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アーサー・ロシュタインが撮影した17歳のキューブリック。当時まだ目は悪くなかったはずで、メガネはふざけてかけたものだと思われる 〈前略〉 キューブリックの写真スタイル ルック誌のカメラマン見習いとして働き始めた最初の6か月間、キューブリックは同誌のより経験豊富なカメラマンから指導を受けた。その指導者の1人がアーサー・ロスシュタインだった。1978年のインタビューでロシュスタインは「年配のカメラマンにとって仕事で得られる最大の満足感は、若いカメラマンが何かを達成するのを手助けすることです。私はキューブリックがルック誌の専属カメラマンだった初期の頃、彼を助けました」と語っている。 フォトエッセイ ロシュスタイン の著書「フォトジャーナリズム」によると、この雑誌には6段階のフォトエッセイ制作プロセスがあった。写真家は、写真編集者からストーリーを割り当てられると、プロセスの第3段階に参加することになる。写真家はアイデアを提案できるが、通常は自分の能力と好みに基づいてフォトストーリーが割り当てられる。 プロセスの第4段階では、写真家とライターが現場に出向き、記事用の写真を撮影します。 撮影現場に出発する前に、写真家は編集者と撮影内容について話し合い、撮影台本を含む被写体に関する情報を受け取ります。 ルックは、作家が写真家と協力して物語を完全に理解することが重要だと信じていました。作家は視覚的に考えるよう奨励され、脚本を準備する際には、写真家が物語を捉えるのに役立つ主題や設定に関する情報をすべて盛り込むように指示されました。 この雑誌は、写真家たちに、表現力豊かな孤立した写真ではなく、フォトエッセイや物語性のある連続写真の制作を求めていました。原稿から逸脱することが頻繁にあったため、写真家たちは柔軟に対応する必要がありました。 この撮影アプローチは、キューブリックの映画人生を通じて貫かれました。後のインタビューで彼は「最後の瞬間に適応できること」と、たとえ脚本の弱点が露呈することになったとしてもチャンスを活かすことが重要だと語っています。 報道を受ける ロスシュタイン の本では、撮影範囲の重要性についても触れています。『ルック』は実際の記事よりも写真に重点を置いており、キューブリックを含むスタッフカメラマンは、雑誌の美術部門に記事のレイアウトに幅広い選択肢を...