【作品紹介】『シャイニング』

邦題/シャイニング
原題/The Shining
公開日/1980年5月23日(142分、カラー、ワイド)
日本公開/1980年12月13日(119分の国際版)
製作会社/ワーナー・ブラザーズ
製作総指揮/ヤン・ハーラン
製作/スタンリー・キューブリック
共同製作/ロバート・フライアー、マーティン・リチャーズ、マリー・リア・ジョンスン
監督/スタンリー・キューブリック
脚本/スタンリー・キューブリック、ダイアン・ジョンスン
原作/スティーブン・キング『シャイニング』
撮影/ジョン・オルコット
編集/マーティン・ハンター
音楽/ウェンディ・カルロス、レイチェル・エルキンド
美術/レイ・ラヴジョイ
出演/ジャック・ニコルソン(ジャック・トランス)、シェリー・デュヴァル(ウエンディ・トランス)、ダニー・ロイド(ダニー・トランス)、スキャットマン・クローザス(ハロラン)、フィリップ・ストーン(デルバード・グレディ)、ジョー・ターケル(ロイド)ほか
配給/ワーナー・ブラザーズ

●ストーリー

 上空から冷ややかに見つめる視線。それは雄大なコロラド・ロッキーの中を走る一台のワーゲンを追いかける。やがてその視線の先に豪華なリゾートホテル「オーバールック・ホテル」が姿を現わした。ワーゲンの主は作家兼教師のジャック・トランス。彼は冬季に閉鎖されるこのホテルの管理人の採用試験に赴いたのだ。ところがその面接で支配人から不吉な話を聞かされる。前任の管理人はあまりの孤独に気が狂い、妻と娘を惨殺し自分も猟銃自殺したというのだ。そんな話を一笑に付し無事採用されたジャックは、妻ウェンディと一人息子のダニーとともに再びオーバールックに向かう。だが、超自然感応能力〈シャイニング〉を持っていたダニーは、そのホテルに不気味な影の存在を感じていた。

 ホテルに到着したトランス一家に、ホテルの料理長ハロランは不安を抱く。特に自分と同じ〈シャイニング〉を持っているダニーを心配し、「237号室には何もないから近づくな」と言い残してマイアミに帰省した。一方のジャックは、断酒中の自分にはアルコールのない、静かな環境で執筆ができると乗り気で、ウェンディはそんな家族を暖かく支えるつもりだった。

 だが、そんな一家の幸せな時間は長くは続かなかった。ダニーはいきなり双子の少女の霊に遭遇、ジャックも苛立つばかりで一向に執筆がはかどらず、テニスボールで遊び出す始末。やがてダニーはハロランの忠告にも関わらず、何者かに誘われるかのように237号室に入ってしまった。

 ジャックは酒を求めて誰もいないゴールドルームのバーに行く。するとそこにバーテンダーの霊が現れて、断酒中にも関わらずジャックは勧められるままに酒を飲んでしまう。237号室でダニーが何ものかに傷つけられた事を知ったウェンディは、ジャックに237号室を調べるように迫る。そこでジャックも若い女(老婆)の霊と遭遇するが、ウェンディには「何もなかった」と報告するだけだった。何ものかに取り込まれつつあるジャック・・・。再びゴールドルームに赴くと、そこはパーティーの真っ最中。そこで出会ったウェイターのグレディに「ずっと昔からあなたはこのホテルの管理人だった」、「邪魔をする奥さんと息子には〈しつけ〉が必要」と諭されると、霊の言う通りにウェンディやダニーを襲い始めた。

 ダニーはハロランに助けを求め、それを感じ取ったハロランは急遽ホテルに向かう。ある一文を繰り返しタイプしただけの原稿用紙の山に、やっとジャックの異常に気がついたウェンディは、襲ってきたジャックをバットで殴って気絶させ食品倉庫に閉じ込め、ダニーと一緒にホテルからの脱出を図る。だが無線や雪上車はジャックによって壊された後だった。それに対しグレディはジャックを倉庫から助け出し、自分の勤めを果たすように迫る。再び妻子を襲い始めるジャック。そこにハロランが到着するが斧でジャックに殺されてしまう。生け垣迷路に逃げ込んだダニーはなんとかジャックを巻く事に成功。ハロランが乗ってきた雪上車でウェンディとダニーはホテルを無事脱出、ジャックはそのまま生け垣迷路で凍死する。

 ジャックはホテルのロビーに飾られた、1921年のアメリカ独立記念日のパーティーの写真の中に幸せそうな顔をして写っていた。そしてパーティーの音楽はやがて雑踏へと変わるのだった。

TOP 10 POSTS(WEEK)

【ブログ記事】1999年3月7日スタンリー・キューブリック監督の逝去に当たり、当ブログ(当時個人ホームページ)に寄せられたファンの追悼メッセージ集

【台詞・言葉】ハートマン先任軍曹による新兵罵倒シーン全セリフ

【考察・検証】『フルメタル・ジャケット』の幻のシーン「生首サッカー」は真実か?を検証する

【TV放映情報】NHK BSプレミアムシネマで2月26日(水)午前0:05より『フルメタル・ジャケット』オンエア決定

【上映情報】「午前十時の映画祭15」で『2001年宇宙の旅』『時計じかけのオレンジ』上映決定!!

【関連記事】スタンリー・キューブリックが好んだ映画のマスター・リスト(2019年11月22日更新)

【関連記事】『2001年宇宙の旅』1968年公開、スタンリー・キューブリック監督の叙事詩的SF。その先見性に驚く

【ブログ記事】11人の映画監督がスタンリー・キューブリックを語る

【インタビュー】『バリー・リンドン』の撮影監督だったジョン・オルコットのインタビュー[その1:ロケーション撮影、フィルター、照明、ネガフィルムについて]

【考察・検証】「フィクション」を「ドキュメント」するカメラマンの眼