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【関連動画】かつて吉祥寺に存在した『時計じかけのオレンジ』のコロバ・ミルクバーに似たバー、『MILK BAR』の動画

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  数年前(2015年頃?)惜しくも閉店してしまった『時計じかけのオレンジ』のコロバ・ミルクバーに似たバー、『MILK BAR』ですが、その店内を撮影した動画がYouTubeにアップされていましたのでご紹介。  管理人も何度か店を訪れたことがありますが、吉祥寺は居住地から遠かったので常連になるほど頻繁に店には通えませんでした。マスターともちょこっとお話しした程度ですし、このブログのことも特に話題にしていません。でも懐かしいです。トイレの便器が小さかった(子供用?)のが面白く、それが特に印象に残っています。それとカウンターに照明が仕込んであって、ちょっと『シャイニング』のバーっぽいな、と思ったこともありました。  映画やロック、サブカル好きは「将来は店をやりたい!」と思ったりするのが定番の「夢」だったりするのですが、昔に比べて版権管理がシビアになっていますので、勝手に音楽や映像を流して・・・なんてことはできなくなっているようです。でも、こんなバーが再び出現すればぜひ訪れてみたいですね。えっ?お前がやれって?? うーん、やるんだったら徹底的にこだわりたいので、ワーナーさんに話を通して、ってことになるでしょう。そうなると一介の素人にとってはやっぱり「夢」でしょうねぇ。

【リリース情報】クライテリオン版BD『バリー・リンドン』、キューブリックが指示したアスペクト比1.66でリリース

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Barry Lyndon (The Criterion Collection)(Amazon)  一体今までの混乱は何だったの? と言いたくなりますが、やっと正しいアスペクト比1.66のヨーロッパビスタでリリースされました。  キューブリックは『現金に体を張れ』から『バリー・リンドン』まで、ヨーロッパビスタの1.66で視聴されることを念頭に映画製作をしてきました(例外は『スパルタカス』とシネラマの『2001年宇宙の旅』)。しかし状況はキューブリックの希望とは異なり、アメリカンビスタ(1.85)がヨーロッパビスタを押しやって業界標準の地位を築いてしまいました。仕方なくキューブリックは『シャイニング』から、TV放映やビデオ化を睨んで撮影はスタンダード、上映はその上下をトリミングしてヨーロッパビスタとアメリカンビスタ両方に対応できるフォーマットで映画製作を行いました。なぜならビスタサイズでフィルム制作してしまうと、テレビのスタンダードサイズ(1.33)に収まりきらず、勝手に左右をバッサリカットしてオンエアされてしまう可能性があったからです(あの時代の映画のTV放映ではそれが当たり前で、切れると読めなくなるタイトルやスタッフロールなどは無理やり長体変形をかけてオンエアしていました)。  キューブリック逝去後、テレビはワイド(1.78)が標準になったため、「ビスタサイズのフィルムの左右をバッサリカットしてオンエア」という問題はなくなり、上映サイズ(ヨーロッパビスタ・アメリカンビスタ)≒ワイドテレビサイズでの視聴が当たり前になりました。それに対応して『シャイニング』以降のワイドTV対応のDVD/BDはピラーボックス(左右の黒い帯)はありません。しかしヨーロッパビスタでの上映のみを想定していた『現金…』(BDは日本未発売)『突撃』(BDは日本未発売)『ロリータ』『博士…』『時計…』『バリー…』のDVD/BDには1.78と1.66のサイズ差を埋めるピラーボックスがなければなりません。それが守られていなかったのは『バリー…』のBDだけでしたが、今回のクライテリオン版の登場で、やっとそれが果たされたというわけです。  一時期行方不明と言われていたマスターが見つかったなど、事の詳細はプレスリリースがないので不明ですが、マスターから4Kスキャンされたという画質も見本映像を観る限り期待できそ...

【台詞・言葉】『時計じかけのオレンジ』に登場したナッドサット言葉をまとめた「ナッドサット言葉辞典」

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 小説の英語版『時計じかけのオレンジ』の巻末に掲載されていた「ナッドサット言葉辞典」を和訳したものに、映画版で追加使用された言葉を「※」で表記しました。★の言葉が映画版で使用されたものです。表記は「原語(日本語表記)|英語での意味(その和訳)」です。ロシア語などの言語のルーツは省略いたしました。尚、小説版に比べて映画版での採用が少ないのはキューブリックが使いすぎて観客が引いてしまうのを危惧したためです。抜けや誤植など間違いなどありましたらBBSでご指摘ください。その際は「誠に恐縮アピ・ポリ・ロジー」。 A Appypolly loggy(アピ・ポリ・ロジー)|Apology(お詫び)★ B Baboochka(バブーチカ)|Old woman(老女) Baddiwad(バッディワッド)|Bad(悪い) Banda(バンダ)|Band(ギャング) Bezoomy(ビズムニー)|Mad(狂った) Biblio(ビブロ)|Library(図書館) Bitva(ビトバ)|Battle(戦い) Bog(ボッグ)|God(神様)★ Bolnoy(ボルノイ)|Sick(病気) Bolshy(ボルシャイ)|Big(でかい)★ Bratchny(ブラッチニー)|Bastard(クソ野郎) Bratty(ブラッティ)|Brother(兄弟・友達) Britva(ブリトバ)|Razor(カミソリ)★ Brooko(ブロッコ)|Belly(腹) Brosay(ブロショイ)|Throw(投げる) Bugatty(ブガティ)|Rich(豊かな) C Cal(カル)|Shit(クソ) Cancer(ガン)|Cigarette(タバコ) Cantora(キャントラ)|Office(事務所) Carman(カーマン)|Pocket(ポケット) Chai(チャイ)|Tea(紅茶)★ Charlie(チャーリー)|Chaplain(牧師) Chasha(チャシャ)|Cup(カップ) Chasso(チャソー)|Guard(守る) Cheena(チーナ)|Woman(女) Cheest(チェースト)|Wash(洗う) Chelloveck(チェロベック)|Fellow(男・人) Chepooka(チープカ)|Nonsense(ナンセンス) Choodessny(チューデセニー)|Wonderful(素晴らし...

【考察・検証】『2001年宇宙の旅』に登場したコンピュータ「HAL9000」の変遷と「IBM→HAL説」の真偽を検証する

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IBMのエリオット・ノイズのデザイン局がデザインした「アテナ(アシーナ)」のスケッチ  キューブリックとクラークは『2001年…』を創作するにあたり、ロボットの登場を考えていました。理由は、木星や土星への壮大な宇宙旅行の実現にはロボットのサポートが必要になるだろうし、それに当時の『禁断の惑星』などの宇宙映画には必ずロボットが名脇役として登場していたからとも考えられます(キューブリックは制作当時の映画のトレンドをかなり意識して映画制作をしていた)。そのキューブリックのロボットへの興味が手塚治虫へのオファー(キューブリックは『鉄腕アトム』を観ていた)に繋がったのでしょう。  そのロボットは形を変えてやがてスーパーコンピュータ「HAL9000」に行き着くのですが、その変遷を資料を元に辿ってみたいと思います。 1964年4月: キューブリックとクラークがニューヨークで合流し、『2001年…』の製作開始される。まずは短編小説『前哨』を元に長編小説を書き起こすことから作業を始める。 1964年6月: 「ソクラテス(正式名称:自律移動型探索機5号)」というロボットが登場する。ソクラテスは「わたしはあらゆる宇宙活動用に設計されておりまして、独立した行動もとれるし、本部からでもコントロールがききます。通常の障害物にぶつかったときや、かんたんな非常事態の判定ぐらいは、内蔵された知性で楽に処理できます。いまわたしはモルフェウス計画(人工冬眠計画)の管理をまかされています」と自己紹介し、「ロボット三原則」にも言及されている。手には様々な工作機械が取り付けられ、頭は4つの方向に広角レンズが向けられ、360度の視野を確保している。このアイデアはやがて「HALの目」へと発展する。 1964年8月: キューブリックがコンピュータの名称を「アテナ」にしよう、と提案する。この時点でロボットはコンピュータへと変化している。名称のアテナはギリシャ神話の知恵の神の名であることから、様々な推測をすることができるが、キューブリックは明確な説明をしていないので全ては想像の域を出ない。 1965年2月: 『星々への彼方への旅』として記者発表される。ただしスターゲート到着までで、結末は未完のままの状態。 1965年5月: アテナはディスカバリー号の頭脳として活躍し、スペースポッドの事故やその後の対応でクルーをサポート...

【関連記事】スタンリー・キューブリックが好んだ映画のマスター・リスト(2019年11月22日更新)

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 ニック・リグレー氏による「スタンリー・キューブリックが好んだ映画のマスター・リスト」が更新されていましたので、遅くなりましたが和訳を追加しました。また、全体的に和訳を見直しました。(初出版の和訳記事は こちら )  この記事の重要な点は、リグレー氏が「この記事の目的は、キューブリックが何らかの形で賞賛を表明していることが知られている全ての映画の、徹底的な時系列マスターリストを編纂しようとする試みです。うまくいけばこれは、さらなる物語へと発展していくものです」と語っている通りです。管理人がこれに加えるとするならば、今までに一般に流布している「不完全で、論者の思い込みのみで語られたキューブリックが影響を受けたとの記事の修正・訂正を行う試み」でもあります。  スタンリー・キューブリックはその名声や影響力の大きさから、世界中の識者から一般のファンまで日夜研究が行われています。そんな中「そう見ればそう見える」「そう思えばそう思える」程度の共通項を見つけ出し「影響を受けた・与えた論」が何の根拠もなく「俺が最初に見つけたんだ!」と言わんばかりにネットに流されます。その際たるものが「『薔薇の葬列』は『時計…』に影響を与えた」論です。もしなんらかの一次情報があれば別ですが、それもないまま表層的な共通項のみで「影響を与えた」との論が一般に流布してしまい、訂正が困難な状況になってしまっています。こういった根拠ゼロの「思い込み論」はファンとして甚だ迷惑な話でしかありません。  以下の記事はキューブリックから直接見聞きした関係者の証言と、キューブリック本人のインタビューなどソースが明確に示されたもののみ掲載されています。ここをご覧になっているファンの方はもちろん、映画評論家や映画ライターなど、プロの方まで是非とも知っておいて欲しい情報です。キューブリックに関する記事や論評を掲載する際、是非ここをご参照ください。また、できましたらソースの原文もご確認ください。和訳は管理人が拙い英語力と翻訳サイトを駆使して行ったもので、間違いやニュアンス違いがあるかもしれません。もし翻訳で気になる点がありましたら掲示板でお知らせください。ご協力を何卒宜しくお願いいたします。 ●この記事に登場する人物の紹介 ニック・リグレー…この記事の執筆者。ヤン・ハーランとフリューインには直接取材している。 ヤン・ハーラン…...

【ブログ記事】Appleの『Think different キャンペーン』に登場したスタンリー・キューブリック

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残された掲示画像を元に管理人がロゴを合成し再現したビジュアル  正月2日、東京MXでアシュトン・カッチャーが主演したバージョンの『スティーブ・ジョブズ 』(2013)がオンエアされていたので観てみましたが、ラストシーンがこのCMのナレーションをジョブズが吹き込むシーンでした。  この『Think different キャンペーン』、そういえばキューブリックも起用されていたな・・・と思って調べてみましたが、正式なビジュアルは残っていないようです。ですので、管理人が再現したものが上記になります。また、このビジュアルが使用された2000年のMACWORLD Expo/SFとTokyoのリポート記事を以下に貼っておきます。 ・ 【MACWORLD Expo/SFレポートVol.8】ブースで見るアップルのデスクトップムービー戦略(ASCII.jp×デジタル) ・ MACWORLD Expo/Tokyo 2000(K's Homepage) 管理人は幕張で開催された1999年と、この2000年のMACWORLDに行っていますが、カメラを持っていかなかったので、このキューブリックのビジュアルは写真に撮っていません(泣。当時所有していたデジカメは「重い・デカい・バッテリーがもたない」の三拍子そろったCOOLPIX950。持ち歩き用はもっぱらフィルムカメラでした。ちょっと残念。  ところでこの映画、MacファンやAppleファンにはお馴染みのエピソードが満載ですが、ジョブズがアップルに復帰した際に、天敵であるビル・ゲイツに資金提供を受けたエピソードはものの見事にカットされていました(笑。それに、例の「砂糖水」で口説いたジョン・スカリー役がなんと『フルメタル…』のマシュー・モディーン。なかなか似合っていましたね。  キューブリックとAppleと言えばこのCMが有名ですが、キューブリックがMacユーザーだった可能性はどうやらなさそうです(その記事はこちらとこちら)。一方のクラークはiMacと一緒に収まった写真を遺していますので、晩年の一時期はMacユーザーだったようです。  ジョブズがキューブリック、というか『2001年…』の影響下にあったのは音声入力の「Siri」、「Pod」「Pad」のネーミングからも明らかですが、触れてはいけないこんな黒歴史も(笑。デザインは洗練された『20...