【関連記事】ミック・ジャガーに『時計じかけのオレンジ』出演を求めるビートルズのサイン入り嘆願書が競売に
ザ・ビートルズのメンバーのサインが入った、ミック・ジャガーに『時計じかけのオレンジ』に出演するよう求める嘆願書がオークションに出品されるという。
『時計じかけのオレンジ』はアンソニー・バージェスによる小説で、1971年にスタンリー・キューブリックによって映画化されたが、その前に『博士の異常な愛情』の脚本を手がけたテリー・サザーンによって映画化の可能性について取り組まれていたという。
報道によれば、ミック・ジャガーは役柄に興味があったということで、主人公のアレックスを演じてほしいという嘆願書が作られることになった。ザ・ローリング・ストーンズの他のメンバーが「仲間のギャング」となり、サウンドトラックをザ・ビートルズが手がける予定だったという。
この嘆願者には、ザ・ビートルズの4人全員のサインやマリアンヌ・フェイスフルのサインなどが入っている。アートやデザインのオークションを手がける「パドル8(https://paddle8.com/)」を通してオークションに出される予定で、18000ドル(約215万円)から25000ドル(約300万円)の落札額が見込まれている。
この嘆願書が書かれた時期は記事では明らかではありませんが、『時計じかけのオレンジ』の映画化は1960年代半ばから検討されていて、監督はケン・ラッセルやジョン・シュレシンジャーの名前が挙がっていました。キューブリックはテリー・サザーンにもらっていた原作小説を忙しさのあまり2年半ほど放置し、『2001年宇宙の旅』の後『ナポレオン』を企画するも一旦中止に追い込まれ、1970年頃にやっと読んで映画化を決めたという経緯があります。
ビートルズは1966年夏にライブを辞めてスタジオミュージシャンに移行していたので、映画のサントラなんかもやってみたいと思っていたのかも知れません。まあこの頃のビートルズはイケイケどんどんだったので、なんでもかんでもノリだけで首を突っ込んでいただけのような気がします。結局彼らは1967年にTV映画『マジカル・ミステリー・ツアー』を製作、TV放映しサントラも発表していますが、そこでちゃっかり『博士の異常な愛情』の空撮を流用しちゃっています(その記事はこちら)。後日談として『ザ・コンプリート・ビートルズ』というドキュメンタリー映画のナレーションを担当したのが、そのアレックスを演じた当人のマルコム・マクダウェルでした。
因みに原作者のアンソニー・バージェスはモッズやロッカーズなどの不良グループの抗争に触発されて『時計…』を執筆したので、話を持って行くならフーかスモール・フェイセスあたりが正しいんですけどね。まあフーはこのあと『さらば青春の光』という名作を生み出しているからいいんですけど。
ところでストーンズがドルーグを演る予定だったそうですが、アレックス=ミックはいいとしてジョージ=キース、ピート=ブライアンでしょうか。じゃあディムは誰が? やっぱりビル・ワイマン?それともチャーリー・ワッツでしょうか??