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 『2001年宇宙の旅』でキューブリックと丁々発止のアイデア・バトルを繰り広げたアーサー・C・クラークの最高傑作『幼年期の終り』。ある意味『2001年…』の元ネタと言ってもいいと思いますが、それ以上の壮大な宇宙観が広がっています。キューブリックがこの作品に登場する「反キリスト教的なイメージを取り込みたい」とクラークに要望するのも頷ける、とても崇高で高邁な理念が示されますが、多分にキリスト教的な世界観・価値観に基づいてはいますので、その辺りが鼻につくのはご愛嬌。それにクラークのあまりにも性善説に基づいた倫理観が楽天的過ぎに感じられるかも知れません。

 でも、それを割り引いても傑作だと思います。クラークの理想主義の原点はここに結実していますので、いかに小説版『2001年…』のドライな筆致がクラークらしくないか、それを知るにもよい比較材料でしょう。是非の一読をお勧めします。

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