【ブログ記事】『2001年宇宙の旅』で猿人「月を見るもの」を演じたダン・リクターは、1970年代始め、ジョン・レノン&オノ・ヨーコ夫妻と共同生活を送っていた

ジョンの写真を撮るダン・リクター。後ろにはヨーコの姿も

 『2001年宇宙の旅』で猿人「月を見るもの」を演じたダンは、猿人のシーンの撮影終了後も異星人を演じるために撮影所に留まっていましたが、キューブリックがそれを断念した後は俳優仲間や音楽関係者と共に、ジョン・レノンが購入した南イングランドのアスコットにある「ティッテンハースト・パーク」に移住しました。要するにダンはジョンとヨーコの「取り巻き」の一人だったのです。そして1971年にダンは撮影監督としてプライベート・フィルム『イマジン』(1988年に公開されたドキュメンタリー映画『イマジン』ではない)の制作に参加(出演もしている)。ジョンとヨーコは1971年8月までここに住み、その後ニューヨークに引っ越しました。ダンは1973年に二人と別れたそうです。

 ジョン・レノンは「『2001年…』毎週見てるよ!」と語ったそうですが、まあそれはおそらく冗談だったのだと思います。ですが、猿人を演じたリクターがすぐそばにいたことを考えれば、ダンの解説付きで何回かは観ていたのかも知れません。ジョンが映像制作にも多大な関心を寄せていた事実から、『2001年…』がジョンの「イマジン」を刺激したのは容易に「イマジン」できますが、直接的な影響はあまり感じられません。まあ、『2001年…』は当時のヒップなアーティストがこぞって観ていたわけですから、ジョンもその中の一人、という程度の認識で良いと思います。

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