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 『2001年宇宙の旅』のベースになった、 1950年に発表したクラークの短編小説。人類は月に謎のピラミッドを発見したが、謎のまま結局破壊してしまう。だがそれは異星人が残していった人類進化の進捗状況を知るための「警報装置」だったかもしれない・・・というお話。「映画の原作に使えそうだ」とクラークがキューブリックにこのストーリーを勧めたという点から「2001年の原作」と評する向きもあるようだが、『2001年…』は本作以外にも様々な作品から要素を取り込んでいるので、「映画『2001年…』を製作するにあたっての出発点の小説」という認識が正しい。

 興味深いのは『2001年…』の元ネタの一つでもある『地球への遠征』が収録されている点だ。この作品は本書でしか読むことができないのでその意味では貴重だろう。

 ちなみに本作は本書以外でも『失われた宇宙の旅2001』や『メイキング・オブ・2001年宇宙の旅』でも読むことができる。

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