【関連作品】『片目のジャック』(One-Eyed Jacks)

  キューブリックが撮影直前まで監督する予定だった、マーロン・ブランド監督・主演の西部劇。リオ(ブランド)は相棒のタッド(カール・マルデン)と組んで銀行を襲撃、まんまと大金をせしめるが、タッドに裏切られ一人投獄される。5年後、脱獄したリオはタッドを探し出し復讐しようとするが、強盗から足を洗い保安官になっていたタッドは結婚し、妻と義理の娘ルイザの三人で暮らしていた。本心を隠したまま、タッドに近づいたキッドは、祭りの夜、ルイザと関係し妊娠させてしまう。だが、ルイザを本当に愛し始めていたキッドは、復讐と愛とどちらを選ぶか悩み始める・・・というストーリー。

 銀行強盗、保安官、裏切りと復讐、決闘、そしてラブシーンと、西部劇お決まりのパターンが詰め込まれた平凡な作品。脚本家がサム・ペキンパー、カルター・ウィリンガム+キューブリック、カルロ・フィオレ、ガイ・トロスパーと次々に入れ替わったせいなのか、全体的にリズムの悪い、冗漫な印象が残る。

 また、リオが受けた刑務所内での「屈辱的な扱い」がさっぱり描かれていないため、リオの復讐心がどれほどのものか全く伝わってこないし、「銀行襲撃の決行日が地元の祭りだったためやむなく中止」というなんとも間抜けな設定のため、ここまでの緊張感がプッツリ。それから繰り広げられる恋愛模様もだらだらと冗漫で、だんだんリオが「名の知れた凄腕の銀行強盗」に見えなくなってしまう。そしてどっちつかずの中途半端なラストシーン・・・。この映画の製作過程を象徴するかのような、なんともしまらないお話だ。

TOP 10 POSTS(WEEK)

【パロディ】マルコム・マクダウェルが米NBCの人気コメディー番組『サタデー・ナイト・ライブ』で披露した、『時計じかけのオレンジ』のセルフパロディ

【関連記事】クリストファー・ノーランがスタンリー・キューブリックに聞いてみたい質問とは?

【パロディ】アメリカ・ワシントン州にある映画館「ドラゴンフライ・シネマ」が制作した『シャイニング』のパロディ動画

【関連記事】原田眞人氏が『フルメタル・ジャケット』のセリフ翻訳担当の経緯と、その作業内容を語ったインタビュー記事

【インスパイア】ブリトニー・スピアーズ ft. ティナーシェ/スランバー・パーティー(Britney Spears - Slumber Party ft. Tinashe)

【台詞・言葉】ハートマン先任軍曹による新兵罵倒シーン全セリフ

【ブログ記事】キューブリックとハリスが登場する、セブン・アーツが制作した『博士の異常な愛情』の広告

【台詞・言葉】『時計じかけのオレンジ』に登場したナッドサット言葉をまとめた「ナッドサット言葉辞典」

【関連記事】ペンギンブックス版『時計じかけのオレンジ』のカバーデザインを担当したデイビット・ペルハムのインタビュー

【ブログ記事】『ロリータ』のラストシーンに登場した女性の肖像画の画家、ジョージ・ロムニーのロリコン人生