【関連記事】米誌「過大評価されているアカデミー賞受賞作18本」を発表

 アカデミー賞といえば映画界最高の栄誉と言われているが、過去に作品賞を受賞した作品の中には、実は、首を傾げたくなるものも少なくない。米エンターテインメント・ウィークリー誌は、第84回アカデミー賞授賞式を記念して、これまでに作品賞を授与された映画のなかで、過大評価されていると思われる作品を選出。昨年作品賞を受賞した「英国王のスピーチ」や「アメリカン・ビューティー」「恋におちたシェイクスピア」といった近年の作品から、「わが谷は緑なりき」「マイ・フェア・レディ」「80日間世界一周」などの「名作」まで、計18作品を挙げている。

 ちなみに、以下はエンターテインメント・ウィークリー誌が選んだ過大評価作品と、その選考理由。

「わが谷は緑なりき」(41)……「市民ケーン」に勝ったという事実は、いまだに犯罪行為といえる

「地上最大のショウ」(52)……時代遅れで、陳腐でナンセンス。なのに、「真昼の決闘」に勝っている

「80日間世界一周」(56)……ジェームズ・ディーンの「ジャイアント」が取るべきだった

「マイ・フェア・レディ」(64)……「博士の異常な愛情」が取るべきだった

「わが命つきるとも」(66)……「バージニア・ウルフなんかこわくない」のほうがずっとまし

「オリバー!」(68)……救いようがないほど古くさくて凡庸。同年には「2001年宇宙の旅」と「ローズマリーの赤ちゃん」という傑作があったのに、ノミネートすらされていない

「普通の人々」(80)……もっとも許せないのは、「レイジング・ブル」を負かしたという事実。これまでのアカデミー賞の歴史のなかで、もっとも理解に苦しむ選考

「炎のランナー」(81)……これが「レッズ」や「レイダース 失われたアーク《聖櫃》」より優れた映画だって?

「ガンジー」(82)……ベン・キングズレーは素晴らしい。でも、同年の「E.T.」や「トッツィー」のほうが良いと思わない?

「愛と哀しみの果て」(85)……「蜘蛛女のキス」「女と男の名誉」といった凡庸なライバルに救われた

「ラスト・エンペラー」(87)……フラッシュバックが多いとはいえ、映像的には魅了してくれる。しかし、主人公が退屈きわまりない

「ダンス・ウィズ・ウルブズ」(90)……「グッドフェローズ」が、この長ったらしくて説教臭いケビン・コスナーのエゴ丸出し映画に負けたとは

「フォレスト・ガンプ」(94)……ひどい映画というわけじゃない。でも、「パルプ・フィクション」を負かしたことが許せない

「イングリッシュ・ペイシェント」(96)……正直に答えてほしい。もう一度見るとしたら、この映画とコーエン兄弟の「ファーゴ」とどっちを選ぶ?

「恋におちたシェイクスピア」(98)……「プライベート・ライアン」よりもいい映画だって? 50年後も語り継がれているのは、どっちの映画だと思う?

「アメリカン・ビューティー」(99)……1999年のトップ10を選ぶなら、「マルコヴィッチの穴」「インサイダー」「マトリックス」「シックス・センス」「マグノリア」「スリー・キングス」「ボーイズ・ドント・クライ」「女子高生ギャルに気をつけろ!」「ファイト・クラブ」。サム・メンデス監督のこの映画はトップ10にも入らない

「クラッシュ」(05)……「ブロークバック・マウンテン」が取るべきだった

「英国王のスピーチ」(10)……良く出来た時代劇だが、過去50年のあいだいつ公開されても良かった映画。現代を反映した「ソーシャル・ネットワーク」が取るべきだった

(引用:映画.com ニュース/2012年3月4日



 記事のタイトルを見て大体予想がつきました。まあ、そうですよね。特別キューブリックのファンじゃなくてもそう思います。アカデミー賞は不可解な選考がまかり通る不可解な賞ですから、こういった不満が出て当然。日本のマスコミは業界とグルになってやたらアカデミー賞を持ち上げるだけで、問題提起なんてしようともしないですからね。こういった記事が出るだけアメリカのマスコミの方がマシです。

 まあ批評や批判精神を一切放棄し、業界にひたすら迎合しゴマをする日本のマスゴミなんぞに期待する方が時間のムダ。昔は舌鋒鋭い批評家がいましたが今じゃどっちを向いても太鼓持ちだらけ。ネットの口コミや個人のブログの方がよっぽど信頼が置けます。

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