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英Total Film誌が、原作を超えた映画50本をランキングした。
第1位に選ばれたのは、フランク・ダラボン監督がスティーブン・キングの中編小説「霧(原題:The Mist)」を映画化した「ミスト」(2007)。激しい嵐が過ぎ去った町に不気味な深い霧が立ち込め、住民たちは身動きが取れなくなってしまう。やがて霧の中に潜んだ正体不明の生物が彼らを襲いはじめ……。
「ミスト」の原作とは異なる衝撃のラストには、原作者キングも称賛を送っている。また、見たあとに落ち込む鬱映画の傑作としても広く知られている。
ベスト20までは以下の通り(タイトルのあとは原作者名。映画と異なる場合のみ原作邦題を付記)。
- 「ミスト」(2007)/スティーブン・キング「霧」
- 「きみに読む物語」(2004)/ニコラス・スパークス
- 「The Painted Veil(原題)」(2006・日本未公開)/サマセット・モーム「五彩のヴェール」
- 「ダイ・ハード」(1988)/ロデリック・ソープ
- 「ティファニーで朝食を」(1961)/トルーマン・カポーティ
- 「ファイト・クラブ」(1999)/チャック・パラニューク
- 「ミーン・ガールズ」(2004)/ロザリンド・ワイズマン「Queen Bees and Wannabees」(邦訳なし)
- 「ジュリー&ジュリア」(2009)/ジュリア・チャイルド自伝&ジュリー・パウエルの同名原作
- 「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」(2007)/J・K・ローリング
- 「ジュラシック・パーク」(1993)/マイケル・クライトン
- 「プラダを着た悪魔」(2006)/ローレン・ワイズバーガー
- 「ノーカントリー」(2007)/コーマック・マッカーシー「血と暴力の国」
- 「L.A.コンフィデンシャル」(1997)/ジェームズ・エルロイ
- 「ジョーズ」(1975)/ピーター・ベンチリー
- 「羊たちの沈黙」(1991)/トマス・ハリス
- 「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」(1964)/ピーター・ジョージ「破滅への二時間(赤い警報)」
- 「トゥモロー・ワールド」(2006)/P・D・ジェームズ「人類の子供たち」
- 「ロード・オブ・ザ・リング」3部作/J・R・R・トールキン「指輪物語」
- 「サイコ(1960)」/ロバート・ブロック
- 「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」(2009)/スティーグ・ラーソン
『ミスト』ですか。個人的にはあんまり評価していませんけど。まあミステリーの犯人の双子オチとか、登場人物が全員死亡で終了に似た禁じ手ですね。キングは「思いつかなかった」と言って賞賛しているみたいですが。
キューブリック作品では『博士の異常な愛情』がランクイン。原作の『破滅への二時間(赤い警報)』は確かに小説としては真面目すぎてあまり面白くないですね。文章が固いというか、キャラがあまり立っていないというか。まあ、原作者のピーター・ジョージは小説家と言っても元イギリス空軍中尉で、素人に毛が生えた程度でしかなかったですからしょうがないですけど。この原作から映画にするにはキャラを立てる必要があるので、キューブリックがあのようなブラック・コメディに改変したのはある意味当然の成り行きだったのかも知れませんね。
個人的には・・・えーと、真面目な戦争SF小説を変態脳味噌チューチュー右翼(揶揄)映画にしたポール・バーホーベンの『スターシップ・トゥルーパーズ』を挙げておきます。これこそまさしく「原作超え」ですね(笑。