【ブログ記事】『シャイニング』のラストシーンで使用された古いパーティーの合成写真について
『シャイニング』のラストシーンでアップになった1921年の独立記念日のパーティー写真は、既存の古いパーティー写真にジャック・ニコルソンの写真を合成したものであることは、キューブリック自身が説明していましたが、その合成用のジャック・ニコルソンの切り抜き用写真はロンドン芸術大学内にあるスタンリー・キューブリック・アーカイブスに保存されています。また、合成する前の元ネタの写真が下記の書籍に掲載されています。この書籍は1985年に出版された『The Complete Airbrush and Photo-Retouching Manual』という写真合成やレタッチのノウハウを紹介した本で、その一例として『シャイニング』のパーティーの合成写真が採り上げられているのです。
まあ、今となってはフォトショップで簡単に、しかも高精細に仕上げることができますので全く価値のない本ですが、当時は印画紙に画像を焼き付け、文字通り「切って貼る」しか方法はなく、その境目を自然に消すためにエアブラシが用いられていました。ニコルソンの写真のバックがグレーなのは、輪郭に沿って切り抜きをしやすくするためですね。そうして切り貼りした印画紙を再度フィルムで撮影、それを印画紙に焼き付ければ切り貼りの段差のない、一枚の合成写真ができあがる、という寸法です。
因みに元になったパーティーの写真は1923年に撮られたものだそうです。