【スタッフ】ダルトン・トランボ(Dalton Trumbo)

  『スパルタカス』の脚本家。有名なハリウッド・テンの中の一人。共産主義者の疑いを掛けられてハリウッドを追放されたが、実際にアメリカ共産党員だった。

 トランボの掲げた理想的な平等社会を目指した革命家という脚本は、人間を善悪の二元論で描写したがらないキューブリックとはソリが合わず、結局キューブリックが折れる形で監督するハメになる。その鬱屈した思いは次作『ロリータ』で盛大に皮肉られている。

 主な参加作品は『潜水艦SOS』(1937)、『恋愛手帖』(1940)、『新妻はお医者さま』(1941)、『奥様は魔女』(1942)、『夫は還らず』(1943)、『東京上空三十秒』(1944)、『緑のそよ風』(1945)、『拳銃魔』(1950)、『火星探険』(1950)、『不審者』(1951)、『その男を逃すな』(1951)、『カーニバルの女』(1954)、『軍法会議 』(1955)、『テキサスの死闘』(1958)、『カウボーイ』(1958)、『果てしなき夢』(1959)、『栄光への脱出』(1960)、『ガン・ファイター』(1961)、『脱獄』(1962)、『いそしぎ 』(1965)、『ハワイ』(1966)、『フィクサー』(1968)、『ホースメン』(1971)、『FTA』(1972)、『ダラスの熱い日』(1973)、『追憶』(1973)、『パピヨン』(1973)、『新・ローマの休日』(1987)、『オールウェイズ』(1989)など。ハリウッド追放中に変名で書いた『ローマの休日』(1953)でアカデミー脚本賞、『黒い牡牛』(1956)で原案賞を受賞し、『ジョニーは戦場へ行った』(1971)では脚本のほか監督も担当している。

 1905年12月9日アメリカ・コロラド州モントローズ出身、1976年11月10日死去、享年70歳。

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