックもそれはマズいと思ったのか、折に触れて「最低限のプロット説明」と前置きをしつつ、 ストーリーの説明 をしています。  そのストーリーが示唆する意味や意義、哲学や思想については各自が自由に考えれば良いことだ、とキューブリックは語っています。それを「ストーリーは自由に解釈して良い」と曲解している人のなんと多いこと。残念ながらこのさかもと未明氏もその中の一人ということになってしまっていますね。  

【関連記事】手塚治虫『惑星ソラリス』『2001年宇宙の旅』を激賞する

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『惑星ソラリス』(1972)と『2001年宇宙の旅』(1968) 配給会社の思惑で『2001年…』とは何も関係がないにも関わらず、勝手に『2300年未来への旅』(1976)という酷い邦題にされた『Logan's Run(ローガンの脱出)』 『2001年宇宙の旅』の美術監督をオファーされた漫画の神様、手塚治虫 SF映画の魅力  今年はSF映画の年だなんていうんで、ずいぶん期待していたのに、上半期はロクなのがこない。  ただひとつ、これは、『Apache』を買う金があったらみにいってちょうだいよ。いや、 間違い。『Apache』を買って映画へいこう。ソ連製SF映画「惑星ソラリス」だ!  これはもう、NHKのニュースセンター9時でも紹介したくらいだから、みたがっている人が 多いだろう。残念なことに特殊な配給方法なので、東京、大阪など大都市以外の地方館では上映しないようだ。この映画の、なんてったってみどころは、あの主役のナタリヤ・ボンダルチュク。 このコの演技がまず、アカデミー賞もの。  このコの役は、ハリーという、死んじまった若い人妻の役。この人妻そっくりに、得体の知れ ないものが化けて、スーッと現れるのだ。そして主人公の男に惚れちまって寝ようってわけなんだが、亡き妻そのままの姿に、男は気味悪がって逃げの一手。  まといつこうとする、にせハリーの執念がすさまじい。金属のドアを手でブチやぶって、血だらけになって出てくるのだ。ついに彼女は液体酸素を飲んじまって、そり返ってのたうちまわって、凍ってしまう。  いやなんとも、こんなものすごい女優の演技は、めったにお目にかかれないよ。  この「惑星ソラリス」、どうも、アメリカSF映画「2001年宇宙の旅」をひどく意識してつくったみたい。そういうわけで、いよいよ来春再公開がきまった「2001年―」 には、みていないヤング諸君も、もうゼツ大の期待をもっていてほしい。  さっきぼくが、今年はSF映画の年なのにロクなのがこないといったのは、実は、「2001年―」が今年の夏に封切られるハズになっていたのに、都合で来年にまわされたから、いよいよヤケクソ気味なのだ。というのは、この春に、題名のまぎらわしい「2300年未来への旅」 なんていうのが封切られてしまったせいだという説がある。「2001年―」に比べれば「2300年―」は、やはり、格...