【インスパイア】ボブ・ディランが『ロリータ』にインスパイアされて書いた曲?『女の如く(Just Like a Woman)』



上がボブ・ディランが描いた絵。下がその元になったキューブリックの『ロリータ』のワンシーン。あまりの一致度にトレースを疑ってしまう

 2016年にノーベル文学賞を受賞した(個人的にはとても「的外れ」だとは思いますが)世界的ミュージシャンでアーティストのボブ・ディランは、絵も描くことが知られていて、ザ・バンドの名盤『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』や、自身のアルバム『セルフ・ポートレイト』のジャケットでその筆致を見ることができます。2010年には東京・六本木で絵画展が開催されました。そのディランが2016年にキューブリックの『ロリータ』のワンシーンを描いた作品が上記になります。また、その『ロリータ』についてもラジオ番組でナボコフの小説やキューブリックの映画版の『ロリータ』が気に入っていた旨を語ったそうです。

 となると、名盤『ブロンド・オン・ブロンド』(1966)に収録された曲『女の如く(Just Like a Woman)』の歌詞を、がぜん興味深く聴くことができるようになります。

Nobody feels any pain
Tonight as I stand inside the rain
Everybody knows
That Baby’s got new clothes
But lately I see her ribbons and her bows
Have fallen from her curls
She takes just like a woman, yes, she does
She makes love just like a woman, yes, she does
And she aches just like a woman
But she breaks just like a little girl

誰も痛みを感じない
今夜僕は雨の中に立っていても
誰もが知っている
あの娘が新しい服を買ったことも
でも最近、あの娘の巻き毛から
リボンやタイがなくなったのを知った
あの娘はまるで女のように、そうさ
あの娘はまるで女のように愛し合う、そうさ
そして、あの娘は女のように痛がる
だけど、あの娘は少女のように傷つく

この曲、wikiには

1965年ツアー中の感謝祭の日に書かれたバラードで、アンディー・ウォーホールの「ファクトリー」に所属していたイーディ・セジウィックのことを歌ったとも、フォーク・シンガーのジョーン・バエズのことを歌ったとも言われている。

と書かれていますが、歌詞を読むと小説『ロリータ』のワンシーンそのままです。雨の中(キューブリックの映画版では雨は降っていない)、家を飛び出したロリータをハンバートが追いかけ、学校を辞めて旅に出ることを約束するシーンです。つまり、キューブリックの映画版ではディランが描いた上記の絵のシーンになります。歌詞全部を読んでみても、主人公の「僕」は「あの娘」に振られてしまうことから、『ロリータ』そのままであることが伺えます。

 管理人はディランについては詳しくないので、『女の如く』の元ネタ(パクリと言うほどではないと思います。ミュージシャンが小説や映画にインスパイアされて曲を書く例はそれこそゴマンとあります。)が『ロリータ』であるとディラン自身が言及しているかどうかまでは知りません。つまり直接それを示すソースはありませんのであくまで推察・推論の域を出ないものであることはご承知おきください。まあ、ディラン本人が『ロリータ』が好きであると公言していて、映画版の絵まで描いていること。リリースされた時期(『女の如く』は1966年、キューブリックの『ロリータ』は1962年)や、ディランの創作物には剽窃が多いことが指摘されていることなどを考えると、かなり確度は高いのではないかと思っています。

▼この記事の執筆に当たり、以下の記事を参考にいたしました。

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