【関連記事】音楽を怖がってください。『シャイニング』『2001年宇宙の旅』『アイズ・ワイド・シャット』・・・巨匠キューブリックが愛した恐怖クラシック
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左からバルトーク、リゲティ、ペンデレツキ |
「別に怖い音楽を書いたわけじゃないんだけどね?」という作曲家たちの声が聞こえてきそう。なぜか、ホラー映画御用達の現代音楽。巨匠キューブリックは、バルトークやリゲティ、ペンデレツキといった作曲家を愛し、偏執的に映画の中で用いました。とっつきにくいと思われがちな現代音楽、こうなったら「怖がる」楽しみ方はいかがですか⁉
キューブリック・ファンに嬉しいプレイリスト付きでご紹介します。
〈以下略〉
(引用:ONTOMO/2018年8月13日)
少し古い記事ですが、目に留まったのでご紹介。キューブリックがバルトーク、リゲティ、ペンデレツキを使ったのは「無調音楽」の匿名性、つまり主役のメロディがあってないような音楽なので、BGMではなく効果音的な使い方ができるということもあったかと思います。逆にメロディがどっしり主役を張る音楽は、特定のシーンに意図的に使うことで、ある種のメッセージを伝えようとする場合が多いです。(こう書くと特定の曲が思い浮かぶ方も多いはず)
キューブリックの自宅には図書館ほどの膨大なレコード・ライブラリーがあり「これほどたくさんの曲があるんだから、いろいろと使ってみないといけない」と語っていたそうです。使用する音楽は撮影中に思いついたりすることもあったようですが、やはり編集中にあれこれ試しては最適な曲を選び出していたようで(もちろん選んだ曲が100%使えるわけではない。使用許可が下りない場合もある)、それはそれは「楽しい作業」だったのだと思います。(キューブリックは編集作業が大好き)
記事では『2001年宇宙の旅』でのリゲティの「無許可使用」にも触れていますが、キューブリックがリゲティの使用を決めたのは公開直前のことで、その時はリゲティと連絡が取れなかったそうです。やむなく無許可で使用したところ(キューブリックはそれだけどうしてもリゲティを使いたかったのでしょう)、後でそれを知ったリゲティは「私の曲をハリウッド映画に使うなんて!』と大激怒!(当時は映画音楽は低く見られていた)無許可使用も相まって訴訟問題に発展するのですが、『2001年…』が画期的な傑作と評価されるようになると態度も軟化、後に無事に印税も支払われ、後のインタビューではキューブリックやその作品について好意的に語っています。(記事にはここまで書いて欲しかった)
では「無調音楽」とは何なのか、は記事の説明がわかりやすいですね。プレイリストもおすすめです。