【小説家】アーサー・C・クラーク(Arther C. Clarke)

  世界的に超有名な SF作家、 科学者。 その豊富な科学知識に裏打ちされた作品は、リアルな触感で読者に迫ってくる。 『2001年…』では、キューブリックと共同で原作を書き、キューブリックはそれを映画にし、クラークは小説に書き下ろしている。だが、クラークにとってそれは辛い日々だったらしく、キューブリックの意図が変わるたびに書き直しを強いられたり、映画の完成まで小説の出版を止められたり、また、原因不明の病気での身体の麻痺(のちにポリオ症候群と診断されている)や、多額の借金も抱えていたと言われている。もちろん、映画公開後や小説出版後は、事態は急速に好転するのだが…。(後に、クラークは「キューブリックと銀行への道すがら、二人とも笑いが止まらなかった」と言っている)でも、この経験がよっぽどこたえたらしく、続編の『2010年』では、「キューブリックはナシ」というのを映画化の条件として挙げていたぐらいだ。キューブリック久々の本格SF映画になる予定だった『A.I』では、脚本を依頼されたり、アドバイスしたりするなど、2人の親交は続いていた。2008年、自身の小説を映画化した『2010年』を迎えることなくスリランカの自宅で死去した。

 代表作は、『宇宙への序曲』('51)、『幼年期の終り』('53)、『銀河帝国の崩壊』('53)、『渇きの海』('61)、『宇宙のランデヴー(1,2,3,4)』('73~)、『グランド・バンクスの幻影』('90)など。オデッセイシリーズは、 『2001年宇宙の旅』('68)、 『2010年宇宙の旅』('82)、 『2061年宇宙の旅』('87)、『3001年終局への旅』('97)の4作品ある。

 1917年12月16日イギリス・サマセット州生まれ。2008年3月19日死去。享年90歳

TOP 10 POSTS(WEEK)

【インスパイア】『2001年宇宙の旅』のHAL9000に影響されたと思われる、手塚治虫『ブラック・ジャック』のエピソード『U-18は知っていた』

【関連記事】キューブリックは『時計じかけのオレンジ』のサントラにピンク・フロイドの『原子心母』の使用を求めたがロジャー・ウォーターズが拒否した話をニック・メイソンが認める

【関連記事】撮影監督ギルバート・テイラーが『博士の異常な愛情』の撮影秘話を語る

【関連記事】英誌『Time Out』が選ぶ「映画史上最高のベストセッ●スシーン50」に、『アイズ ワイド シャット』がランクイン

【関連記事】抽象的で理解の難しい『2001年宇宙の旅』が世に残り続ける理由

【台詞・言葉】ハートマン先任軍曹による新兵罵倒シーン全セリフ

【オマージュ】キューブリックの孫、KUBRICKの『MANNEQUIN』のMVがとっても『時計じかけのオレンジ』だった件

【台詞・言葉】『フルメタル・ジャケット』でのハートマン軍曹の名言「ダイヤのクソをひねり出せ!」のダイヤとは「●ィファニーのカフスボタン」だった件

【関連記事】2021年9月30日に開館したアカデミー映画博物館の紹介記事と、『2001年宇宙の旅』の撮影プロップ展示の画像

【インスパイア?】「白いモノリス」らしき物体が登場するピンク・フロイド『ようこそマシーンへ(Welcome to the Machine)』の公式MV