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【関連記事】週間明星 1962年10月7日号に掲載されたスー・リオンの来日時のインタビュー

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1962年9月10日の来日時のカラー記事(週間明星 1962年10月7日号)。昭和37年の日本でこのスタイル・ルックスなら相当可愛いと思う 結婚なんてしたくない! 来日した“ロリータ娘”スー・リオン  “ベン・ケーシー”とのロマンス説で大騒ぎされた16歳女優スー・リオンが、主演映画『ロリータ』宣伝のため初めて日本にやってきた。『ロリータ』といえば有名な背徳映画。中年男との異常な愛欲生活にふける美少女を演じたスー・リオンにインタビューして、ナゾに包まれた彼女の私生活をのぞいてみるとー ー映画のロリータみたいに中年男とカケ落ちしたいと思ったことは… 「一度もないわ。私たちティーンエイジャーはあんまり年のちがわない子としか付き合わないもの。相手にするなら、せいぜい25どまり。私なんか19以上の男の子とデートしたことないわ」 ー女優になって一番うれしかったのは… 「お金がたくさん入ったこと。こんなに早く大金を稼ぐ方法って、ほかにはないわね。私は7年契約したから、安心して家にいる。これが一番うれしいわ」 ー学校のほうは… 「去年ハイスクールをやめてから、個人教授で勉強してるの。歴史、文学、フランス語、地理、お裁縫…生理(※生物のこと?)も習ったけど、カエルの解剖なんて私大嫌い。動物はみんな可愛いのにネ」 ー金髪がとてもきれい… 「もともとは淡い褐色だったの。でもテレビの役が欲しくて染めちゃったのよ。金髪だけど、ベビー・ベージュといってちょうだい」 ーパパがいないんですって? 「私が生まれて10ヶ月目に死にました。あとはずっとママが働いて育ててくれたのよ。姉妹は5人。兄、姉が3人。私は末っ子」 ー自慢にしているものは… 「ピンクと白で統一したベッドルーム。それからクルマ、16になったから免許証取ったのよ」 ーボーイフレンドいる? 「いるわよ。でも私、映画スターになる気だから、結婚して子供生もうなんて考えたくないわ。もし結婚して、家庭と女優が両立しなくなったら、やっぱり家庭に入るけど、そんなことにならないほうがいいなァ」 ー『ロリータ』の中年男になるジェームス・メースンは…? 「なんだかパパみたい。でも間違って恋をしてもいいナと思うくらい、魅力的ね。恋愛は年じゃないでしょ、16でオトナの人もあれば、50すぎてもまだコドモの人もいる…。だけど私は若い人じゃなくっちゃイヤ」 ーじゃあ...

【関連記事】ミック・ジャガーに『時計じかけのオレンジ』出演を求めるビートルズのサイン入り嘆願書が競売に

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嘆願書の実物   ザ・ビートルズのメンバーのサインが入った、ミック・ジャガーに『時計じかけのオレンジ』に出演するよう求める嘆願書がオークションに出品されるという。  『時計じかけのオレンジ』はアンソニー・バージェスによる小説で、1971年にスタンリー・キューブリックによって映画化されたが、その前に『博士の異常な愛情』の脚本を手がけたテリー・サザーンによって映画化の可能性について取り組まれていたという。 報道によれば、ミック・ジャガーは役柄に興味があったということで、主人公のアレックスを演じてほしいという嘆願書が作られることになった。ザ・ローリング・ストーンズの他のメンバーが「仲間のギャング」となり、サウンドトラックをザ・ビートルズが手がける予定だったという。 この嘆願者には、ザ・ビートルズの4人全員のサインやマリアンヌ・フェイスフルのサインなどが入っている。アートやデザインのオークションを手がける「パドル8(https://paddle8.com/)」を通してオークションに出される予定で、18000ドル(約215万円)から25000ドル(約300万円)の落札額が見込まれている。 (引用: NME JAPAN/2015年10月18日 )  この嘆願書が書かれた時期は記事では明らかではありませんが、『時計じかけのオレンジ』の映画化は1960年代半ばから検討されていて、監督はケン・ラッセルやジョン・シュレシンジャーの名前が挙がっていました。キューブリックはテリー・サザーンにもらっていた原作小説を忙しさのあまり2年半ほど放置し、『2001年宇宙の旅』の後『ナポレオン』を企画するも一旦中止に追い込まれ、1970年頃にやっと読んで映画化を決めたという経緯があります。  ビートルズは1966年夏にライブを辞めてスタジオミュージシャンに移行していたので、映画のサントラなんかもやってみたいと思っていたのかも知れません。まあこの頃のビートルズはイケイケどんどんだったので、なんでもかんでもノリだけで首を突っ込んでいただけのような気がします。結局彼らは1967年にTV映画『マジカル・ミステリー・ツアー』を製作、TV放映しサントラも発表していますが、そこでちゃっかり『博士の異常な愛情』の空撮を流用しちゃっています(その記事は こちら )。後日談として『ザ・コンプリート・ビートルズ』と...

【関連動画】レオナルド・ディカプリオが日本のTV番組で披露したジャック・ニコルソンの顔マネ

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  最近、日本のテレビでレオナルド・ディカプリオがジャック・ニコルソンの顔マネをして話題になっていましたが、その動画がありましたのでご紹介。  あの独特の「睨み」がそっくりですね(笑。特に眉の部分が。イケメンのディカプリオがこれだけ似ていると言うことは、ジャック・ニコルソンも間違いなく「イケメン」ですね。

【ブログ記事】ビートルズのTV映画『マジカル・ミステリー・ツアー』の『フライング』で使用された映像は『博士の異常な愛情』の空撮のアウトテイク

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  以前「ビートルズのTV映画『マジカル・ミステリー・ツアー』の『フライング』で使用された映像は『博士…』の空撮のアウトテイク」という記事を書きましたが、IMDbの『マジカルミステリーツアー』のトリビアの項目に「アップルのプロデューサー、デニス・オデルは、『フライング』のシーンについて、スタンリー・キューブリックの映画『博士の異常な愛情』(1964)から、いくつかのアウトテイクを使用しました。 (著書『At the Apple's Core』で言及)」とありました。流用の主犯はアンドリュー・バーキンではなく、どうやらデニス・オデルのようです。当時まだ若かったバーキンは、その使い走りにさせられただけかもしれません。確かに比較するとよく似てますね。それにモノクロフィルムにカラーフィルターをかけた映像っぽいので、『博士…』で間違いないでしょう。

【ブログ記事】『シャイニング』のラストシーンで使用された古いパーティーの合成写真について

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スタンリー・キューブリック・アーカイブズに保管されているジャック・ニコルソンの合成用写真 合成の手法を紹介した書籍『The Complete Airbrush and Photo-Retouching Manual』に合成前の写真が掲載されている    『シャイニング』のラストシーンでアップになった1921年の独立記念日のパーティー写真は、既存の古いパーティー写真にジャック・ニコルソンの写真を合成したものであることは、キューブリック自身が説明していましたが、その合成用のジャック・ニコルソンの切り抜き用写真はロンドン芸術大学内にあるスタンリー・キューブリック・アーカイブスに保存されています。また、合成する前の元ネタの写真が下記の書籍に掲載されています。この書籍は1985年に出版された『The Complete Airbrush and Photo-Retouching Manual』という写真合成やレタッチのノウハウを紹介した本で、その一例として『シャイニング』のパーティーの合成写真が採り上げられているのです。  まあ、今となってはフォトショップで簡単に、しかも高精細に仕上げることができますので全く価値のない本ですが、当時は印画紙に画像を焼き付け、文字通り「切って貼る」しか方法はなく、その境目を自然に消すためにエアブラシが用いられていました。ニコルソンの写真のバックがグレーなのは、輪郭に沿って切り抜きをしやすくするためですね。そうして切り貼りした印画紙を再度フィルムで撮影、それを印画紙に焼き付ければ切り貼りの段差のない、一枚の合成写真ができあがる、という寸法です。  因みに元になったパーティーの写真は1923年に撮られたものだそうです。

【ブログ記事】1994年10月にスー・リオンがキューブリックに宛てた手紙と写真

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  親愛なるスタンリー  あなたに届くかどうかわからないから、長い手紙にはならないでしょう。何から書けばいいのでしょう? さて、私はもうスー・リオンとは名乗っていません。この10年間幸せな結婚生活を送り、今はスーリン・ラドマンと名乗っています。私はリチャードという素晴らしい男性と結婚しています。彼は放送技術者です。彼はここロサンゼルスの二つの大きな放送局のチーフエンジニアです。私たちの結婚はまるで夢のようで、私はとてもとても幸せです。  私はほとんどの時間をガーデニングや家の手入れに費やし、私たちの素晴らしいジャーマンシェパードドッグ、パックスと遊び、トレーニングしています。  あなたが受け取ってくれるかどうかわからないのに、この手紙を書くのは本当につらいことです。この手紙を書くのは本当に大変です。私はよくあなたのことを考え、あなたがどうしているか、幸せかどうかを考えます。  私の人生は今、とてもシンプルなものです。そして、私はそれが好きなのです。私はいつも、唯一の理由はそれだと信じています。私が成功したのは、あなたのおかげだと。  私たち夫婦の最近の写真を送りますので、あなたに届きますように。もし届いたら、お返事をください。クリスティアーヌとあなたに愛を込めて。すぐに連絡が来ることを願っています。 スーリン(スー)  内容は近況報告とキューブリックへの感謝が綴られています。この時期、スーはラジオ・エンジニアのリチャード・ラドマンとの結婚10年目で、とても幸せな様子が伺えます。「もうスー・リオンとは名乗りません」とし、スーリン・ラドマンとしています。そんな結婚生活も結局は2002年に破局するのですが。(詳細は こちら )  この1994年という時期は、それまで4回も結婚と離婚を繰り返した挙句にやっと相手にも恵まれ、スーにとって最も幸せな時期だった事はまちがいないでしょう。それに経済的にもビデオ化された『ロリータ』からそれ相応のギャランティがスーの懐を潤していたはず。「私の成功の理由はあなたがいたから」なんて殊勝な事を書いているところを見ると、そんな近況が読み取れます。「私の人格崩壊は『ロリータ』から始まった」などと言っていたのに随分な変わりようですね。それは手紙の最後を「お便り待ってます」で結ぶあたりにも伺えます。  実際にキューブリックが返信を書いたかどう...

【考察・検証】キューブリック版『シャイニング』でオーバールック・ホテルに巣食う悪霊の正体とは

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ネイティブ・アメリカンの意匠で飾られた『シャイニング』のコロラド・ラウンジ  キューブリックの映画版『シャイニング』では、ホテルに巣食う悪霊の正体が「過去にこの土地を聖地としていたネイティブ・アメリカン(インディアン)の怨霊」となっています。今回はそれを示すシーンや台詞を集め、この事を証明したいと思います。 ジャックがダニーに「ドナー隊の悲劇」に付いて教える。 現支配人のアルマンがジャックに「このホテルはネイティブ・アメリカンの聖地で墓地の上に建っている」と説明する。 ホテルの外観が山小屋風で、どことなく西部開拓時代(ネイティブ・アメリカンにとっては搾取・侵略)を思わせる。 ホテルには壁面やカーペットの柄など、ネイティブ・アメリカンの意匠があちこちに飾られている。 ウェンディの髪型やセーターの柄がネイティブ・アメリカン風である。 ジャックが禁酒を破る酒が「ジャック・ダニエル」である。 ジャックが「白人の責務」に言及する。 ジャックやグレイディがハロランを「ニガー」と呼び、白人優位主義で人種差別的である事が示唆される。 ハロランがウェンディに説明する食料倉庫にカルメット缶のネイティブ・アメリカンのラベルが見えるように置いてある。このカルメット缶はジャックが倉庫に閉じ込められたシーンで重要な意味を持って再登場する。 ジャックが使う凶器が斧(トマホークはネイティブ・アメリカンの象徴)である。 ジャックが写る写真の日付が1921年(禁酒法時代)のアメリカ独立記念日(ネイティブ・アメリカンにとっては土地を奪われた屈辱の日)である。 ネイティブ・アメリカンの飾りからテニスボールが突然飛び出してくる(このシーンは初公開版には存在したが、思い直したキューブリックによってすぐカットされた)  以上のように、このホテルに巣食う悪霊の正体がネイティブ・アメリカンの怨霊である事は明確に示されています。また、霊が白人ばかりなのは、ネイティブ・アメリカンにとってヨーロッパから渡って来た白人達はすべて忌むべき存在だからです。  キューブリックは典型的なアメリカ白人男性が持つ、過去の苛烈な白人至上主義と、現在でも心の奥底に潜んでいるその人種的偏見、そしてかつてネイティブ・アメリカンを迫害したという負い目を巧みに利用し、「ネイティブアメリカンの悪霊によって白人が惑わされ、狂わされ、殺し合いをする」と...