【俳優】シェリー・デュバル(Shelley Duvall)

Shelley Duvall(IMDb)

 『シャイニング』のウェンディ役。『メイキング…』では「この撮影で貴重な体験をし、役者として一回り大きく成長できた」と殊勝にインタビューに応えていたが、カメラを回していたのがキューブリックの娘なので、当然本音を語るはずもなく、それはシェリーにとってかなり辛い体験だったようだ。キューブリックはシェリーの「役者的演技」を排除するために徹底的に高圧的に接していて、「時間を無駄にするな」「シェリーに同情しても為にはならない」「驚く姿がわざとらしい」など言いたい放題。演技に関してはキューブリックの言う通りいかにも「演技してます」感があり、役者としては下手な方なのだが、それなら俳優を変えれば良いはず。なのにキューブリックは我慢して最後までシェリーを使い続けた。これは想像だが、ニコルソンの「強烈な狂気顔」と張り合うには、シェリーの「貧相な恐怖顔」しかなかったのかも知れない。

 他の出演作は『バード・シット』(1970)、『ナッシュビル』(1975)、『ビッグ・アメリカン』(1976)、『アニー・ホール』(1977)、『ポパイ』(1980)、『バンデッドQ』(1980)、『愛しのロクサーヌ』(1987)、『マイホーム・コマンドー』(1989)、『ある貴婦人の肖像』(1996)、『タロス・ザ・マミー/呪いの封印』(1998)。

 1949年7月7日テキサス州ヒューストン出身。2024年7月11日、糖尿病の合併症により睡眠中にテキサス州の自宅で死去。享年75歳。

TOP 10 POSTS(WEEK)

【考察・検証】『アイズ ワイド シャット』は、なぜクリスマスシーズンの物語なのか?を検証する

【関連動画】『2001年宇宙の旅』の未公開シーンとセット画像を集めた動画と、クラビウス基地で登場したハンディカメラをニコンがデザインしたという説明の信憑性について

【オマージュ】King Gnu(キング・ヌー)の新曲『一途』のMVがとっても『2001年宇宙の旅』だった件

【ブログ記事】NHK『映像の世紀~バタフライエフェクト~映像プロパガンダ戦 嘘と嘘の激突』で紹介されたプロパガンダ映画『ユダヤ人ジュース』とキューブリックとの「接点」

【インスパイア】とっても『2001年宇宙の旅』な、旧ソ連謹製SF映画『モスクワ-カシオペア(Москва – Кассиопея)』

【パロディ】映画版『バービー』の予告編がまるっきり『2001年宇宙の旅』でどう反応して良いのやら(汗

【関連記事】映画ファンが「こんな世界絶対嫌だ…」と絶望する!オススメの「ディストピア映画」10選

【関連書籍】忘れ去られた『2001年宇宙の旅』のもうひとつの原典、アーサー・C・クラーク『地球への遠征』

【オマージュ】MV全編がまるっきり『時計じかけのオレンジ』な、コットンマウス・キングス『Stomp』のMV

【パロディ】まるっきり『時計じかけのオレンジ』のアレックスのファッションをしたマーク・パンサーが登場するglobeの『genesis of next』