【関連記事】10年に1度の「史上最高の映画」投票結果発表 「市民ケーン」がついに陥落
英BFI発行の「サイト&サウンド」誌が10年に1度、世界中の映画評論家を対象に実施する「史上最高の映画(Greatest Films of All Time)」アンケートの2012年版投票結果が発表され、1962年以来50年にわたって首位を堅守してきたオーソン・ウェルズ監督の「市民ケーン」に代わり、アルフレッド・ヒッチコック監督の「めまい」が栄誉を勝ち取った。
今回は、846人の評論家や研究者、映画祭プログラミング担当、配給会社スタッフが投票。その結果、191票を獲得したアルフレッド・ヒッチコック監督、ジェームズ・スチュワート&キム・ノバク主演の「めまい」(1958)が史上最高の映画に選ばれた。「めまい」は、ヒッチコックの死去2年後の1982年の投票で初めて第7位に登場。以来、徐々に順位を上げてきたという(前回の2002年は第2位)。
一方、50年にわたって君臨した「市民ケーン」は今回第2位(157票)。第3位には、107票を獲得した小津安二郎監督の「東京物語」がランクインした。なお評論家とは別に、358人の映画監督による「史上最高の映画」の投票結果も発表されているが、そちらでは「東京物語」が第1位に選ばれている。映画監督のなかにはマーティン・スコセッシ、フランシス・フォード・コッポラ、クエンティン・タランティーノ、ウッディ・アレン、マイク・リーらが含まれている。
評論家が選んだトップ10は以下の通り。
- 「めまい」(58/アルフレッド・ヒッチコック)
- 「市民ケーン」(41/オーソン・ウェルズ)
- 「東京物語」(53/小津安二郎)
- 「ゲームの規則」(39/ジャン・ルノワール)
- 「サンライズ」(27/F・W・ムルナウ)
- 「2001年宇宙の旅」(68/スタンリー・キューブリック)
- 「捜索者」(56/ジョン・フォード)
- 「これがロシアだ(カメラを持った男)」(29/ジガ・ベルトフ)
- 「裁かるゝジャンヌ」(27/カール・テオドール・ドライエル)
- 「8 1/2」(63/フェデリコ・フェリーニ)
映画監督が選んだトップ10は以下の通り。
- 「東京物語」(53/小津安二郎)
- 「2001年宇宙の旅」(68/スタンリー・キューブリック)
- 「市民ケーン」(41/オーソン・ウェルズ)
- 「8 1/2」(63/フェデリコ・フェリーニ)
- 「タクシードライバー」(76/マーティン・スコセッシ)
- 「地獄の黙示録」(79/フランシス・フォード・コッポラ)
- 「ゴッドファーザー」(72/フランシス・フォード・コッポラ)
- 「めまい」(58/アルフレッド・ヒッチコック)
- 「鏡」(74/アンドレイ・タルコフスキー)
- 「自転車泥棒」(48/ビットリオ・デ・シーカ)
いつもの顔ぶれから意外な作品まで並んでいますが、大体こういった投票をすると非ハリウッド的な作品が多くなるのはいつもの通りですね。日本人からすればここに小津の名前があるのを誇りに思えるのですが、ちょっと順位が高すぎるような気がしないでもないです。黒澤もそうですが、もうそろそろ評価が安定して欲しいですね。キューブリックに関しては順当でしょう。これからもTOP10圏内をうろうろしそうです。