【考察・検証】『シャイニング』のオープニングに映り込んだヘリコプターのローター
『シャイニング』のオープニング・シークエンスに映り込んだヘリのローターですが、今までさんざんケンケンガクガクの議論が交わされてきましたが当事者がはっきりと証言していますのでご紹介します。
当初、影が映った箇所は他のカットにディゾルブ(シーンとシーンが溶けるようにつながる編集方法)されるフレームだった。 つまりホワイトアウト、あるいはブラックアウトして次のカットにつながるハズだったので、 ヘリの影は観客には分からないはずだった。しかし、全体のつながりやBGMの尺に合わせるため、 結局最後のフレームまでディゾルブなしで使うこととなった。
この作品は、1.85:1 のアスペクト比で上映されることを想定していたため、実際のフィルムの上下には 不要な部分が写りこんでいた。編集用画面の上下にはマスキングテープで目隠しがされていたので、 編集担当者にもキューブリックにもヘリの影は見えなかったはず。
さらに関係者の試写会でもヘリの影は見えなかったのだが、これは試写室の上映システムが 1.85:1 のアスペクト比が厳密に守られていたからで、市中の映画館ではアスペクト比がいい加減なので、 余計なヘリの影が観客の目に触れてしまったワケ。
実際のところ、ロードショーの前に、ヘリの影にキューブリックがもし気が付いていたとしても、彼はそのままゴーを出したでしょう。だって、彼は画面の上部にヘリのローターが写り込んでいることには気が付いていたけど、そちらも問題視してなかったからね。
(引用:http://www.visual-memory.co.uk/faq/#n1s1 書き込みはヘリ撮影の当事者Gordon Stainforth)
「上下にマスクをかけていたので編集時には気づかなかったのでは?」というのはずいぶんと前から言われてましたね。公開当時もそんなに問題になってなかったような。ここまで騒がれたのはスタンダードサイズのノートリミングでビデオ化されてからではないでしょうか。TV放映時だったかも知れません。ちょっと記憶が曖昧ですが。
ディゾルブやホワイトアウト/ブラックアウトの話は初耳でした。現在のBDではマスクされているので問題ないでしょう。これでローター論争もおしまいにしたいですね。