【交流録】スティーブン・スピルバーグ(Steven Spielberg)
現在最高の映画監督の一人。キューブリック・フォロワーとしても有名で、しかも実際親しく交流していた数少ない同業者。キューブリックは中でも『E.T.』を高く評価していて、実際「ファンタジーでは君にかなわない」と言わしめた。キューブリックにはない子供のような純粋な視点と高いエンターテイメント性、親しみやすいストーリーは万人受けするもので、そういった映画を作らせたら右に出る者はいない、と言えるほど。その印象が強いせいか、メッセージ性や芸術性の高い作品は軽視されがちだったが『シンドラーのリスト』や『プライベート・ライアン』ではその面でも高い評価を得、オスカーに輝いている。
映画ファンには何かと軽く見られがちなスピルバーグだが、個人的にはキューブリックに匹敵するほど偉大な監督だと認識している。ただその方向性と間違えなければ、という但し書きが付く。上記の『シンドラー…』も『ライアン』も、そしてキューブリックが長い年月をかけ、人間と機械の存在意義を問いかけようとした『A.I.』も、そこにどうしようもない「軽さ・浅さ」を感じてしまう。そんな小難しい事は他の監督に任せて是非エンターテイメントに徹して欲しい。そうすれば間違いなく第一級の素晴らしい作品を撮ってくれるに違いない。
主な監督作品は『ジョーズ』(1975)、『未知との遭遇』(1977)、『1941』(1979)、『E.T.』(1982)、『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(1984)、『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』(1989)、『ジュラシック・パーク』(1993)、『シンドラーのリスト』(1993)、『ロストワールド/ジュラシック・パーク』(1997)、『プライベート・ライアン』(1998)、『宇宙戦争』(2005)、『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』(2008)、『リンカーン』(2012)など。製作として参加した作品も多数あり。
1946年12月18日アメリカ・アハイオ州出身。