【関連書籍】前哨(The Sentinel)/アーサー・C・クラーク 著

 『2001年宇宙の旅』のベースになった、 1950年に発表したクラークの短編小説。人類は月に謎のピラミッドを発見したが、謎のまま結局破壊してしまう。だがそれは異星人が残していった人類進化の進捗状況を知るための「警報装置」だったかもしれない・・・というお話。「映画の原作に使えそうだ」とクラークがキューブリックにこのストーリーを勧めたという点から「2001年の原作」と評する向きもあるようだが、『2001年…』は本作以外にも様々な作品から要素を取り込んでいるので、「映画『2001年…』を製作するにあたっての出発点の小説」という認識が正しい。

 興味深いのは『2001年…』の元ネタの一つでもある『地球への遠征』が収録されている点だ。この作品は本書でしか読むことができないのでその意味では貴重だろう。

 ちなみに本作は本書以外でも『失われた宇宙の旅2001』や『メイキング・オブ・2001年宇宙の旅』でも読むことができる。

TOP 10 POSTS(WEEK)

【インスパイア】『2001年宇宙の旅』のHAL9000に影響されたと思われる、手塚治虫『ブラック・ジャック』のエピソード『U-18は知っていた』

【関連記事】キューブリックは『時計じかけのオレンジ』のサントラにピンク・フロイドの『原子心母』の使用を求めたがロジャー・ウォーターズが拒否した話をニック・メイソンが認める

【関連記事】撮影監督ギルバート・テイラーが『博士の異常な愛情』の撮影秘話を語る

【関連記事】英誌『Time Out』が選ぶ「映画史上最高のベストセッ●スシーン50」に、『アイズ ワイド シャット』がランクイン

【関連記事】抽象的で理解の難しい『2001年宇宙の旅』が世に残り続ける理由

【台詞・言葉】ハートマン先任軍曹による新兵罵倒シーン全セリフ

【オマージュ】キューブリックの孫、KUBRICKの『MANNEQUIN』のMVがとっても『時計じかけのオレンジ』だった件

【台詞・言葉】『フルメタル・ジャケット』でのハートマン軍曹の名言「ダイヤのクソをひねり出せ!」のダイヤとは「●ィファニーのカフスボタン」だった件

【関連記事】2021年9月30日に開館したアカデミー映画博物館の紹介記事と、『2001年宇宙の旅』の撮影プロップ展示の画像

【インスパイア?】「白いモノリス」らしき物体が登場するピンク・フロイド『ようこそマシーンへ(Welcome to the Machine)』の公式MV